2020年1月9日木曜日

やはり、日本株を買い戻したい—とジム・ロジャーズさん


2010年頃、ネットというものが完全普及した。
 結果、政治にせよ経済にせよ、合理性の高い世界へ収斂してしまう傾向があるようだ。
 つまり。
 奇矯なセリフは、一時なんだろうなぁ、と人目を引く。
 しかし、ネット状の様々な情報にふれていると、より合理性の高い言葉でないと、多数の支持を受けることができないのだ。

 ジム・ロジャーズさんのセリフもそうだろう。
 とんでもないような発言が多く見られるが、上でふれたように、ネット上での様々な情報によって、その中身の無さ、使う言葉の虚ろさが暴露され信用を失うのだ。

 北朝鮮の金委員長、中国の習近平国家主席、韓国のなんとかいう大統領のセリフと同じだ。
 もう、ハッタリ・虚仮威し・うそ・ごまかしは通用しない—そういう世界に入ってしまったのだ。

 より合理性の高い言葉を使え。
 合理性の高い言葉には、高い説得力と高い信頼性が付与される。

 以下、新聞から抜粋。

 ジム・ロジャーズ/1942年、米国アラバマ州出身の世界的投資家。ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称される。
 2007年に「アジアの世紀」の到来を予測して家族でシンガポールに移住。現在も投資活動および啓蒙活動をおこなう ...

 「世界3大投資家」の一人とされるジム・ロジャーズ氏(77)は、かつてジョージ・ソロス氏とともに伝説のヘッジファンドを運営、10年間で約4000%という驚異的な数字をたたき出し、世界中にその名を轟かせた。
 そのレジェンドが本誌で連載「世界3大投資家 ジム・ロジャーズがズバリ予言 2020年、お金と世界はこう動く」を開始。2020年、世界のお金はどう動くのか?

 新年、あけましておめでとう。日本は元号が「令和」になって初めての正月で、多くの読者が人生の成功へ向けて、決意を新たにしていると思う。2020年、世界経済はどう動くのか。それを考えるとき、最も大事なことは、私たちが大きな時代の変化の中にいると意識することだ。今起きていること、これから起きようとしていることも、歴史をひもとけば、おのずと見えてくる。
 2020年、私も決意したことがある。
 それは、すべて売ってしまった日本株を買い戻す検討に入ったこと。まだ、決めたわけではないが、日本株を買うとすれば、成長が期待できるセクターの銘柄を選ぶつもりだ。
 まずは農業だ。日本の農業は農業従事者の高齢化と担い手不足という課題を抱えている。しかし、担い手さえ見つかれば、競争がない日本の農業には明るい未来が待っている。ライバルが少ない今、農業を始めておけば、15年後には大儲けできるかもしれない。
 日本政府も、半世紀続いた減反政策を廃止し、法改正によって農業への参入の障壁が低くなっている。実際に農業を効率化させるICTAI、ドローンなどの最新テクノロジーを活用する動きも加速していると聞く。

 また、歴史的な観光資源を持ち、世界中の一流料理が味わえる日本に来たいと考える外国人は増えるだろう。インバウンド(訪日外国人客)需要を見込んだ観光関連株も有望だ。
 菅義偉官房長官が外国人観光客誘致のため、全国に高級ホテルを50カ所新設する構想をぶち上げたようだが、これからも長期滞在型の宿泊施設などどんどん増えてくるだろう。高齢化に対応するヘルスケア関連などにも注目している。

 18年に日本株をすべて売った私が、今なぜ、日本株を買い戻すのか、不思議に思う人もいるかもしれない。私が以前、日本株を買い始めたのは11年の東日本大震災の直前だった。
 その後、震災に伴う経済の混乱で株価が下落したが、日本は震災から必ず復興できると信じ、さらに日本株を買い増した。
 そのころ、世界の投資家は日本の株式はどうしようもない状況に陥っているとみていた。平均株価はバブル期の最高値から4分の1にまで落ち込み、まだ下がることもありうる状況だった。
 そんなときに、あえて日本株に投資した理由は、日本経済は中期的にみれば、景気は回復に向かうだろうとみていたからだ。実際、民主党政権から自民党政権に代わり、日銀が資金供給を増やすという方針を明らかにしたことも、日本株への投資を決める一因となった。
 金融緩和によって、お金が最初に向かう先は株式市場だ。多くの投資家がその原理原則に忠実に行動した結果、日本株価は上昇した。
 日銀の金融緩和策は多くの問題をもたらしているが、株式市場にお金が流れ込む効果は期待できたし、ドルに対して円が上昇することもわかっていたので、株価の上昇と円高の相乗効果で利益が得られることは確信していたのだ。
 しかし、日本株への投資はあくまで短期から中期で考えていた。少子化と国の借金が増え続ける中で、このままの政策を続ける限り、日本は長期的には衰退することが避けられないと考えているからだ。

