▲長い長い道のりの一歩というか、「核融合」という夢の技術に日本が第一歩目を踏み出したようだ。
先日の人工光合成の成功といい、将来ノーベル賞の対象となるような技術革新だと思える。
これは--。なるほどなぁ、と思う。
こりゃ、海外へ留学するという選択肢が少なくなるのも当たり前だな。
ノーベル賞という賞を受賞するにはタイムラグがある。つまり、ある現象を究明しても、それから追試とか多くの検証を受けてやっと20-30年後に貰えるものだ。
昨年でも確かに多くの欧米系の学者が受賞している。しかし、この受賞は、1980-90年代頃の成果に対して与えられているものだろう。
ここらあたりだなぁ。
日本での近頃の成果—人工光合成の成功、核融合を人の手で制御できたなど、2030年頃から、日本人が受賞ラッシュであろう。
つまり、現時点で日本で研究者でいることがどれだけ重要か—ということに通じている。
今、日本こそ「熱い」のだ。
まぁ、大げさに言えば、今、日本で研究することがノーベル賞への最短距離に位置しているということなのだ。
そう考えれば、留学にそれほどの価値があるのか—というのも無理はないし、また、アメリカあたりから日本人留学生が乏しくなっていることへの焦燥感も理解できよう。
以下、新聞から抜粋。
産業創成大学院大(浜松市西区)は、浜松ホトニクスやトヨタ自動車などとの共同研究で、レーザー核融合反応を「爆縮高速点火」による手法で100回連続して起こすことに成功したと発表。
同手法での連続反応は世界初。
効率良く大きな熱エネルギーを生み出す手法での達成に、同大学院大の北川米喜教授は「レーザー核融合発電の実現に向けた第一歩を踏み出せた」としている。
レーザー核融合発電は、海水に含まれる重水素と三重水素を混合した燃料にレーザーを照射して核融合燃焼を起こし、そのエネルギーを発電に利用する理論。CO2を排出せず、原子力発電に比べ放射性廃棄物も極めて少ないため、次世代技術として注目されている。
爆縮高速点火は、レーザーで燃料を一度圧縮してから、点火する手法で、共同研究では、レーザーの連続照射装置を開発。
燃料の2対の重水素の薄膜を回転させ、2方向から照射することで、核融合反応を毎秒1回のペースで連続的に起こすことができたという。今後は実用化に向けて、レーザー装置の高出力化などに取り組む。
今回の成果は9日、米国物理学専門誌「フィジカル・レビュー・レターズ」電子版に掲載される。
▲補足、感想など
核融合か。
一体、いつごろからの夢だろうか。
最初はソ連かなぁ。
トカマク方式とかいう、強力な磁力で閉じ込めて、その中で「核融合」を行う—というアイデアがでて、先行した。
これに対して1980年代だったか。
そんな大げさな装置がいるのか---レーザー光線を一点に集中させればいいことだ—とかアメリカの学者が言い始めて、筆者なども当時、その斬新なアイデアにビックリした記憶がある。
なんて、頭のいい奴だ—と。
そして、記事にあるように大袈裟な装置がいるトカマク方式よりも、はやく、このレーザー核融合で、人類として始めて「完全制御」ができたということだ。
本格的な核融合の「後ろ姿」は、まだ見えないとしても、無尽蔵のエネルギーを得るための重要な「一歩」を日本人の手で踏み出せたということは大きいことだと思う。
その偉業を讃えたい。