2011年7月18日月曜日

日本人の若者はなぜ飛躍できないのか。

▲まぁ、中国人のいうことなどどうでもいい…と筆者は思う。

 記事を書いたのは日本にいる新聞の編集者らしいのだが、その指摘の仕方に中国人らしい偏見があって、筆者には面白いと感じた。

 なぜ、中国人はこういう風に感じるのだろう。中華思想というサングラスを透しては、本当のことが見づらいか。

 以下、新聞から抜粋。

 東京の街を歩いていると、制服を着た小学生や同じような色のスーツを着たサラリーマン、似たようなメイクや服装をした若い女性などを見かける。

 みな似たり寄ったりで、誰が誰だが区別が付かない。

 こうした「統一」は日本が世界に誇る名刺といえる。

 これは60年代半ば、パナソニックを代表とする日本企業が作りだした企業文化だ。

 企業を我が家とみなし、忠誠を誓い、順序に従って物事を進める。

 これが日本の企業文化の要である。

 70年代、日本経済は飛躍的に成長。

 日本の企業文化は世界中の注目の的となり、各国は争うように真似をした。

 ところが、日本人が終身雇用制や年功序列の素晴らしさに酔いしれていた1991年、バブルが崩壊。

 日本全体が冷水を浴びせられたような状態となった。

 その元凶はいろいろ考えられるが、日本の企業文化に潜むマイナス要素もその一端を担ったことは否めない。

 筆者は、物事を順序正しく進める日本企業の団結力は非常に素晴らしいと思う反面、社員の個性と創造力を奪っているようにも感じる。

 これでは若者の考える力は育たない。

 日本の若者はアニメが大好きだが、それはなぜか?現実では精密機械のような生活を送っているからだ。

 バーチャルな世界でしか、自分の意見や考えで動くことができないのだろう。

 日本の企業文化が若者から「飛躍」する空間を奪っているのだ。

 バブル崩壊後、日本は貴重な20年を失ってしまった。

 未来の20年が明るいものになるかどうか、それは日本社会が今の若者を「飛ばせる」ことができるかどうかにかかっている。

▲補足、感想など

 さて、どうだろうか。

 この中国人の指摘は当たっているのだろうか。

 この人、年齢は50才くらいかな。

 1980年代末の日本のバブル期を知っているようだなぁ。

 上の記事ではなにをいっているのだろう。

1.同じ格好をしている →個性と創造力を奪う

2.アニメが好き  →バーチャルでのみ自分の考えで動く

3.バブル崩壊後 →20年を失った 

4.企業文化 →若者の飛躍する空間を奪った

 か。


ここで上の要点について、筆者なりに解釈してみよう。

1.似たような格好をしていることと、創造力との間に関係はあるまい。

 日本のサラリーマンのような集団での生活では、目立つ格好というものは、返って仕事をする上で邪魔になるのだろう。本質的なこと以外で煩わされる。

 創造力というものは、日本人の勤勉性にのっかったものだ。

 創造性なんて、中国人にとって最も苦手な分野ではないのか。まぁ、日本人は個性というものも目立たないような形で発揮するだろう。(それで分かる人には充分に分かる)

 まぁ、下の「飛躍」がどうとかと関連するのかもしれないが、日本の若者が皆、イイトコのぼっちゃん、じょうちゃんになったことは確かであろう。それは近々数十年の日本社会の繁栄の賜物でもあろう。

 ついでながら、韓国・中国のアイドル達と日本のナントカ48との本質的な違いはここにある。

 日本人がアイドルに求めているのは「多幸感・心からの笑顔」なのだ。(踊りが、歌がとか…そんなものを求めているのではない)

 それは、上で書いた豊かな家庭で温和に育てられて始めて獲得することのできるものなのだ。まぁ、それは裏ではハングリー精神を失わしめたということでもある。一つのことの裏表だ。致し方あるまい。

2.現在のマンガ、アニメは、昭和20年代に天才・手塚治虫が出現することによって生み出されたものだ。元々は確かに子供の娯楽であったのだが、昭和20年代半ばから読み始めた子供たちがそのまま大人となり、現在の形となったものだ。

 逆に言えば、中国ではいつまでたっても「手塚治虫」を生み出すことができまい。中国人の琴線にふれ、魂を震わすようなマンガを描ける「中国版、手塚治虫」が出現しないかぎり、中国人が夢中になれるマンガ、アニメはでてこない。なせ、手塚治虫がでてこないか…その理由が分かるか。

3.バブル後、20年を失ったか。

 なにを失ったのだろう。Gnp が第3位になったってか。Gnp なんて、公共事業をバンバンすればあっという間に大きくなる。今の中国がそうであろう。

 日本はこの夏から、東日本大震災で失った多くの建物などを建設しなければならない。それがgnpの数字をそのまま押し上げてゆく。

 また、最近、お茶とかお花とかをする若い人が随分多くなったようだ。

 昭和30年代に返ってきたような感じがする。

 バブルが崩壊して、世間が落ち着く中で、日本の良さ・歴史等を見直す人が増えたということなのだろう。--これが失われたナントカというならば、そうなのだろう--。

 中国は、もうすぐ不動産のバブルが破裂し、これから日本の「失われたなんとか年」と同じ経路を辿らざるをえまい。

4.若者が飛躍するか…。

 飛躍するかどうかは、その当人が判断し選択することであろう。

 ただ、日本人はそれほど海外に出たがらないだろう。(筆者でも食べ物のまずい、リスクの高いところへ行きたくもない)

 東南アジア、特に台湾、ベトナム、インドネシア、タイ、インドあたりと一緒に仕事をすることが多くなってくるだろう。当然、中国とは関係を維持しつつも、比重はトンドン減っていく。

 また、日本での中国人の人数も制限を加えるようになっていくだろう。