▲滋賀県と京都府の知事が、原発に関してなにか提言しているとかの記事があった。
筆者は読んでいて、なにを提言しているのかさっぱり分からない。
筆者が、このブログでずっと書いているのは、エネルギー問題をどう考えるか—と全体を見渡す視点の無さだ。
原発を廃止するというなら、それでもいい。
ならば、原発に代替するエネルギー源を示してみよ。
その部分に触れずに、原発の廃止がどうこうばかり言うから、議論がうすっぺらで、なにを言っているのか分からなくなるのだ。
えっ、そんな難しいことは、国が考え・判断することなのか?
それならば。
いわば、方針もなにもすべて「お上だより」ではないか。
そんなことで、橋下さんが唱えている地方分権だとか、道州制に切り替える—などと公言するなよ。
以下、新聞から抜粋。
(福井県おおい町)の再稼働判断や国のエネルギー政策をめぐり、政府に国民への十分な 説明を求める「国民的理解のための原発政策への提言」をまとめた。
同日中に、7項目にわたる提言を 政府に提出する方針。
両知事による共同会見で、京都府の山田知事は「国民の持っている 懸念を払しょくするための努力をしていかなければならない」と話し、国全体のエネルギー政策の議論を する上で、政府の説明が十分ではないと述べた。
また、地元の合意の有無など「手続き論だけの議論を されている」と批判した。
提言では、原子力安全委員会など中立的な機関による専門的な判断や、福島原発事故の詳細なデータの 公表など国民が納得できる情報公開、脱原発依存の実現への工程表の提示など、7項目の実現を政府に 求める。
大飯原発をめぐっては、大阪府・市による府市統合本部も再稼働への8条件を公表しているほか、 大阪市の橋下徹市長は関西電に対し、原発の全廃を求める株主提案を6月予定の同社株主総会で実施 する方針だ。
滋賀県の嘉田知事は原発立地地域の地元として「京都・滋賀としての政策提案だ。
決して 政治的なメッセージではない」と述べ、今回の7提言は大阪府市統合本部が提示した8条件とは性格が 異なるとの認識を示した。
▲補足、感想など
だから、どこから原発に代替してエネルギーをもってくるのか—示してみよ。
両知事の提言には、そこの見通しがまったくないから、議論が上滑りになるのだ。
なるほどなぁ。
リーダーの資質というものは、こういう難局にぶっつかった時、いよいよ明白となる。
これは、石原東京都知事の能力が頭抜けて高いということなのだな。
仮に、原発に代替するエネルギー源があったとしても、原発にとって替わるまでの能力になるには、もう20-30年という年月が必要だ。
つまり、代替エネルギーがどのようなものになるとしても、これから20-30年は原発に依存するしか選択肢はないのだ。
まず、そのことを直視しよう。
それを踏まえて、どう安全に原発を稼働させるか—と考えていくべきであろう。
それは原発とうものは、一旦、事故を起こせばその被害は甚大となる。
しかし、それは原子力というもののもっている「能力」の表と裏の二面性だ。
能力が高いゆえに、あれだけコンパクトで発電能力が高いのだ。
この暴れまわる荒馬を乗りこなしつつ、次世代の代替エネルギー源を探していこう—という姿勢こそ、次なる20-30年の方針でなければなるまい。
原子力というものの前で、たた怯(おび)え、お手上げ状態で立ちすくむという姿勢では、日本には輝く未来などやってはこない。
まず、現実を見つめ、これから20-30年という未来へどう立ち向かうかを、リーダーというものは指し示すべきではないのか。
知事というなら、県民に対して、府民に対して、自らの能力を示してみよ。