2017年3月23日木曜日

技術者の言うことを信じてあげて頂きたい—豊津市場移転問題

どういえばいいのかな。
 こういう騒動が起こったとき、技術者も発言するのだが、どうも無視されがちだなぁ。

 本筋というか、実際の仕事をやるに際して、「このあたりで」--ということが技術者から提示されているではないか。
 なぜ、これだけ本筋から離れた・意味もないことに紛糾するのだろうか。

 まず、技術者からの提言から抜粋。

2017/03/20()

 東京・築地市場の移転先となる豊洲市場(江東区)の安全性について検討している都の専門家会議が開かれ、同市場の地下水から環境基準の100倍のベンゼンが検出されたとする再調査結果が公表。

 最終9回目の調査と同水準の結果で、同会議の平田健正座長は「科学的、法的には安全」と評価した。
 調査結果を受け、小池百合子知事は移転の可否を決定する。

 再調査は、地下水モニタリング(継続監視)の9回目調査で濃度が高かった地点を中心に、27か所で地下水を採取し、調査機関がそれぞれ分析した。
 結果、25か所で有害物質が環境基準を超え、ベンゼンは22か所中19か所で検出され、前回79倍だった地点は80~100倍だった。
 ヒ素は6か所中5か所で最大3・6倍、「不検出」が環境基準のシアンは22か所中18か所で検出された。
 複数の物質が同地点で基準超だったケースもあった。

補足、感想など

 いや、建物を建築する前であれば、移転場所を変更すればいいこと。
 しかし、現実に建物を建てている訳だから、地下から汚染物質が検出されても、これを地上で作業する場合に影響しないような工夫をすればいいことだ。
 そこは、もう、技術者の世界なのだ。

 記事にあるごとく、技術者達は、安全だ—と言っている。
 その言葉を信じてあげて欲しい。
 技術者は、政治家ではない。派手な言葉など言えない。受けてにインパクト与えるような言い方はできない。

 実用性しか考えていない言葉といってもいい。
 それだけの重みがあるのだ。

 逆にいえば、小池知事の論法というのは、いわば、重箱の隅をほじくってみて、まだ、地下にこんな物質があるのだとか、移転を決めた経緯がどうたら---と「実用性からかけ離れた」言葉をくりかえす。

 観念的というか、技術者・技術というものを軽視した言葉だと思える。
 どんな物質が地下にあろうと、それを遮断すればいいではないか。<その部分は技術者に任せよ>
 そうしなければ、仕事は前に進まない。

 このあたりを色んな人から攻撃されているのだ。

 --ここから--
■元大阪府知事の橋下徹氏(47)が、「橋下×羽鳥の番組」、石原慎太郎元都知事(84)が都議会での百条委員会(豊洲市場の移転問題を検証する調査特別委員会) に証人として出席したことについてコメント。

 猪瀬直樹元都知事(70)や、音喜多駿都議(33)を前に、冒頭で「都議会も都庁もレベルが低いと思います」と橋下氏。
 「トップが判断することは100%正しいとは限りません」と石原氏をフォローし また安全は科学的に立証できるけど、安心はコミュニケーション」などと話し、小池百合子現都知事にもそれが足りないことを指摘。

 橋下氏は、ツイッターでも「都庁担当部局や専門家会議と議論すれば昨年8月末にも分かっていたこと。 都庁サイトの資料を読んだだけの僕でも分かったこと。それらをしなかった小池百合子さんの責任は重大」などとつぶやき、小池百合子氏に矛先を向けている。


■東京都の豊洲市場をめぐる問題で、都議会の調査特別委員会(百条委員会)は、石原慎太郎元知事(84)を証人喚問。

 石原氏は豊洲への移転決定について「決裁した責任は認める」と述べたものの、浜渦武生元副知事と東京ガスとの用地取得交渉の内容に関し「彼に一任したことなので、いちいち詳細に報告は受けていない」などと繰り返した。

 石原氏は、土地売買契約に東京ガスが土壌汚染対策費の追加負担をしない「瑕疵担保責任の放棄」が盛り込まれたことについて 「担当から報告を受けた記憶はない」と発言。
 豊洲への移転延期を決めた小池百合子知事を「安全と安心がこんがらがっている」と批判し、「速やかに移転を決断すべきだ」と述べた。

■経済評論家・勝間和代さん(48)がTOKYO MX「バラいろダンディ」に出演し、石原慎太郎元都知事(84)出席して行われた、豊洲市場の移転問題を検証する都議会の調査特別委員会(百条委員会)ついて言及。

 石原元都知事は、喚問の冒頭で「2年前の脳梗塞の後遺症で全ての字を忘れた。ひらがなさえも忘れました」と発言。
 さらに、石原氏の要望により質疑の時間も大幅に短縮されたことで、真相究明には及ばなかった。
 勝間さんは「石原さんの問題というよりは、この問題をあつかうことが都民のためにならないと思っている。

 結局、健康問題にそこまで影響がない問題に対して、多額のお金と時間を使う必要があるのか? 石原さんは、羽田空港とか夜間着陸とかを可能にしているわけですから、いいことであって、都民のためになることをやってほしい。」と熱弁した。

 番組の蝶野正洋から「マスコミも修正しないとダメ?」と質問されると「小池さん、いいかげんにして欲しいんです。この問題に対して関わるのは」と訴え、矛先を小池百合子都知事(64)に向けていた。

 --ここまで--

 冒頭でふれた。
 移転の土地を探している—というなら、小池さんの指摘も意味があろう。
 しかし、既に建物も建築され、移転直前での小池さんの指摘は、意味をもっていない。

 それよりも、技術者の「腕」を信頼してあげてほしい。
 豊津市場へ移転して、これからも地下の汚染物質を遮断できる「手」を打ち続けてほしい---というのが、真っ当な「事の進め方」ではないのか。