 なので、18年秋には日本株をすべて手放した。予想どおり、買った当時よりも株価は値上がりし、売却益を得ることができた。
 あのときは、日本に関連する資産を買うことは二度とないと思っていた。しかし、私に、もう一度、日本株を買ってみようという気持ちにさせたのは、長らく続く金融緩和策でお金は株式市場に向かい、上昇を続けるアメリカ株につられる形で、日本株は当面上昇を続けると考えられるからだ。
 誤解のないように強調しておくが、私が日本株を買い戻す理由は、日本が抱える問題が良い方向に向かっていると考えているからでは決してない。日本が衰退に向かっているという見方には何ら変わりがない。
 アベノミクスの第1の矢である日銀の金融緩和は、通貨の価値を円安に誘導し、日本の株価を押し上げることに効果を発揮した。このことを指して、日本企業が復活したと考えるのは間違いだ。

 世界経済の歴史を振り返ってみても、通貨の切り下げ策によって、中長期的な経済成長を成し遂げた国は見当たらない。
 それでも、短期的にみれば、だぶついたお金が日米の株式市場に流れる可能性は高く、トランプ大統領が再選を目指して、金融緩和と景気刺激策を講じる限り、米国株高に連動し、日本株も上昇基調を維持するだろう。もちろん、今回も、日本株を長期的に保有するつもりはない。
 今の世界経済は、07年から08年にかけて起こったリーマン・ショックに端を発する世界金融危機の前夜に似ている。リーマン・ショック級のインパクトの大きい経済危機が起こるのではないかと読んでいる。
 問題は、リーマン級の危機がいつ起こるのかだが、それはもうすでに始まっているとみるべきだ。

 海外からの多額の借金、つまり対外債務を抱え、前年比2桁のインフレに苦しむトルコでは、アメリカのトランプ大統領が鉄鋼やアルミニウムへの関税引き上げを表明したことをきっかけに通貨・リラが暴落した。
 トルコショックは、19世紀の建国以来、実に8回の債務不履行(デフォルト)を経験している南米のアルゼンチンにも飛び火し、インドでは、一部のノンバンクで流動性不足が表面化したのをきっかけに、「影の銀行」全体で信用リスクへの懸念が広がっている。
 世界経済の火種になっている米中貿易摩擦について、政治家たちが「無事に解決した」と宣言し、アメリカにとっても、中国にとっても、日本にとっても、みんなが「ハッピー」な解決をみた後、世界経済が大爆発を起こすのではないかと予測している。そうなる直前に持ち株を売るのがベストの選択だ。

 1929年、ウォール街が大暴落した世界大恐慌を振り返ってみると、失速していたアメリカ経済は大恐慌の直前に上昇した。多くの紙幣を刷れば、株式市場は上昇する。歴史をひもとくと、過去にもそういうことは何度も起きているのだ。
 今の世界経済は金融緩和の名のもとに、多くの紙幣が刷られ、株価を支えようとしている。まさに、1929年と同じ状況だ。
 最後に「絶対やってはいけない投資」について触れておこう。
 ひと言で言うと、「負債を増やさないこと」だ。今、日本はマイナス金利、アメリカも低金利だが、金利はいつか上がる。
 そのとき、多くの人たちの人生が壊れる。日本でも、バブル経済が崩壊した後、借金を増やした人たちが破滅の道をたどったことを忘れてはならない。今は世界中の国々で負債が膨らんでいて、爆発寸前なのだ。

補足、感想など

 そうおかしくもない話かな。
 ジムロジャーズさんについては、2003年頃だったかな。
 アメリカを中心とするヘッジファンドで、日本円を買い、円高(1980年代末の日本のバブルを思い出せば理解できるだろう。2回めのバブル発生→混乱を狙ったものかもしれないな)にしようと目論んだことがある。
 その時、前回のバブルにこりた日本銀行が30日間だったか、日本円を売り続け、ヘッジファンドの会社、数千社を倒産させたという事件があった。
 日銀砲という話で、有名な出来事だった。

