▲ボールペンのボールすら---か。
ふん、なにも分かっちゃいないな。
神は細部に宿る—って言葉をしらないのか。
ボールペンのボールこそ、科学技術の粋とでも言える部品だ。
あれだけの小ささで、完全な球体を造る—という技術を考えてもみよ。
ボールペンって、日本では昭和30年代からあったと思う。
でも、すぐに書けなくなるってシロモノだった。
使いやすくなったのは、21世紀に入ってではないのか。
つまり、半世紀になんなんとする歳月を要して、やっと「使えるボールペン」ができてきたのだ。
いや、話がそれた。
以下、中国の新聞から抜粋。
1月4日に山西省で開催された生産能力過剰問題に出席した
中国の李克強首相は、国内鉄鋼業界が深刻な生産能力過剰に陥っている一方で、高品質の鋼材の
生産ができなく輸入に頼る現状を指摘。
李首相は「われわれはボールペンのボールを含めて、
ダイス鋼を生産する能力すらなく、輸入に頼っている。これらの構造的問題を調整する必要がある」と。
李首相の発言は中国製造業全体の問題を露呈した。
国営企業に技術革新または改善の意欲が全くないことは事実だ。
中国経済の低迷につながる一つの主因ではないか。
中国は高新技術生産においての実力が不足しており、
毎年輸入される半導体チップの総額は約2000億米ドル(約23兆6000億円)に達し、毎年輸入される石油総額を上回ると指摘した。
重要な精密製品をすべて輸入に依存しているため、
仕入れコストと元安による輸入コストの上昇を合わせると、企業の資金圧力が拡大した。
また生産能力過剰で製品の卸価格が下落し、赤字の急増で破産に追い込まれる企業も現れた。
鉄鋼業、半導体製造業だけではなく、中国では多くの製品が生産できなく、品質も良くない。
近年、中国人旅行者が日本で家電や化粧品やカバンやアパレルなどの日本製品を「爆買い」しているように、中国国民が海外の高性能で高品質の製品を購入している。
中国製造業は主に低価格製品を生産しており、また輸入製品のコストが高いため、
携帯電話、カバン、パソコンソフト、腕時計など、安価なパクリ製品が市場にあふれている。
これらの偽物製品は海外まで輸出されている。
香港誌「動向」は、「李克強首相が中国機械設備輸出に関する資料を審閲する際、中国企業は
港で使用されるクレーン車、起重機のワイヤーロープ、自動車エンジンの主軸、飛行機の外装アルミ合金
などの製品を生産できなく、すべて輸入しなければならないことに気づき」、衝撃を受けた李首相は
「資料に赤い線を3本引いてから5分間も呆然としていた」と。
▲補足、感想など
なぜ、中国人にはできないのか?
答えは簡単だ。
中国人が「知的正直」というものを軽視・バカにしているからだ。
科学・技術の世界は、「事実」のみだ。
はったり、メンツ、えらそがり—なんてなんの関係もない。
父親が、共産党の幹部だった—なんてなんの関係もない。
今、中国人は自ら宿痾としてもつ「知的正直の軽視」という「民族的な病(やまい)」から、手酷い反撃をくらっているのだ。