▲統一通貨「ユーロ」というものの終焉が視野に入ってきたようだ。
結局、お金持ちのドイツ、フランスにおんぶにだっこの貧乏国群という構図となって、共通の通貨ユーロを使っているものだから、各国独自での政策が有効にならないためであろう。
高名なジョージ・ソロス氏が、ドイツ連邦銀行がユーロ終焉の準備を始めた—とコメントした。
ドイツが抜ければ、ユーロという統一通貨の試みも、白紙に戻るだろう。
ユーロ圏の諸国は、ゆっくりと衰退しつつある国家群なのだなぁ、と改めて思う。
以下、新聞から抜粋。
資産家で投資家のジョージ・ソロス氏は、 ドイツ連邦銀行(中央銀行)が域内共通通貨ユーロの終えんに備えていると指摘し、 金融市場は他国がこれに追随することを懸念していると述べた。
同氏は、独連銀はマネーサプライの「無制限な拡大」に反対し、ユーロ圏が分裂した場合に被る損失を限定する措置を取っていると語った。
ソロス氏は「これは自己実現する予言だ」として、 「独連銀がユーロ分裂に備え始めれば皆が追随せざるを得ない。市場はこれについて考え始めている」と続けた。
欧州中央銀行(ECB)の緊急流動性措置によって 同中銀のバランスシートは昨年11月以来約30%拡大し、独連銀のバイトマン総裁はリスクを指摘している。
ソロス氏はECBがさらに数年、支援措置を続ければ メルトダウンなしのユーロ圏分裂も可能になると指摘。
「オムレツがスクランブルドエッグになることが可能だが、 その場合、債権国の中銀は債務国の中銀に対して巨額の債権を持つことになり、その回収は難しいだろう」と語った。
ソロス氏は、欧州のいわゆる財政協定が「機能するはずはない」とも述べ、 債務国は財政規則を順守しないことを選ぶか、 順守して需要急減を引き起こすかどちらかになると指摘。
「いずれにしても債務の比率は上昇し、競争力でドイツとの差は開く」 と分析した。
欧州は長期にわたる経済停滞または後退に直面しており、 その結果としてのデフレのわなによって 欧州連合(EU)の存在が脅かされるだろうとの見方も示した。
▲補足、感想など
さすがに、ソロスさんは鋭いなぁ。
euだっけ。
つくる時、どんな感じだったかなぁ。
欧州連合というところに入れば、なにかいいことがあるそうな。なんかしらないが、お金も入って、雇用も増えそうだ---てな感じだったかなぁ。
ここにきて、欧州連合とは、少数の金持ち国を真ん中にして怠け者・貧乏国達がもたれあったごちゃまぜ国家群—に過ぎなかったということが明らかになったということであろう。
いかな金持ち国ドイツでも、次々に破綻する貧乏・怠け者国家群を支え続けることができなくなった—というのが、記事にあるドイツ連邦銀行の「ユーロ終焉の準備」ということだろう。
もう、ユーロ終焉もそんなに遠いことではなさそうだな。
それにしても—と筆者は思う。
ヨーロッパ諸国の長期的な経済低迷の原因など、もう、分かりきったことなのだがなぁ。
改革しようと思えば、「階級社会の打破」「教育改革」を行えばいいことだろう。
しかし、ヨーロッパでの政治的な指導層自体が、階級社会を肯定し、そのトップ側の人間であるため、自分でその制度を壊すことができないのだ。
自分の存立基盤である階級社会というものを、サルコジ大統領などは壊せまい。
こう考えれば、ヨーロッパ諸国は、各国がもう一度、独自通貨に戻り、徐々に老いつつゆっくり衰退していかざるを得まい。