2011年12月6日火曜日

格付け会社、ユーロ圏15カ国を格下げ。

▲なにか、ユーロ圏の国々は、バブル崩壊の恐ろしさを分かっていないようだ。(いや、分かっているのかもしれないなぁ、メンツから認めようとしないのかも)

日本がバブル崩壊から、なんとか上向きになるのに15年も要したという経験を理解できないようだ。

あれだけ時間を要したのは、日本人がアホだから、我々白人は優秀だから、日本の轍<てつ>は踏まない…てか。

どこまでも、オレ達白人は優秀だ…という選民思想の抜けない人達だ。

以下、新聞から抜粋。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ドイツやフランスを含むユーロ圏の15カ国の長期ソブリン格付けを「クレジットウォッチ・ネガティブ」にすると発表。
 有識者の見方は以下の通り。

●ドイツ含んだのはやや意外
ニューヨークのエコノミスト
すでにコンセンサスはできていたともいえるが悪材料だ。ドイツまでもが含まれており、一級国だっただけに、やや驚きだ。 ドイツにとって懸念なのは、ユーロ圏パートナーの金融面での負担を一部担うかどうかで、そうなれば信用度にも影響する。
ドイツがトリプルA格を失ってもメルケル首相失脚にはつながらないだろうが、フランスの場合はサルコジ大統領の立場は弱い。

●驚きない、債務のGDP比いずれも高水準
首席市場ストラテジスト
誰も驚いていないだろう。これらの国の債務はいずれも国内総生産(GDP)比でかなり高水準だ。
米国と同じぐらいかやや高い。なぜこれほど時間がかかったかだ。これは最初の全体的な警戒信号だ。悪材料とみられるものは売りにつながる。

●EUへの圧力高めるが驚きではない
リージョナルディレクター
欧州連合(EU)に対するプレッシャーを強めることになるが、このこと自体は驚きではない。
市場はS&Pの発表後も静かだ。今週の欧州中央銀行(ECB)理事会とEU首脳会合待ちと
なっている。
ECBが8日の理事会で、最後の貸し手としてさらなる措置を講じるかどうかが注目される。
メルケル独首相とサルコジ仏大統領が新たな条約を結べば、それも支援材料となる。ただ、全ての解決にはならない。

●長期のみネガティブ=
オーストリア(AAA/A1プラス)、ベルギー(AA/A1プラス)、
フィンランド(AAA/A1プラス)、フランス(AAA/A1プラス)、ドイツ(AAA/A1プラス)、 ルクセンブルク(AAA/A1プラス)、オランダ(AAA/A1プラス)。

●長期および短期をネガティブ=エストニア(AAマイナス/A1プラス)、
アイルランド(BBBプラス/A2)、イタリア(A/A1)、マルタ(A/A1)、
ポルトガル(BBBマイナス/A3)、スロバキア(Aプラス/A1)、スロベニア(Aプラス/A1)、スペイン(AAマイナス/A1プラス)。

●短期をネガティブに、長期は引き続きクレジットウォッチ・ネガティブ=キプロス(BBB/A3)。

▲補足、感想など

もう、アイルランド、ポルトガルが危なさそうだなぁ。

ユーロという共通通貨を使っている限り、現状の形での復興は難しかろう。

一旦、ユーロ圏から外れて、それぞれの旧通貨に戻り、経済状況が回復したのち、もう一度ユーロ圏に復帰するという方法かな。

共通通貨ユーロを使用している限り、金持ち国ドイツ(フランス?を含む)にぶら下がった貧乏国達という構図にならざるをえない。

しかしなぁ。

そもそも、こうなったのは、3年前のリーマン・ショックの際の対応が甘すぎたということが一因であろう。

アメリカのサブプライムローン等の債券が紙くずになった段階で、損失として公表し、赤字としなければならなかったのだ。

事実、日本の大企業は、2009年春の決算で、トヨタに至っては7000億円ぐらいの赤字を計上した。

他の大企業も大幅な赤字をそれぞれ計上した。

対して、当時、欧米の大企業がそんなことをしたとか聞いたこともない。

(当時、イギリスのft誌は、トヨタなどの赤字決算をみて、日本を「著しく凋落する」と評した。このイギリスのft誌の記者の愚かしさをみよ。会計学の知識もないようだ。また、バブル崩壊の恐ろしさを殆ど理解していないことが分かる)

つまり、この時点で、大きな損失があった筈なのに、隠してしまった…ということだろう。

損失を隠したまま、会社は黒字として決算し配当し続けたということだ。これが、企業・金融機関の力を奪ってしまった。

日本でバブル崩壊後、多くの金融機関が倒産したが、その原因の一つはこれだろう。

また、融資の際に担保としていた不動産は下降する一方であろう。そのことが担保不足という状況を産み、新規投資の機会を奪っている。

バブルという大きな山があって、次に比例するだけの深い谷が待ち受けている…というのは、資本主義においては止むをえないことなのだろう。それは覚悟すべきだ。

日本はバブル崩壊がなんとか癒されるまで15年という期間と1000兆円という費用を要した。

ヨーロッパ諸国が15年という期間を要するのかどうかは分からない。

しかし、少なくとも10年近い期間は必要だろうと思える。

それはそれとして覚悟して、次の経済の上向きの波に乗れるように準備すべきではないのか。

現在の階級社会を緩和して、下の階級からでも人材が輩出するように教育制度を整え、新規な技術開発に資金を投じる…というようなことを。

日本人が先輩風をふかせて言うようなことではあるまいが、日本人の経験に学ぶという必要もあるのではないのか。