▲発電方法は様々あるが、日本なりゃこそというものがある。
それが「黒潮」だ。
この黒潮を使って発電しようという計画がある。
筆者もなるほど…と感じた。先の長い話ではあるが、列島に沿って、太平洋側を流れる黒潮という海洋エネルギーを使わない手はない。
以下、新聞から抜粋。
IHIや東芝が海流発電に取り組む
NEDOが委託する「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」では、先進的な研究に取り組む。
2020年に発電コスト20円/kWh以下を実現するための要素技術を研究開発する。
高効率化の他、耐久性やメンテナンス性の向上を狙い、試験を実施する。
研究対象は海流発電と海洋温度差発電だ。
IHIと東芝、東京大学、三井物産戦略研究所は2011年11月、海洋エネルギー発電の研究開発に取り組むことを発表。
「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択された。
日本周辺は黒潮や親潮など海流に恵まれている。
特に黒潮は高い潜在エネルギーを秘めており、今回の研究開発では黒潮のみを対象とする)。
研究開発では海中に水中タービンを係留し、海流を利用して発電する「水中浮体方式の海流発電システム」に必要な要素技術を開発する。
さらに事業性評価を実施して、将来の海流発電の実用化を目指す。
2011年度から2015年度までの5年間を予定し、2年間で設計課題を解決しつつ、各種の調査を終え、中間報告を提出する。目標到達が可能だとNEDOが判断した場合、引き続き3年をかけて小型の実機を使った海洋での実験に進む。
なぜ海底に固定しないのか
水中浮体方式の海流発電システムには4つの特長があるという。
(1)安定した発電が可能で、発電電力量も大きい
(2)コスト競争力に優れる
(3)効率的な発電が可能
(4)メンテナンスや修理が容易
(1)の理由は、海流が太陽の動きや天候に依存しないためだ。昼夜や季節による流れの速さや向きの変動が少なく、海流が欠けることもない。
このため、風力や太陽光とは違い、連続的で安定した発電が可能になる。
(2)が成り立つのは、発電装置を海底に固定するのではなく、ケーブルを使って係留
するためだ。
設置が容易になる他、波浪の影響を受けない安定した水深(50~100m)での運用が可能になり、船舶の航行にも影響を及ぼさない。
(3)は選択した水中タービンの構造に由来する。1つの浮体の左右に逆回転する(対向回転する)水中タービンを採用することで、タービンの回転に伴う回転トルクを相殺でき、海中で安定した姿勢を保持できる。
(4)も水中浮体方式を採ったことで成立する。タービンの向きと浮力を調整することで、必要に応じて海上に浮上させることができるからだ。
▲補足、感想など
海流だから、コンスタントに発電できる…ということか。
こういうニュース・その背景にある視点をみていると、人類の叡智というものを感ずる。
確かに、従来、日本は石油もない、天然ガスもない、これっといった資源に恵まれない国家だと思っていた。
しかし、記事のように「黒潮」「親潮」という巨大なエネルギーを生み出す資源があるではないか。この海流でタービンを回せば、いくらでも発電できる。
商業的になりたつにはまだ時間がかかろうが、実は日本はとんでもない資源国なのだ…と目覚めさせてくれただけでも気持ちの明るくなるニュースだな。