2017年3月20日月曜日

宅配危機にどう対応するか

ネットでの販売が増大すれば、どこかで宅配問題が浮上するのは当然だろう。
 で。
 どう、宅配は対応すればいいのだろうか。

 単に、宅配をする業者の問題だけではなく、受け取る側も工夫しなければならない—そういう方向に頭が働かなければならないということだろう。

 以下、新聞から抜粋。

 昨年末から、インターネット通販の拡大などによる宅配の増加に伴う問題が噴出している。
 物流量の増加に配達員の確保が追いつかない、人件費の高騰などによるコスト増、遅配の発生……。
 様々な問題に対してヤマト運輸が値上げやサービス内容の見直しなどを打ち出し、注目された。
 ひとつの課題として注目されているのは再配達率が2割という効率の悪さだ。
 試算では7億個もの無駄な荷物を配送しているわけで、これを減らせるだけでもインパクトになる。
 まず進められているのが宅配ロッカー。
 政府も設置に補助金を出す制度を始めると報道されている。
 
  確かにひとつの解決策ではあるが、まだまだ貢献できる方策はたくさんある。
 例えば「スマートロック」というスマートフォン(スマホ)で開閉できる鍵の普及だ。
   宅配業者との信頼関係が 必要だが、配送時だけ有効な鍵を配送員のスマホアプリに送ること 
  で、不在時でもドアを開けて玄関に 荷物を置けるようになる。

 荷物の到着もアプリでリアルタイムにわかる。
 あわせて玄関にカメラを設置すれば、 不正の心配も無い。
 宅配ロッカーを置くスペースの無い家なども鍵を換えるだけでよくなる。

 「ウケトル」という宅配用アプリも登場している。
 ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便と連携し、 アマゾン・ドット・コムや楽天市場、三越伊勢丹などで購入した商品の配送情報がリアルタイムで把握できる。
 冷凍品などは宅配ロッカーが3温度帯に対応しないと厳しいので、やはり受け取りを確実にしていくことが大事になる。

 「すでにウケトル導入前と後で、再配達が1割減るという効果が出ている。
 現在ユーザーはまだ10万人だが 1000万ユーザーを目指し公益企業になりたい」とウケトルの角井亮一社長は語る。
 今後はこうしたアプリを活用し、道路状況なども加味して最適な配送ルートを人工知能(AI)で配達員に 提示するようなシステムの登場も望まれる。
 それは難しいことではなく、現在の技術でも十分に実現可能だ。

 今後、物流量はますます増えるだろう。そもそも、昔は隣近所で荷物を預かってもらうことが普通だった。
 しょうゆが足りなければ遠くの倉庫から運んでもらうのではなく、隣の家に借りれば済んだ。
 社会全体としての最適化が求められ、そのためにもシェアリングエコノミーの進展が鍵となる。

 シェアハウスが増えれば配送効率も高まるし、地域のシェア倉庫のようなものを作って配送業者には その倉庫に配送してもらい、そこからは地域の人々が自分たちで引き取るといった仕組みがあってもいい。
 宅配ではないが、スペインや中国・上海では余った食品をみんなで共有する冷蔵庫なども登場して 話題になっている。
 個人宅配の効率化ではなく、地域物流としてシステム全体を考える視点も大事だろう。

 そして何よりもこうした社会課題の解決を事業者や政府まかせにするのではなく、一人ひとりが 社会の課題と認識しなければならない。
 社会をパンクさせないために改善に参加するのだという 覚悟と意識が、宅配問題に限らず重要な時代になってきている。
 駅構内などへの宅配ロッカー整備は宅配危機の1つの解決策にすぎない

補足、感想など

 記事の指摘は、真っ当であろう。
 これは、例えば、家を新築するときに、宅配にどう対応するか—というシステムを組み入れなければならない—ということだろう。

 ソフトで、隣近所との交流の中で、家の構造としても考慮する---そういう時代となったということだ。