▲婚外子格差の核心はなにか。
それは、「本妻の腹立たしさ」なのだ。
夫に不貞をされ、更にめかけの子供に、自分の産んだ・自分の腹を痛めた子供の相続分が減らされる—ということに我慢ができないのだ。
まさに、ふんだりけったりではないか。
法の下での平等とか、まさに男の論理だ。
上でふれた「本妻の腹立たしさ」というものは、法律論からいえば、確かに非論理的だ。
でも、なんというか、女性からすれば「抑えきれない・我慢できない感情」であろう。
それは、それで立法の段階で、「斟酌せざるをえない」
すべてが論理的に決まるものではない。
女性からすれば「抑えきれない感情」を斟酌した上で、法律というものは、「落とし所」が決まるものではないのか。
以下、新聞から抜粋。
結婚していない男女間の子の遺産相続分を法律上の夫婦の子(嫡出子)の半分とする規定を削除する民法改正をめぐり、自民党保守派議員が反発を強めている。
同規定を違憲とした最高裁判決や最高裁の存在自体を批判する発言にまで拡大。
党執行部は世論の批判に警戒感を募らせるものの打つ手はない。
法改正の義務を負う立法府の一員であるにもかかわらず「司法軽視」の傲慢さが透けて見える。
「最高裁の判決は、国民の一般感情とずれている。最高裁はわれわれの世間の常識と離れた所にある」。
自民党の西田昌司副幹事長は「家族制度が崩壊する」と強く批判した。
最高裁は9月、婚外子の遺産相続に関する民法規定を「法の下の平等を定めた憲法に反する」と判断。
政府は同規定を削除する法改正を急ぐ。
安倍晋三首相も参院本会議で「不合理な差別は、解消に向けて真摯に取り組む必要がある」と述べ、
党内の早期取りまとめを促した。
だが自民党保守派の反発はエスカレートする一方だ。
同月30日参院自民党の勉強会でも、
西田氏は「最高裁は非常識」とし「現行憲法と結びつけると今回の決定になるとすれば、現行憲法が間違っている」と主張。
さらに参加者からは「なぜ正妻の子と『めかけさんの子』に違いが出るのか調べて理解してもらわなければならない」
「『不貞の子』をどんどん認めていいのか」など、婚外子に対する差別的発言まで噴出した。
執行部も党内保守派の「暴走」を抑制できないでいる。
自民党の石破茂幹事長は、民法改正への反発を
「最高裁の判断が出ているから何が何でもそういう意見を捨象するということではない」と擁護。
今国会中の改正も「分からない」と弱気の発言に終始した。
▲補足、感想など
冒頭でふれたような「女性からの意見」はなかなか表面にはでてこない。
ましてや、非論理的といわれても致し方のない「妻の腹立たしさ」なんて---。
でも。
上でふれたような「抑えきれない感情」の部分を軽視すれば、法律というものが条理というか通常人のもつ「筋」から外れてしまう。
安倍さんも、これは「最高裁」での判決があったから—なとという理屈で、強行すれば、女性側からの強烈な反発を喰らうことは確実だ。<日頃、表にでない女性たちの意見というか感情論だから、一層-->
ここは石破幹事長のいう「慎重に行動する」ということが、一番正しい判断のようだ。