2014年10月29日水曜日

避難困難地域。

地震が発生して、数分の内に津波が襲ってくる。それも10mくらいの高さで。
 どうしたらいいのか—。

 現象として起こることは予測できる。
 それをどう考え、技術的にどう対応するか—と筋道をつけるのには、技術者を含めて、広範囲な見識が必要だろうなぁ。

 ある現象の発生予想 → それを技術者が噛み砕いて解釈し、対応策まで方向づける …という感じかな。

 筆者も技術系の端くれだから、ちょっと考えてみよう。

あ、100人の住民がいるとして、100人全員を助けることは無理。
 発生する時間、発生する規模、津波の高さなど、すべてが不確定だからだ。
 コストとしても、無駄が多すぎる。
 だから、減災なのだ。
 ハッキリいうことはできないとしても、全員を助けることは無理だということは、為政者側も住民側も納得している必要があろう。

い、対応する時間軸を「短期」と「長期」とに分けて考える。
 短期といえば、数年~10年くらい。長期が100年くらい。
 <なお、現在津波の予想などが、地球上で発生する最大規模マグニチュード9あたりを想定している。これは1000年に一度という地震なのだ。筆者が100年くらいと書いたことと比較して欲しい。全体に過大な想定がなされているという事実は、常識として知っておくべきことと思える>

 とりあえず、避難塔などを作るのが、短期で。
 駅を動かすとか、学校などを高い場所に移す—とかは長期で。


 以下、新聞から抜粋。

 「逃げなければ生存率はほぼゼロ」「山を向いて逃げればチャンスはある」 住民戸惑いも 「避難困難地域」異例の公表

 南海トラフを震源とする最大地震で、和歌山県は、わずか数分で津波 が到達する地域などを「避難困難地域」として設定し、踏み込んだ内容の被害 想定を発表した。
 県は「不安を感じる人もいるだろうが、逃げなければ生存率 はほぼゼロになる」とするが、高台避難が困難な高齢者が多い地域もあり、現場に突きつけられた課題は重い。

 「悲観的になってもしゃあない。やっぱり取り組んでいかんと」
 津波避難困難地域となった和歌山県串本町姫地区のT区長は 語った。
 昨年、住民の手で避難路を整備。階段を作り、手すりも設置して海抜26メートルまで逃げられるようにな った。

 集落の住民115世帯のうち、約半数が高齢者だ。
 津波は最短10分で到達するとされ、最高で約10メートルの高さまで押し 寄せる。
 あきらめを口にする住民も少なくない。

 Tさんは「山を向いて逃げればチャンスはある」と話す一方、「寝 たきりの人をおぶって逃げるのは難しい。自分の命は自分で守るしか…」と表情を曇らせる。
 対策の一つ高台移転については「自己資金が いるとなると厳しい。現実的ではない」と話した。

 知事は、「南海トラフについては、このままでは耐えられな いところもあるので、積極的に対策を考えていきたい」と話したが、県の担当者は「単純に避難困難地域を解消しようとすると、街のほとんどが避難タワー になる。
 それでは街の機能が果たせなくなる」と指摘し、現状、有効な手立ては見当たらない。

 串本町では、消防本部や町立病院などを高台に移転し、今後、町役場や 幼稚園、小学校なども移すことにしているが、あくまで40~50年先の町づ くりを見据えたもの。
 町総務課のH副課長は「まずは避難ビルを増やし、避難困難地域 解消に取り組む」とする。

 群馬大のK教授は「逃げ切れない人たちの存在をあいまいにすることは、危険な状態に目をつぶることを意味する。積極的 に対処するためにも、設定したことは評価できる」と指摘。


▲補足、感想など

 う~ん、冒頭でふれた。
 住民全員を助けることは無理だ。

 はっきり口に出すか出さないかは別にして、そのことは為政者側も、住民側も覚悟するしかない。
だから。
 減災という発想なのだ。

 できるだけ、災害を極小化する。そして、災害発生後の復旧を迅速化することに力を注ぐべきだ。
上の記事では、なるたけ、住民全員を助けたい—という思いがにじむ。
 でも、災害が発生してそこからの復旧も視野にいれなければならない。

 どのくらいだろう。住民の内で助けられる人は。
 奥尻島の地震は、マグニチュード8近く、地震発生後数分で津波がきたという。最大高さ31mくらい。死者が200名くらいか。それでも住民の4%程度らしい。<まぁ、奥尻島全体だから、位置により差があるのだろう。ならして考えれば、まぁ、10%というあたりが一つの目処かな>

 そのあたりを目処にして、冒頭でふれた、2つの時間軸の中で助けられる人の率を高めよう—と考えていくということになるのだろう。
 長期で考えれば、数年をかけて移住というようなこともあろう。