2013年10月25日金曜日

人は必ず失敗する。大事なことは失敗した後どうしたか—だ。

▲人は必ず失敗する。
 それこそ、誰でも。

 大事なことは、その失敗に対して「どう対応したか」なのだ。
 その部分に、その個人の・その個人が属する組織の「生の姿」「実力」が曝(さら)け出される。

 別の言葉で言えば、「将来につながる対応」と「将来につながらない対応」とがあるとでも言えばいいのかな。
 今度の阪急阪神ホテルのメニューのウソに対して、社長はどう対応すべきであったのだろうか。

 なんだっけ。キャビアが本当はトビウオの卵だった—とか。
 表示が間違っているというなら、確かにそうだ。

 核心は、料金はどうだったのか—ということだろう。
 トビウオの卵をキャビアとして、キャビアの料金をとっていなかったのか。

 ならば、これはもう詐欺であろう。
 つまり、「詐欺」であることを、「誤表示」と問題を矮小化したということなのだな。

 う~ん。だから。
 ここは、素直に「謝罪」するしかあるまい。
 社内のなにかが狂っていたのだ。こういう誤魔化しを許容する「内部の雰囲気」があったのだろう。

 また、その後の現金で返す—という判断の愚かしいこと。
 慌てて、判断を誤り、二重に失敗したとしか言いようがない。
 <相手は不特定多数だ。このような場合、ホテルの宿泊の割引券とか、ディナーの割引券とかにすればいいではないか>

 社長が辞任すべきだろうなぁ。


 以下、新聞から抜粋。

 阪急阪神ホテルズでメニュー表示と違う食材が使われていた問題で、 出崎(でさき)弘社長が記者会見し、一部のメニューについて再調査する考えを明らかにした。
 社内での調査不足が浮き彫りになり、意図的な偽装があったかどうか、改めて確認せざるを得なくなった。

 会見で出崎社長は「会社の管理体制や審査体制が不十分だった」と謝罪。
 「意図を持って誤った表示をしたことはない。偽装ではないと認識している」とし、誤表示だったと強調した。
 辞任する考えはないと話した。

 ところが「既製品のチョコレートは手作りと表示してよいと勘違いしていた」などとされた調査結果が不自然だと問われると、出崎社長は「(従業員が)本音で回答したかつかめていない」と調査不足を認めた。
 その上で「霧島ポークの上海式醤油煮込み」や「天ざるそば(信州)」など6メニューを対象に、 今月中に再調査することになった。

 客からの返金の要請については、24日午前9時までに513件、1022万円分応じた。
 宴会などのキャンセルも4件出たという。
 同社はこの日、取締役と監査役全員の報酬を減らす処分を発表。

 「信頼回復のめどが立つまで」の間、出崎社長は20%削減し、無報酬の角和夫取締役は兼務する 親会社の阪急阪神ホールディングス社長の報酬を50%、返上する。
 他の取締役6人と監査役3人は6カ月間、10%減らす。

 再発防止策も発表した。
 11月1日付でメニュー表示をチェックする専門部署を設ける。産地などを過剰に強調するメニューの表示も見直す。

▲補足、感想など

 男の出処進退は難しいなぁ。

 でも、出崎社長の対応の仕方は、とても冒頭でふれた「将来につながる対応」とはいえまい。
 阪急阪神ホテルというのの「実態」を露呈したような「言葉」であったといってよかろう。
 特に、レシートという証拠もなしに「現金で返金」なんて、あわてふためいた「社内の混乱状態」をあからさまにしている。

 社長の「強気の」言葉の内容と、その後の対応の仕方に齟齬がありすぎる。

 結局、この出崎社長という人に「実力」がないのだな。
 今、「辞任する気がない」とか言ったところで、いずれ辞めざるをえなくなるだろう。

 それとも、海外の田舎のリゾートを運営している子会社とかへ飛ばされるのではあるまいか。