2013年11月6日水曜日

台湾、エイサーが赤字に。

▲もう、何年前になるかなぁ。
 6-7年前くらいかなぁ。
 大手pcメーカーのデルの社長のインタビュー記事がでていた。

 デルの社長曰く。
 技術革新ってなんの意味があるのだ? 部品を安く集めて、pcを安く売るということが我が社のやり方だ—とか。

 いや、びっくりした—というのがその記事を読んだ時の印象だった。
 こんな「技術革新をバカにする」企業というものが生き残れるのか—と。いくら組み立てが主たって、仮にもメーカーではないか。

 例え、乞食をやるにしても、手の出し方とか、頭を下げるタイミングとか—工夫というか、なにか他人と違うことをやってみようか--と思うものではないのか。

 それから何年か経って。
 最近のタブレットの普及によって、上で例示したようなpcを安く売っていたメーカーが苦境にたっているようだ。
 台湾のメーカーも、デルの社長であるマイケル・デル氏と同じようなことを考えていたらしい。

 技術革新を・工夫することをバカにしていた企業が、まるで軌を一にしたように苦境に立たされている。

 以下、新聞から抜粋。

 HTCのシェアが2%まで落ち込み、上場以来、初の赤字転落となった、 パソコンメーカーの雄・Acerも危機的な状況に陥っている。

 2011年にアメリカでシェア20%を獲得していたHTC201379月期に純損失を計上しただけでなく、2010年に世界第2位のノートパソコンメーカーにまで上りつめたAcerも赤字に陥る。

 これは今まで台湾メーカーが効率性や技術力、コストといった面で、委託元のブランドで製品を設計・生産する
ODM」事業に長けていたものの、Appleのようにブランドイメージの構築ができなかったことが挙げられています。

 また、パソコンやタブレット、スマートフォンといった情報機器も、部品さえそろえば どのメーカーでも最終製品を作れる「コモディティ化」が進んでいますが、その状況を打破できるブレーク スルーも台湾メーカーには不足。

 さらに「他社の製品をコピーして複数の機能を加えること」「安く作ること」に重きを置き、エンジニアを重視する 一方でデザイナーを軽視する社内の風潮や経営陣の知識の浅さ、そして「設計は台湾・製造は低コストな中国」という 方式へのシフトが中国メーカーの躍進を招き、コモディティ化と合わせて台湾メーカー自身を窮地に陥れたと 分析。

▲補足、感想など

 冒頭でふれた。
 かって、「技術革新」をあざ笑った人間が、逆に「技術革新」にあざ笑われている—ということであろう。

 さぁ、タブレット型の次はなんだろう。
 メガネ型のディスプレイに折りたたみ型のキーボードかもしれない。

 エイサーには、まだ、次のチャンスがあるさ。

 乞食をやるのだって、工夫次第では、一流の乞食になれるかもしれない。
 技術革新をバカにしてはなるまい。工夫し続けることをバカにしてはなるまい。