 この日銀砲事件で、上のジムロジャーズさんも被害を受け、その件で日本に対して恨みを抱いているという噂がある。
 多分、当たっているのだろう。

 で。
 今までのジムロジャーズの発言のいくつかをみてみよう。

 -ここから-

2015/02/05()

金融サイクルで判明! ジム・ロジャーズが語る「今から日本で起きる悲劇」: プレジデント
Jim Rogers(ジム・ロジャーズ)
米国アラバマ州出身。イェール大学卒、オックスフォード大学ベリオールカレッジ修了。ジョージ・ソロスと投資会社クォンタム・ファンドを設立し、 驚異的なリターンを上げる。

37歳で引退し、世界を旅する。2007年、一家でシンガポールへ移住。
著書に『中国の時代』『ストリート・スマート』があ る。

「安倍首相は日本を破綻させた人物として歴史に名を残す」とまで言い切るのは、著名投資家のジム・ロジャーズ氏。その根拠は繰り返される金 融の「歴史」にある。

24年以内にバブルが起こる

──アベノミクスをどのように評価していますか?

【ジム・ロジャーズ】安倍晋三首相は最後に放った矢が自分の背中に突き刺さって命取りとなり、日本を破綻させた人物として歴史に名を残すこと になるでしょう。
自国通貨の価値を下げるなんて、狂気の沙汰としか思えません。円はここ数年で4550%も下落していますが、これは先進国の 通貨の動きとしては異常です。
このようなことが起きると国家は崩壊し、時には戦争に発展します。

これまで英国、ドイツ、フランス、イタリア、アルゼンチン、エクアドル、ジンバブエなど多くの国がこの手法を試みましたが、成功例は皆無です。米 国は2度も失敗しました。

一度目はアメリカ独立革命のとき、大陸会議が「コンチネンタル」という紙幣を発行したのですが、暴落して紙屑同然になった。
ところが、南北戦争 で同じ過ちが繰り返されます。財政難に陥った南部連合は紙幣を大量に刷りますが、ひどいインフレが起きました。救済策として綿花で保障しよう としましたが、大戦に勝利した北軍兵に綿花を焼き払われてしまう。
北軍も、やはり同じ失敗をしています。いわゆる「グリーンバック」という裏が緑 色の紙幣を大量に発行しましたが、価値が大幅に下がってしまった。

──20141031日、日銀の黒田東彦総裁は追加金融緩和策を決定しました。これを評価する声もありますが。

【ジム・ロジャーズ】短期的には株が上がりますから、投資家にとっては喜ばしいことです。私も日本株を持っていて、黒田総裁の発表直後にも買 い足しました。
底を打ったときと比べると、株価は倍になっています。今後3倍にまで上がるかもしれない。

安倍政権がバブルを起こそうとしているかどうかはわかりませんが、このままお金を刷り続けるのなら、潜在的には24年以内にバブルが起こり うる。

しかし、インフレは国のためにならないことは歴史が証明しています。「少しくらいは大丈夫」とインフレを容認した結果、どの国も失敗していま す。制御不能なほど勢いづいたインフレを止めるのは非常に難しい。


2016/05/19()R

暴落した原油価格、そして日本でもついに導入されたマイナス金利……。
米国の大統領選と日本の参院選を控え、 混迷を続ける世界経済。いま、私たちの資産と人生を防衛するためにはどうすればよいのか、世界3大投資家の一人にインタビューした。

銀行預金より金庫を買う時代?
──欧州に続いて日本でもマイナス金利が導入されました。このような政策をどう評価しますか。

ついに日銀も万策が尽きて、自分たちも中身を理解していない実験を始めてしまいました。融資を促すのがねらいでしょうが、 そのためには銀行もお金が必要です。
マイナス金利が続けば一般の人々の預金にもコストがかかるようになるというのが論理的に導ける結論であり、
実際に欧州ではそうなっています。お金を銀行に置いておくよりも、金庫を買うほうがいいかもしれない。

貯蓄に励み将来に投資してきた勤労階級を苦しめれば国は崩壊すると、歴史が証明しています。人々は幸福を実感できなくなり、 社会は怒りに満ちていく。日本に先駆けてマイナス金利を採用した欧州の国々は、どこもうまくいっていない。
米国でもゼロ金利政策が何年も続いていますが、なんのメリットもありません。ウォール街の一部は恩恵を享受したかもしれませんが、 銀行でさえ苦境に立たされ、人員削減のニュースが毎月流れています。

