▲炭素繊維の製造方法に技術革新があった。
それが、表題の中味だ。
製造工程の中で「加熱」というものが必要なものって一杯あるだろう。
例えば、蒲鉾を作るのだってそうだ。
その部分を 火 → マグネトロンへ 切り替えることができれば、効率が高くなるということだな。
マグネトロン---あぁ、電子レンジの核心部品のこと。
日本人の発明で、確か、殺人光線として使えないか—と研究されたという文章を読んだことがあるなぁ。
つまり、加熱を電子レンジでやる—ということだけど、この電子レンジで加熱という手段は、これから、まだまだ、色んなところで使われる可能性が高いなぁ。
以下、新聞から抜粋。
新エネルギー・産業
技術総合開発機構(NEDO)は2016年1月、炭素繊維の新しい製造技術を開発したと発表。
NEDOの材料開発プロジェクト「革新的新構造材料等研究開発)」の一環として、NEDOと東京大学、産業技術総合研究所、東レ、帝人、東邦テナックス、三菱レイヨンが共同で開発。
従来の方法に比べて生産性を10倍向上するだけでなく、製造する際に必要なエネルギーと、発生するCO2排出量が半減する。
軽量で強度が高く、寿命も長いことから、航空機や自動車などで採用が進んでいる炭素繊維。
原料にPAN(パン=ポリアクリロニトリル)を利用した炭素繊維(PAN系炭素繊維)は、2020年まで年成長率15%で伸びる成長市場だ。
日本が世界シェアの65%を占める基幹産業でもある。
燃費向上により環境負荷を低減でき、輸送機器に取り入れられてきた。
近年の適用事例では、ボーイングの航空機「ボーイング787」や、レクサス「LFA」、BMWの「i3」「i8」など、プロペラや風力発電のブレードなど。
炭素繊維のニーズが伸び、製造に時間とエネルギーがかかり、ニーズの増加に十分応えられるだけの量が供給できない課題を抱えている。
現在の炭素繊維の年間生産量は数万トン。
それ故コストも高く、2012年度は生産量が4万トンで、価格は5000円/kgだったという。
だが、多くの自動車で使おうとするなら最低でも年間数十万トンを生産する必要がある。
そのため、生産性の高い製造技術の開発が切望されていた。
鍵は新原料と“レンジでチン”
PAN系炭素繊維の製造は、(1)PANから糸を作る、(2)それを酸化する(耐炎化する)、(3)さらにそれを炭化する、(4)表面処理を行うという、4つの主要工程から成る。糸を高温で何度も“蒸し焼き”にして、炭素以外の成分を取り除いていくイメージだ。
▲補足、感想など
で。
加熱(いや、マグネトロンを使っての方法が「加熱」か—と言われるとなんなのだが、そこは目をつぶって頂いて--)の手段を変える--というところに、この革新技術の核の部分があることが分かる。
でも、もっと早くに、こんなことに気がつかないかな---と思う。
大きな面積のものに、連続して—というあたりが、ブレークスルーの障害になっていたのだろうな。
冒頭でふれた。
製造工程で熱を加えなければならないものって一杯あるはず。
この方法。
一つの大きな流れのようなものを切り開いたのではないのかな。