2020年1月12日日曜日

無視できない遺伝の影響は、おおむね50-60%


要するに、「トビタカ」なんて滅多にあることじゃない—ということ。
 別の言い方をすれば、「この親にして、この子あり」ということでもある。

 まず、文章をみてみよう。

 無視できない遺伝の影響」とは、おおむね30%-60%程度だ。
 特に知能や学力、精神疾患は遺伝率の高いほう(50-60%)に位置づく。
 パーソナリティや社会的態度は30-40%程度だから、逆にいえば遺伝で説明できない割合(60-70%)の方が大きいともいえる。
 しかしいずれにしても、人間は環境次第でどうにでもなるほど環境に従順ではなく、良きにつけ悪しきにつけ、その人物の内側からにじみ出る遺伝的な持ち味を、程度の差こそあれ、発揮している。

 「行動のあらゆる側面には遺伝の影響がある」――これが行動遺伝学の第一原則である。
 私が行動遺伝学者として、人間の能力と収入の個人差に大きな遺伝的差異があるという悲観的な知見を目の当たりにしながら、こんなにも楽観的でいられるのなぜか。
 それは、ヒトの遺伝的多様性と、一人の人間が一生を通じて出会う環境の多様性が、ともに想像を絶するほど大きいこと、そして実際、この世界にはあの素敵なエレベータガールのような、ささやかな感動を与えてくれる場面が、その目で見れば数多くあることに気づくからである。

 いまも誰かどこかで、そんな遺伝的才能が発現されているはずだ。
 それがきちんと一人ひとりの収入に結びつくような仕組みを、これもまた才能ある人たちの創意工夫によって、作りあげられることを切に願う。

補足、感想など

 どんな僻地であろうと、どんな低開発国であろうと、「賢(かしこ)」は生まれてくる。
 しかし、教育の機会が与えられない、周囲に発見されないまま、生まれたままで朽ち果ててしまう。
 アフリカとか北極圏などから、なかなか、偉材が出現しないことをみれば、理解できよう。

 また、国民皆教育というシステムはできていても、「教育の方向性」が歪んでいれば、これまた、偉材逸材を育成できないという国家もある。お隣の韓国なんてそうだろう。

 たしかに、人間ていうものは、その50-60%については遺伝的な素質で決定されてしまう。
 でも。
 上でふれたように、そもそも教育の機会が与えられなければ、そのまま朽ち果ててしまうのだ。
 また、周囲から発見されないという例もある。
 例えば、ろうあ者とか、深刻な病気におかされた人達では、発見されづらい。

 まず、国民皆教育ということが基本にあって、あとはどれだけ、本人のもってうまれた素質をうまく引き出してやれるか---ということだろうな。

 日本の成功は、この「国民皆教育」というシステム・変に偏向教育しないというシステムの成功に負うところが大きい。

 ちょいと、遺伝がらみの文章をみよう。

 -ここから-

【科学】「IQ7080%は遺伝要因 天才はまさに「天賦」の才」…脳科学者・澤口俊之 2012/06/07()

 博識な方を見ると「この人はどれだけ勉強したのだろうか… よし、俺も頑張って勉強しよう」と思っても人生は無情なもの。
フジテレビ系バラエティー番組『ホンマでっか!?TV』でもお馴染みの 脳科学者・澤口俊之氏は、知能指数をあらわす“IQ”は 先天的なものであると語ります…。

  さて、みなさんは、「IQが高いと天才だ」とか「天才はIQが高い」と 思っているのではないでしょうか? 
 これは誤りとはいえないまでも、 極論です。
 IQ7080%は、遺伝要因であることがわかっています。
 まさに「生まれながら」という要素が大きいので、天才は、「天賦 (天からの授かりもの)」だといえるでしょう。
 とはいえ、IQが高いからといって独創的で意味のある業績を生み 出したり、残したりできるとは限りません。
 天才が天才になるのは、 脳の構造と使い方が独特だからです。

 「20世紀の天才学者」とも言われるアインシュタインの場合、脳が 独特な成長パターンを示したことが、彼を天才たらしめた大きな 要因だと推測できます。
 彼は子供のころから、数学や空間に 関することについて優れた才能を発揮する一方、言語能力の 発達には問題があったとされています。
 脳には、それぞれの能力・知能に対応する神経システムが存在します。
 アインシュタインの場合、論理的・空間的神経システムが良く発達したと 思われます。前述した相対性理論は座標系の理論でもあるので、 空間的能力は非常に重要だからです。
 既に死去した天才や偉人の脳を調べることはとても困難ですが、 アインシュタインの場合、非常に稀なことに、死後の脳標本が 調べられています。

 その結果、彼の脳は、論理的・空間的神経システム に深くかかわる脳領域が独特な発達をしていたことがわかりました。
 具体的には、頭頂葉の下部にある「下頭頂小葉」という領野(場所)が、 通常の人より15%も大きかったのです。
 この領域は、論理的・空間的 神経システムの中枢で、この領域と前頭前野の相互作用が「創造性」 に深く関与します。
 ところが一方で、シルビウス溝(外側溝)という溝と「頭頂弁蓋」という 領域がなく、独特の構造をしていました。
 この弁蓋部にはブローカ野と いう言語野を含むので、彼の言語の発達に問題があったとされることと 整合性がとれます。
 また、弁蓋部がない、あるいはあっても活動レベルが低いと「物事に 執着する」という傾向が出てきます。アインシュタインは、
 「私は天才ではない。ただ、他の人よりひとつのことと長くつきあって きただけだ」 という言葉を遺していますが、他人より執着心が強いことを、 自覚していたのかもしれません。

