▲さて、どのあたりから。
電気を蓄積するという問題は、人類の夢であった。
確かに少量、一時的には「電池」というもので蓄積できる。
しかし、大容量、長期間ということになれば、お手上げ状態だったのだ。
この部分に一つの答えがでたのが「水素エネルギー」ということだ。
つまり、電気 → 水素 → 電気 というサイクルの中で、「水素」という形で電気を蓄積しようということだ。
世界中で、その方向に進みつつある—と考えて間違いはないだろう。
今の個々での例えば太陽電池での発電でも、売電できなければ、水素に変換して蓄積する—というような方向へいくのかもしれない。
水素をどう安全に蓄積するか—はこれからの技術革新を待つしかないが、大きな流れとして、そう進まざるをえまい。
上で一時的に蓄積するものとして、電池があると書いた。
電池周辺では、長い間、これっといった技術革新がなかった。
表題に掲げたマグネシウム電池は、リチウムイオン電池に倍するだけの性能があるという。
電気自動車というものは、電池でモーターを回すのだ。
電気自動車あたりに大きな影響があるのかもしれない。
以下、新聞から抜粋(ちょいと古い記事なのだが--)
埼玉県産業技術総合センター(SAITEC)は、室温で安全に使用できるマグネシウムを使った蓄電池の開発に成功したと発表。
小型電子機器に使われているリチウムイオン電池より安全で容量が大きく、実用化すれば世界初となる。
同センターは2、3年以内の製品化を目指す。
リチウムイオン電池は原料が高価で確保が難しく、空気に触れると発火するという課題がある。
これに代わる次世代蓄電池の開発が世界で進められる中、発火の危険性が低く、リチウムの25分の1程度の価格で資源も豊富なマグネシウムの蓄電池。
しかし、高温でしか動作しなかったり、数回の充電で劣化したりと小型の民生用機器への実用化には遠かった。
同センターはプロジェクトの一環で、マグネシウム蓄電池の開発を推進。
今回の研究では、電池の正極に、酸化バナジウムに水などの添加物を使ってイオンの出入りをスムーズにする新材料を考案。
電解液に有機物を加えたことで室温でも作動し、繰り返し充電しても放電容量が劣化しづらい蓄電池開発が実現。
研究開発には埼玉県内の自動車部品メーカーなど数社も協力。
材料は既に特許も取得、電解液も特許申請をしている。
リチウムイオン電池の2倍以上の蓄電量があるため、スマホやタブレット端末に活用すれば連続使用時間が大幅に延びる。
また、安全性の高さから、衣服や腕などに付けて使用するウェアラブル機器でのマーケット拡大にも一役買う。
経済産業省によると、小型民生用電池の世界市場規模は平成32年に1.5兆円に上る見込みといい、同センターは「リチウムイオン電池の代替として市場を獲得できる可能性がある。早期の製品化を進めたい」。
▲補足、感想など
すると、リチウムイオン電池ももうすぐお払い箱か。
数年前、ボリビアあたりで、このリチウムイオン電池をめぐっての騒動があったなぁ。
--ここから--
2012/06/20(水)
韓国のコンソーシアムが、世界最大のリチウム保有国、ボリビアからリチウム関連事業権を獲得。
韓国コンソーシアムは、ボリビアの国営企業コミボルと合弁会社を設立し、
リチウムイオン電池の材料である正極材を生産することについて、最終契約を交わす予定。
リチウムイオン電池は、携帯電話やノートパソコン、電気自動車にも使われるコア部品だ。
韓国鉱物資源公社やポスコなどが参加している韓国コンソーシアムと、
ボリビアのコミボルとが合弁会社が、世界最大規模のリチウム埋葬地域であるウユニ塩湖周辺に工場を建設し、
14年から正極材の生産を開始することに合意。
正極材は、リチウムイオン電池の生産に欠かせない基幹材料のうち最も重要なものだ。
2000年代半ばから、ボリビア政府とリチウム事業の共同推進を目指して力を入れてきた中国や日本、
フランスなどに比べれば、韓国は後発走者だった。
特に、浦項産業科学研究院(RIST)が、リチウム抽出期間を
1ヵ月以内へと大幅短縮する技術を開発し、今年2月、ボリビアの資源総局長に対して
実演を行い、逆転勝ちを上げた。
合弁会社の持分は、コミボル側が半分を保有する上、ポスコが25%を確保し、韓国コンソーシアムの中では筆頭株主となった。
鉱物資源公社はプロジェクトマネジャーとしての役割を果たす予定。
今後、工場の建設のためには、別途の大規模な投資が必要だ。
ボリビア政府は、自国のリチウム開発事業を3段階に分けて進めている。
第1段階では、ウユニ塩湖からリチウムを抽出し、第2段階では不純物を除去して炭酸リチウムを作る。
第3段階では、炭酸リチウムからリチウムイオン電池を作ることになる。
今回交わされた本契約は、3段階の作業に必要な正極材を生産するのがポイントとなっている。
二次電池業界の関係者は、「ウユニ塩湖に埋蔵されれているリチウムから不純物を取り除く技術を保有しているポスコ側が、
今後、第2段階事業にも参加する可能性が高い」と見込んだ。
韓国が、約540万トンのボリビア・リチウムの確保競争で一歩リードすることになったことを意味する。
--ここまで--
なにか、中国の希土を巡っての「皮算用」の二の舞いという感じがする。
ウユニ塩湖を巡っては、ボリビア大統領がとんでもないことを言っていたが、まさしく夢幻のような話と化したようだ。
冒頭でふれた。
大きな技術的な流れをキチンを押えていないからだろう。
リチウムイオン電池 → マグネシウム電池 という技術革新で、ボリビア・韓国の壮大な夢も、ガラガラと崩れてしまうのだ。
ついでといってはなんだが--、上の記事についての書き込みを拾ってみよう。
--ここから--
◇ちなみに、ウユニ塩湖てなー標高ウン千mっつー辺鄙な場所
ここの資源はマグネシウム濃度が高くてリチウム抽出が難しい性質がある
当然、ボリビア単独ではリチウム生産なんて夢のまた夢
そこで外国企業を上手い事騙して、美味しくなった所を横取りって寸法だが、
海千山千の鬼畜日本企業が、そんな手にそうそう騙される訳もなく・・・
サンプルの実験結果、重要な部分は渡してないんだよねw
ま、遅かれ早かれ「ナマ言ってすんませんでした!」って、日仏に泣き付いてくんじゃね?
でも、現実の世界にとって、リチウム=ボリビアって訳じゃないんだよね
◇2012年01月19日
豊田通商・リチウムの採掘
トヨタ自動車の商社・豊田通商(8015)は2013年から
リチウムの採掘を始めると発表しました。
場所はアルゼンチン北西部のオラロス塩湖。
総事業費は150億円。
豊田通商はオロコブル(オーストラリアの鉱山会社)と合弁し、
年1万6400トンを採掘予定。
その全量を豊田通商が買い取り、
トヨタ自動車など日本メーカーに供給します。
今回の鉱区はこれまでリチウム埋蔵量150万トンと見られてましたが、
640万トンへ大きく跳ね上がることが判明。有望な鉱区です。
--ここまで--