──では日本の将来については、悲観的に見るべきでしょうか。

私は震災の直後から日本株を買い続けましたが、昨年の夏にすべて売却しました。最近、少し買い戻しましたけどね 。円も下落すると思って2月下旬に全部売りました。アベノミクスは崩壊しています。わずか34年で円の価値を半減させた。

自国通貨の価値を下げると短期的な効果が得られるので、政治家は即効薬としてこの政策を使いたがりますが、歴史上うまくいった例はない。
借金大国はこれからも借金を続けるでしょう。自分たち以外に日本国債を買う人なんていないのに。人口が減り続ける一方で借金は増え、 通貨は下落する。そのうえマイナス金利では、日本はどうやって生き残るのですか? インフレが進み、生活のコストが上がる。
あなたの暮らしは国によって破壊されているのです。

私はこれから数年内に、世界は2008年のリーマンショックよりも悲惨な状況に陥ると予想しています。緊縮財政を標榜しておきながら、 どの国も実行していない。特に日本は常軌を逸した景気刺激策を展開し、お先真っ暗です。
安倍首相には「辞任しなさい。それが無理なら、無駄遣いはやめて借金を減らし、減税を行い、紙幣の印刷機を破壊しなさい」と助言したい。

──米国大統領選が迫っていますが、2強のクリントン氏とトランプ氏のどちらがふさわしいと思いますか。
私は必ず投票には行きますが、これまで大統領選を制した候補に投票したことは一度もなく、それを誇りに思っています。
クリントン元大統領はあちこちで戦争を始め、あらゆるものにお金を使った。妻のヒラリー氏も同じことをするでしょう。
トランプ氏は貿易バトルを始めるつもりで、そうなると企業の倒産と本物の戦争を招く。1929年に起こった世界恐慌をはじめ、 歴史を紐解けばそれは明らかです。人々が経済的に困っているときに、白馬にまたがった人物が現れて「私があなたがたを救う。

悪いのは外国人だ」と言って扇動するのは世の常です。しかし、保護貿易政策に走ったり移民を制限したりすれば状況は悪化し、 戦争につながる。つまり、トランプ氏が大統領になると、米国はより早い時期に崖から転落します。
日本も夏に選挙を控えていますね。皆さんも“抗議する候補者”に投票すべきですよ。そうしなければ、日本の問題はなにひとつ解決しません。

──急落した原油について、OPEC(石油輸出国機構)とロシアが集まって話し合い、産油量を凍結する動きが加速しています。価格は近く底を打って反転するのでしょうか。
原油価格は今、“複雑な動きをする底値”にあると見ています。相場というのは通常、暴落したあとには一時的に反発し、 再度下落して、以前のレベルが真の底値だったかどうかを試すものです。
なにかを契機に相場が崩れて価格が乱高下し、 底値を試す展開になり、真の底を打ったあとは1バレルあたり50ドル以上の価格に落ち着くでしょう。 金相場はいずれバブルになる


2019/03/07()
してなければならない時でおり、米国軍部と日本を除いては、すべてが交渉の進展を望んでいると強調しました。

[ジム・ロジャーズ/ロジャーズ・ホールディングス会長:「誰か体面を立てる方法を探さなければならでしょう。もう一度試してみましょう、そうなるでしょう。北朝鮮、韓国、中国、ロシアとも賛成しますから]

ジム・ロジャーズは、北朝鮮の経済的価値をまだ高く評価し、将来の投資先で朝鮮半島を挙げました。
特に、北朝鮮が開放されると、良い労働力と豊富な天然資源、また鉄道網まで加わって韓国にも莫大な利益をもたらすと予想しました。

[ジム・ロジャーズ/ロジャーズ・ホールディングス会長:「(北朝鮮は)すべてが非常に値する。だから大きなチャンスがのです。そして、変化が発生すると、すべての人々がお金を稼ぐことができる素晴らしい機会が出来ます」]

ジム・ロジャーズは、遅くとも20年の中に南北統一が実現だろうと、その様に成ると、朝鮮半島は、世界で最も注目される場所になるだろうとのインタビューを仕上げました。

[ジム・ロジャーズ/ロジャーズ・ホールディングス会長:「そうなれば、今後10年、あるいは20年以内に韓国は世界で最もエキサイティングな国の一つになるでしょう。」]

 -ここまで-

 合理性の高い言葉には、高い説得力と高い信頼性が付与される。