 ちなみに私も、数学や物理は非常に得意でしたが、国語や古文は まったく不得意でした(ドーデモイイですね…)。

※女性セブン2012614日号


2014/02/21()
 米アリゾナ州の女児アレクシス・マーティンちゃん(3つ)が、IQ検査を行った結果160という、 アインシュタインのレベルに達したことがこのたび判明した。
 昨年は英国で4歳でIQ160の男児が いることも判明したり、ここまで低年齢化すると、遺伝するのか環境に依存するのか要因を知りたいところだ。
 米ABCニュースによれば、アレクシスちゃんは2歳の時から、両親が就寝前に本の読み聞かせを行っているという。
 そして翌日に、なると、両親が読み上げた文章を、スラスラと一字一句正確に間違いなく、宙で再現するのだという。
 現在は、アイパッドで、スペイン語を独学で学んでいるそう。小学5年レベルの本の読解が可能だという。
 ちなみに、人口の上位2%の知能指数を有する高IQ集団メンサの最年少メンバーに登録されたとのこと。
 ちなみに、IQ160は、アインシュタインのほか、ステ?ィーブン・ホーキング、ビル・ゲイツら(敬称略)のレベルに達する。
 ABCニュースでは、両親の職業やIQは明らかにされていなかった。つまり遺伝かどうかは定かではない。
 ただし、読み聞かせという脳の発達が喚起されそうな環境を与えていた面は否定できない。

 果たして、どちらなのだろうか。
 ◆ジェンセンの「環境閾値説」
まず、1970年代に発表されたジェンセンの「環境閾値説」は現在においても、一定の影響力を保持している。
 基本的には遺伝が優位であるとの立場を取っており、そこに、環境の質がある一定水準を超えると遺伝的な素質が開花するというのである。
 遺伝がなければどうにもならないが、しかし、ふさわしい環境もなければ、素質は花開くことはない、ということだ。
 ジェンセンの研究は社会的な反響もあり、人種論などと結びつけて議論されることもあったが、生物に遺伝子から解放されることはなく、「遺伝と環境」が揃って、その人間が決定されるということだ。(以下略)

 -ここまで-

 上の文章には、日本人からの書き込みがあった。いくつかを拾ってみよう。

 -ここから-

2 遺伝じゃなくて環境だろ

13逆境の中でも継続的な努力ができるかも遺伝で決まる

14 遺伝じゃない相続してるだけ

40 うちはリーマンに向かない家系

44 でも世襲は腐るけどねw

45 親父はエリートで息子がこどおじ

99 運動能力の遺伝はより顕著だよね

117 肉体は遺伝子の乗り物

124 みんな同じだけ練習してるでも差がでてくるってのはどのレベルでも経験してるだろし
遺伝の影響が大きいっても怒るような話でもないやん

153 そうかな両親働くの好きだったけど俺めっちゃ嫌いなんだが

[ 2477186 ] 体質なんてもろ遺伝するから、病気も遺伝やで
[ 2477191 ] 遺伝って言うても親がそれなりの能力持ってるって親も努力したからやないんか
人類の遺伝子を現代まで引き継いでる時点で現代人は皆優秀なんやで(天使の微笑み)

[ 2477199 ] 逆にいうたら自分が努力しても能力が低い場合も、ご先祖の不努力の積み重ねかもよ。
[ 2477214 ] >>一人ひとりの収入に結びつくような仕組みを、これもまた才能ある人たちの創意工夫によって、作りあげられることを切に願う。切実に少ないのが日本というわけだ五輪やk団連じゃあな

[ 2477230 ] 環境(社会)がその人を受け入れるか、って大きいよ。受け入れられれば、悪癖さえ問題にならない。例えば、ギャンブル中毒は、ギャンブル仲間内では違和感なく受け入れられる。

[ 2477234 ]両親の駄目な部分が遺伝して合算されて相乗効果で悲惨なことになってる冗談じゃない

[ 2477292 ] だいたい当たっている気がする、性格くらいだな後天的にどうにか出来たのはまた遺伝子の傾向と違う行動や趣味をやっていると自律神経に不調をきたす傾向もあるから、出来るだけ自分に合った生活が必要だね

[ 2477342 ]外見がほぼ遺伝で決まるのに脳みその能力が遺伝で決まらないわけないじゃんw
中国みたいにさっさと遺伝子組み換え人間を作ってこの世に劣等種を生み出さないようにするのがどんな宗教よりも救いになると思うよ
[ 2477343 ] 行動遺伝学は、研究というよりは調査だし、調査から分かるのは傾向だけだから、その傾向から外れる人はいるね。まぁでも、感覚的に分かっていた通りの結果ではあるけどね。

 -ここまで-