▲もう、何年前になるかなぁ。
6-7年前くらいかなぁ。
大手pcメーカーのデルの社長のインタビュー記事がでていた。
デルの社長曰く。
技術革新ってなんの意味があるのだ? 部品を安く集めて、pcを安く売るということが我が社のやり方だ—とか。
いや、びっくりした—というのがその記事を読んだ時の印象だった。
こんな「技術革新をバカにする」企業というものが生き残れるのか—と。いくら組み立てが主たって、仮にもメーカーではないか。
例え、乞食をやるにしても、手の出し方とか、頭を下げるタイミングとか—工夫というか、なにか他人と違うことをやってみようか--と思うものではないのか。
それから何年か経って。
最近のタブレットの普及によって、上で例示したようなpcを安く売っていたメーカーが苦境にたっているようだ。
台湾のメーカーも、デルの社長であるマイケル・デル氏と同じようなことを考えていたらしい。
技術革新を・工夫することをバカにしていた企業が、まるで軌を一にしたように苦境に立たされている。
以下、新聞から抜粋。
HTCのシェアが2%まで落ち込み、上場以来、初の赤字転落となった、
パソコンメーカーの雄・Acerも危機的な状況に陥っている。
2011年にアメリカでシェア20%を獲得していたHTCが2013年7~9月期に純損失を計上しただけでなく、2010年に世界第2位のノートパソコンメーカーにまで上りつめたAcerも赤字に陥る。
これは今まで台湾メーカーが効率性や技術力、コストといった面で、委託元のブランドで製品を設計・生産する
「ODM」事業に長けていたものの、Appleのようにブランドイメージの構築ができなかったことが挙げられています。
また、パソコンやタブレット、スマートフォンといった情報機器も、部品さえそろえば
どのメーカーでも最終製品を作れる「コモディティ化」が進んでいますが、その状況を打破できるブレーク
スルーも台湾メーカーには不足。
さらに「他社の製品をコピーして複数の機能を加えること」「安く作ること」に重きを置き、エンジニアを重視する
一方でデザイナーを軽視する社内の風潮や経営陣の知識の浅さ、そして「設計は台湾・製造は低コストな中国」という
方式へのシフトが中国メーカーの躍進を招き、コモディティ化と合わせて台湾メーカー自身を窮地に陥れたと
分析。
▲補足、感想など
冒頭でふれた。
かって、「技術革新」をあざ笑った人間が、逆に「技術革新」にあざ笑われている—ということであろう。
さぁ、タブレット型の次はなんだろう。
メガネ型のディスプレイに折りたたみ型のキーボードかもしれない。
エイサーには、まだ、次のチャンスがあるさ。
乞食をやるのだって、工夫次第では、一流の乞食になれるかもしれない。
技術革新をバカにしてはなるまい。工夫し続けることをバカにしてはなるまい。