2011年12月2日金曜日

ホンの一瞬でも日本を悲しみから救い上げた…と。

▲アメリカのスポーツ紙の記事の文章がなかなかいい。

今年の春の女子サッカーを取り上げているのだが、記事は名文だ。

以下、新聞から抜粋。

「大きな悲劇の前にはスポーツの試合などは些細なことの一部に違いない。厳しい現実の前にスポーツによって味わえる感情などは無意味なものだろう。
 だがスポーツは時としてわれわれにとって必要な気晴らしでもあるはずだ」

 日本でも「なでしこジャパン」が流行語大賞に選ばれたが、米スポーツ誌スポーツイラストレイテッドのサッカーページのトップで、なでしこジャパンWC獲得の写真と共に記事が掲載された。

 2011年のスポーツマンオブザイヤーの候補として<なでしこジャパン>をMatt Dollinger記者が推薦し書きあげた記事だ。日本人にとっては涙を禁じえない感動的な文章であった。

 記者はこう続ける。
 スポーツは確かに大きな悲劇の前に大した意味を持たないかもしれないが、人々の心を揺さぶるのだと。

 そして、なでしこの劇的な足跡を冷静に書きあげている。
 決勝戦でアメリカに2度追いつかれながらキャプテン澤は自分達のチームのポテンシャルを信じ、決して諦めなかった。
 それは「日本で津波に襲われた人々も決して諦めず生き残っている」からだと伝えている。

 ほんの数カ月前、大きな悲劇に見舞われた日本だったが、熊谷が試合を決めるPKを決めた後
Twitterでなんと1秒間で7196ヒットの新記録を記録したという。

 最後に記者は「確かにこれは単なるスポーツの話だ。だがほんの一瞬でも日本を悲しみから救いあげた<なでしこジャパン>には2011年スポーツオブザイヤーの資格がある」と結んでいる。

 日本は2011年、大きな悲劇に見舞われた。確かにスポーツにはそれをどうこうする力はないかもしれない。しかし人々の心を動かすほんの小さな力は、やがて大きな力につながっていく。そう信じて明日へ向かいたいと思わせる記事であ
った。

▲補足、感想など

言葉でも文章でも、人の心を打つための要素ってなんだろうなぁ。

--ほんの一瞬でも日本を悲しみから救いあげた—。う--ん、この文章かなぁ。

ものごとの核心といえば、核心なのだろうが、こういう表現ができる…というところが、この記者の能力なのだろう。

いい文章だと思うし、表現としても実にいい感じだ。