2017年5月30日火曜日

名探偵コナン、から紅の恋歌で最高興行収益

いや、どこに核心があるのだろうか。
 どこに、日本人の胸を打つ部分があったのだろうか。

 日本語の世界だから、当然、英語でのハリウッドのような興行収益とならないことは確かだ。
 でも、ハリウッドの「ネタ切れ状態」と比較して、日本のアニメの世界は「ネタ切れ状態」からは、遥かに遠い。

 以下、新聞から抜粋。

 人気アニメの劇場版第21弾「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」が興行収入63億5000万円を突破し、シリーズ最高を記録。
 4月15日に公開され、今月28日までの動員は約495万人、興収は約63億5100万円。
 昨年公開の20作目「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」の63億3000万円を上回った。
 13年公開の17作目から5年連続でシリーズ最高記録を更新している。

 今作は、大阪と京都を舞台に、主人公の江戸川コナン(工藤新一)と服部平次の高校生探偵が劇場版で久しぶりにタッグを組んだ。
 さらに、新一と平次のそれぞれの思い人を巻き込んだ淡い恋のストーリーも描かれ、若い女性を中心に人気を博している。

補足、感想など

 粗筋を書いてみても、そう、面白いトリックがある訳ではない。
 そこではなくて、アチコチに散りばめられた百人一首が「一種の味付け」をしているのだ。

 瀬を早(はや)み 岩にせかるる 滝川(たきがは)の
   われても末(すゑ)に 逢はむとぞ思ふ
             崇徳院(77番) 
  
 川の瀬の流れが速く、岩にせき止められた急流が2つに分かれる。
 しかしまた1つになるように、愛しいあの人と今は分かれても、いつかはきっと再会しようと思っている。

 こんな千年以上も前の祖先の恋歌が、「味付け」として、充分に効いているのだ。

 なるほどなぁ、と感じた。
 こういう「文化の蓄積」こそが、切り札となって、日本のアニメの「ネタ切れ」を防いでいるのだ。
 そして、日本人の心の底にある「なにか」に響いてしまう。

 そういえば、鳥獣戯画の「画像」って、使い放題なのだそうな。(まぁ、著作権を言う人もいないということかな)
 だったら。
 例えば、和菓子の包み紙のようなものとか、手拭いの模様とかに使ってみれば、また、新鮮な感じとなるかもしれない。