2016年1月26日火曜日

今、水素を中心としたエネルギー革命が進行しつつある。

今どうやら、エネルギーの革命が進行中のようだ。
 表面的には、石炭 → 石油 → 水素 と単純に言えば、燃える材料が変化しているだけに見える。

 しかし、このブログで何度かふれているように、水素=電気 なのだ。
 人類の夢であった「大量の電気を蓄積する=エネルギーを蓄積する」という視点でみると、革新的だと言えよう。<現在の原発行政の方向性にも影響を与えそうだ>

 そのトップを走っているのがトヨタだ。
 どうやら、トヨタという会社は自動車製造というところから脱却して、次世代の水素エネルギーを中心としたインフラを構築する会社へと転換を始めたようだ。

 <そう言えば、アメリカのテスラという電気自動車メーカーがトヨタを批判していたなぁ>

 --ここから--

 トヨタを嘲笑うテスラの強気 「水素社会など来ない」 
 2016/01/23(土)
 
 向かうところ敵なしのトヨタ自動車にかみついている相手がいる。
 電気自動車(EV)で急成長する米テスラ・モーターズの最高経営責任者(CEO)、イーロン・マスクだ。
 狂気をも感じさせるスピードと規模で 事業を拡大するマスクはトヨタなどが提唱する「水素社会」は来ないと断言する。

--ここまで--
 なお、テスラはパナソニックの電池を利用している。なにより、このテスラの社長の頭では、水素=電気 だという基本的な理解があるまい。
 ここにこそ、アメリカ人社長のあき盲ぶりが見えよう。そして、テスラたらいう会社の未来が見えてこよう。

 以下、新聞から抜粋。

 トヨタ自動車は、水素をエネルギー源として活用し、二酸化炭素(CO2)の排出をゼロにする次世代生産ラインを開発する。
 実証試験を2020年に始める。
 燃料電池車(FCV)の開発を通じて技術を蓄積した水素発電と、太陽光発電などを組み合わせた「ハイブリッド工場」を、世界に広げたい考えだ。

 実証試験は、世界初の量産FCV「ミライ」を組み立てている元町工場で行う。
 水素は、工場内の空調や、塗装工程の乾燥炉の熱源などに活用する。

 電力供給源として水素で発電する燃料電池も設置する。
 併せて、再生可能エネルギーも活用する。

 敷地内の太陽光発電や、田原工場で20年頃の整備を目指す風力発電の余剰電力を送電。
 水を電気分解して水素を作る。

 製鉄所などでは副産物として出る水素を工場内で燃料として活用する例はあるが、工業製品の生産ラインに活用する例は珍しい。
 水素は原油や液化石油ガス(LPG)などと比べて燃料コストが高く、再生可能エネルギーは天候に左右される課題がある。
 トヨタはそれぞれのエネルギーを組み合わせ、欠点を補う。


補足、感想など

 冒頭でふれた。
 水素 →電気 →水素 というサイクルの中で、工場を稼働させようとしているということだろう。

 先日、同時にマグネシウム電池が実用化されるというニュースがあった。
 かなり大容量で安定的に蓄電できるようだ。

 これは—と思う。
 今の電力会社にとって、暗雲が立ち込めはじめたということを意味している。
 なぜなら。
 個々の企業、個人の家で、風力とか太陽光で作った電気を水素という形で、マグネシウム電池で蓄積して、ここから電気を供給して会社毎に、個人毎に利用できるということを意味している。

 そして。
 電気代も上昇しない、石油価格も上昇しない---そんな世界がもう数十年の内に来ることを意味していないか。

 ※追記。
 上の水素を中心としたエネルギー革命のことを帰宅の途中で考えていて、涙ぐんでしまった。
 2014年に戦後レジームが完全崩壊して、100年先行組からの呪縛から解き放された。
 日本人は、もう、先達のいない、先行組の背中さえ見えない状況となっている。
 その時、このエネルギー革命が日本を中心として起ころうとしているところに感慨をもった。

 日本人は、英国の産業革命に100年も遅れたノロマな民族だ。西欧のエリート達から、人類の進歩になんら貢献したこともないといわれる民族だ。
 その日本人が、どうやら、このエネルギー革命を中心となって推し進めることができそうだ。おそらく、人類の進歩になんらかの「貢献」をした--と後から認められるテーマであろう。
 それが、明治維新から約150年という歳月を経た時点で起ころうとしている。

 明治維新の元勲たち、大久保利通が、伊藤博文が、今の我々の「背中」を見ているのだ。
 ノロマはノロマなりに「ここまできた」---そう思わないか。


※追記その2。

 西欧のエリート達からの日本人への視点についてふれておきたい。
 2008年リーマン・ショックが発生した。
 その時、この世界的な金融不安から脱却できる方向性を示せるのは日本の麻生さんだけだった。

 で。
 2008年の秋から2009年の春にかけて、世界中を飛び回り、一応の方向性をアメリカ・西欧と協議して一致した。
 日米と金融緩和の方向に進んだのだが、西欧諸国は、緊縮財政を採用した。
 西欧諸国のこの緊縮財政は2年前くらいまで続いたのだっけかな。

 この西欧諸国が緊縮財政を採用した理由を、アメリカのクルーグマン教授が新聞でコメントしていた。
 曰く、麻生さんというイエローの提唱した金融緩和策など、知ったことか、オレ達白人のエリートがイエローの言うことなどきけるか---と。

 まぁ、こんなにハッキリとは言わなかったのだが、ドラギなんて西欧のエリート達がイエローの言うことなどきけるか—と2009年の春の時点で思っていたことは確かだ。
 つまり、2008年のリーマンショックの時点では、日本人は人類の進歩の貢献していないらしい。