▲どうも、電気自動車に未来はなさそうだなぁ。
今の日産、三菱自動車の動きというか、不具合さは、電気自動車の可能性をどう捉え、経営者がどう判断し、動いたか—というところにその意味があるように感じる。
トヨタは、さっさと見切りをつけた。
対して、日産と三菱自動車はグズグズと、可能性を探った—ということなのだろう。
この問題の核心はなんだろう。
バッテリーの技術革新が遅いことだろうなぁ。
つまり、一回の充電で走れる距離が実用化というか普通に使えるための距離を満たしていないのだ。
先日トヨタが燃料電池車の開発を発表していた。
まず、その記事を転記してみよう。
--ここから--
トヨタ自動車は、開発中の先進技術を公開した。
2015年の発売を目指す燃料電池車の試作車を披露し、10年代半ばに歩行者との
衝突を自動回避するシステムを実用化する。
燃料電池車や自動運転技術の開発競争が
激しくなる中、技術力の高さをアピール。
15年に発売予定の燃料電池車は、中型のセダンタイプで、1回の水素注入で約650キロ
・メートル走行できる。
ほぼ同じ走行性能で市場に投入される。
価格は「1000万円を切る水準で、
できる限り下げたい」としている。
水素の供給施設の整備が見込まれる日米欧で発売し、日本では首都圏や中部圏など4大都市圏で売り出す。
普及が期待される20年代に、価格を300万~500万円に下げ、年間数万台の販売を目指す。
トヨタが公開に踏み切ったのは、「15年に必ず間に合わせる決意の表れ」だ。
燃料電池車は二酸化炭素を排出せず、航続距離も普及が伸び悩む電気自動車より長い。
次世代エコカーの本命とされ、先行していることをアピール主導権を握りたいとの思惑もある。
自動運転に関する技術では、高速道路上をほぼ自動走行できるシステムのほか、一般道ではブレーキと
ハンドル操作を組み合わせて歩行者との衝突を避けるシステムを開発した。
センサーで検知した歩行者の
動きから衝突する可能性を予測し、減速だけで間に合わないと判断した場合、ハンドルを自動で操作する仕組みだ。
ブレーキだけで衝突を避けるのに比べ、ハンドル操作を加えた場合、事故の回避率は向上するという。
様々な技術を公開、安全な車づくりを強調する狙いも。
--ここまで--
15年に発売って、もう再来年ではないか。
上で、トヨタは、電気自動車の未来にそうそうに見切りをつけ、未来形自動車の本命たる燃料電池車を売り出すとアピールしたことで、自動車産業を先行する覚悟を示したということでもありそうだ。
<う~ん、トヨタを中心とする日本の自動車会社がどうやら世界を席巻してしまったようだな。今、全世界の7割を日系の自動車メーカーがこしらえているという。GMのあの体たらくではなぁ>
対して、電気自動車にぐずぐずと執着した日産は、今、売上が低迷している。
その記事をご紹介。
--ここから--
果たせるかな、北米市場の新車販売で2桁増の快進撃となったトヨタ、ホンダを尻目に、日産は微増にとどまり、「日産の独り負け」。
この事態に激怒したゴーン社長は、役員人事を急きょ1月1日付で実施、北米や欧州、中東アフリカなどを統括する地域担当を刷新した。
関係者は「野望が頓挫したことで相当カリカリしていた」と打ち明ける。
実際、ゴーン社長は、賀詞交換会で、「部品供給の混乱は無視できない」と苦言を呈したが、混乱の背景にある、自ら掲げた販売計画には言及しなかった。
国内メーカーではトップシェアを誇ってきた中国市場で外交問題のあおりを食らい、国内市場でも、ハイブリッド車や軽自動車に消極的だったことが裏目に出る始末。
要するに日産は、日米中の世界三大市場で存在感をアピールできていないのだ。
これに追い打ちをかけるのが、電気自動車(EV)の不振だ。
日産は2010年12月、EV車『リーフ』を発売、16年度までに累計150万台の販売目標を掲げるが、昨年暮までの累計世界販売は約5万台。
4月からの値下げを発表したが、充電インフラへの不安がユーザーに根強く、どこまで盛り返すことができるかは不透明である。
「強気ラッパを吹き鳴らすゴーン社長も、内心ではEVの限界を察知した節がある」と、日産ウオッチャーは打ち明ける。
「日産・ルノー連合は、フォード、ダイムラーと“水素を燃料とするEV”燃料電池車の共同開発を決めた。
一足早く提携したトヨタ、BMW陣営への対抗策だが、とにかく主導権争いでトヨタに一泡吹かせてやろうとの魂胆が透けてくる。
彼が北米自動車ショーで、EVの低迷に『失望している』と口を滑らせたのも、EVの市場性に見切りをつけるべき時期と考えたから」
ただ、ゴーン社長といえば百戦錬磨のツワモノである。
どこまでが建前でどこからが本音か、真意は読み取りにくい。
「ハッキリしているのは、ルノーと日産双方の経営権を手放す気がないこと。…
まだ50代ですし、彼を会社から追い出そうとする勢力も出てこない。フランス政府だって、簡単に詰め腹は切れませんから」
それを知っているからこそ、報酬の3割カットでお茶を濁す魂胆なのか…。
さすがは“コストカッター”の異名をとったゴーン社長である。
--ここまで--
冒頭でふれたように、どうも、電気自動車では勝負あったようだ。
つまり、ハイブリッド車 → 燃料電池車 へという流れが明確になったということだろう。
このあたり、ゴーンさんという経営者の弱点が見えてくるようだなぁ。
日産は、ハイブリッド車にも遅れ、燃料電池車にも遅れる。
技術者でないということが大きいのだろうが、この人、なにか科学的な常識というか科学的なことに興味をもっていないのだな。
だから。
ハイブリッドにも、燃料電池車にも「反応が鈍いのだ」、また、技術的な・科学的なハードルを通常の技術者出身の経営者よりも大きく・困難に感じるのだろう。
<ホンダの経営者なんて、殆どが技術者あがりだから、わきゃわからんが、えい、やっちまえ—とかすぐに決断しそうだ>
ついでながら、今、三菱自動車の身売りの話がでかかっているのも、これだろう。
もう、電気自動車には未来がないのだ。
だから、今、どこかに売り払ってしまえ—と三菱グループは判断しているということだろうな。