▲社長という肩書きは、代表取締役ということになっている。
この代表という意味が分からない社長がいるのにびっくりだ。
日本の首相とは、日本という国を代表している。オバマ大統領は、アメリカという国を代表している。
代表するとは、その組織の全権を荷ない、その代表者としての判断は、結果としてその組織全体に及ぶということだ。
だから、個人の判断と代表しての判断はまったく別のものだ。
この個人と組織を代表して…との差が分からない社長を選んだ組織って一体なんだろう。
オリンパスという会社はそんな会社なのか。
そういえば、かっての三菱自動車で、こういう社長が出現したことがあったなぁ。
裁判で結局、責任を問われたが。
自分が社長として、責めを負う覚悟がないならば、そもそも社長になるなよ。
辞退すればいいことではないか。
一旦、社長を引き受けたなら、覚悟を決めよ。
自分の決断は、オリンパスという会社の決断なのだ。逃げることはできない。
以下、新聞から抜粋。
オリンパスの損失隠し問題で、損失を海外のファンドに移し替える「飛ばし」を進めた際に外国銀行と結んだ契約書類に岸本正寿元社長と後任の菊川剛前社長が自ら署名していたことがわかった。
同社が設けた第三者委員会に2人は、自筆の署名だと認めたうえで「よく事情もわからずにサインしただけだ」という趣旨の説明をしたという。
近く金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で関係先の一斉捜索に乗り出す東京地検特捜部も、2人が長年にわたる損失隠しやその穴埋めにかかわっていたとの疑いを強めている。
今後、2人から事情を聴くなどして経緯の解明を進める模様だ。
第三者委の調べによると、オリンパスは財テク失敗で膨らんだ巨額の有価証券の含み損の処理を先送りしてきたが2001年3月期に時価会計制度が導入されるのを前に、海外のファンドに移し替える「飛ばし」を実行した。
▲補足、感想など
三菱自動車と同じだなぁ。
この程度の社長しか選べないから、結果として記事のようになるのだ。
こういうニュースを見ると、ホンダの3代目の久米さんの話を思い出す。
社長となると決まって、壮行会でお酒が入ると、「怖いよ」と泣き出した…というエピソードだ。
組織を代表するということの「怖さ」を実感していたのだろう。
記事にあるオリンパスの元社長達は、組織を代表する…という意味・恐怖がよく分かっていないのだ。
だからこそ、記事にあるよう言葉というか対応がでるのだろう。
そもそも、「トバシ」が分かるも分からないもあるか。
社長として署名をすれば、それはもう、代表者としてすべての責任を負う…と表明したことなのだ。
分からないから責任がない…のではない。
責任を負いたくなければ、社長を辞めるしかない。
結局、社長としていいことも悪いことも、自分ですべて背負うという覚悟もなしに社長となったということなのだな。