2013年4月13日土曜日

イレッサ訴訟の全面敗訴と米国産牛肉による狂牛病。


イレッサ訴訟の顛末を見聞きしながら、アメリカ産牛肉の輸入大幅緩和ということを考えた。

 どう言えばいいのかな。
 国民というものは、国になにもかも頼ってはいけない—ということかな。
 国家が負うべき責任の範囲と個人が負うべき責任の範囲を「線引」せよ—ということか。

 極端な例示をすれば。
 自分の家の前の道路で、転んだ。足を怪我した。
 道路は国が認めたものだろう。ならば、国がこの傷の補償をせよ—と訴えた--そんな風に聞こえないか。

 上でふれたように、どこか国と個人の負うべき責任の範囲の「境界線」を明確にすべきではないか。
 そのあたりだろう。

 このイレッサ訴訟の「敗訴の意味」は。
 つまり、新薬を使うという判断は「個人」がしたことであろう。
 それはもはや、国家の責任ではない。個人が責任を負うべきことだ—と裁判官が判断したということだ。

 そう考えると。
 上でふれた米国産牛肉を食べて「狂牛病」に罹ったとしても、それは個人が責任を負うべきことだ--ということなのだな。

 以下、新聞から抜粋。

 訴訟提起から8年超。
 肺がん治療薬「イレッサ」の副作用の危険を知りながら適切な対応を怠ったとして、 死亡患者の遺族らが国と製薬会社に損害賠償を求めた訴訟は、原告側の全面敗訴で幕を閉じた。
 しかし、副作用被害に対する救済制度整備をはじめ、薬事行政には多くの課題が今も残る。

 原告らは判決後の会見で 「イレッサの教訓を忘れないで」と繰り返し訴えた。
 「極めて不当な判決だ。『夢のような新薬』という説明を信じ、副作用で死亡した被害者の犠牲は何の教訓にもならないのか」。

 原告代理人の弁護士は判決後会見で、最高裁判断への憤りをあらわにした。
 唯一の生存原告で大阪原告団代表も、「腹の中が煮えくりかえり、切って見せたいくらいだ。
 薬害が再び起きるのを、 裁判で止めたかった」と弁護士を通じてコメントし、悔しさをにじませた。

 31歳の若さで次女、三津子さんを亡くした原告69は「国が承認し、企業が広告宣伝した医薬品で被害に遭う。
 抗がん剤に限らず医薬品制度そのものに欠陥があるのではないか、そんな問題意識で8年間踏ん張ってきた」と振り返り、 瞳をうるませて続けた。「表面上の『原告完全敗訴』だけで判断してほしくない。

 二度と被害を繰り返さないよう、医療現場、 製薬会社、厚労省、すべての関係者に訴訟から教訓を得てほしい」
 一方、輸入販売元の製薬会社「アストラゼネカ」の代理人は、判決について「適切かつ妥当な判断」と述べた上で、 「有効性が高く危険性が少ない薬剤を開発し、適正使用に向けた情報提供に取り組む必要がある」と強調した。


▲補足、感想など
 冒頭で米国産牛肉の輸入を大幅緩和にふれた。

 核心はなんだろう。
 これは---と思う。
 日本人をアメリカ人と同じように扱う—ということなのだろう。

 このブログで何度もふれた。
 アメリカ産牛肉の狂牛病隠しは、アメリカ政府とアメリカ食肉業界が結託した「国家的陰謀」だ。
 アメリカ人自身が、自国の牛肉について「狂牛病隠し」がなされていることに気付かされていない。

 原因が狂牛病であっても、痴呆となればすべて「アルツハイマー症」と診断されるのだ。
 現在、アメリカには約400万人のアルツハイマー症の人がいるが、その内の13%程度が本当は狂牛病なのだといわれている。

 で。
 では、なぜ日本は上のことを知っていながら、大幅な輸入緩和をしたか?--ということだが。
 アメリカ政府の「建前論」に負けたのだろう。

 上でのべたように「狂牛病隠し」は、アメリカ政府-食肉業界が結託した陰謀であり、米国国民には隠蔽されているのだ。
 アメリカでは狂牛病は殆ど発生していない(実際には発生しているのかどかさえ分からない)。アメリカ国民はこれを食べているのだ。日本人がアレコレ言うのはおかしいではないか。
 アメリカは、日本からあれもこれも輸入している。対して、日本人はアメリカ人の食べている牛肉さえ輸入しないのか(いや、もっと言えばオレは毒牛肉を食べているのだ。日本人も同じように毒牛肉をたべろよ--ということ)---てな感じで攻撃されるのであろう。

 どうだ。
 このアメリカ人の「カミカゼ攻撃」は? 

 <アメリカ人自身が人身御供のようなものだな。ついでながらアメリカ政府要人は、自国の牛肉の危険性をよく知っていて、日本から牛肉をとりよせて食べているとか聞いた。

 --日本がbseの検査をやめたらどうするのだろうか。きっと、どこか食肉業者と結託して、特別に検査させて、それを食べることに切り替えるだろう。--いや、中国の政府要人と同じで、いつでも国外に脱出する準備をしているというのとかわらないなぁ>

 その結果、上で書いたような米国産牛肉の輸入の大幅な緩和となったものであろう。

 だから。
 ここまでが、日本政府の責任の範囲なのだ。
 米国産牛肉を食べるか食べないか—という判断は、個人ですることであり、その結果責任は個人が「負うこと」なのだ。

 イレッサ訴訟と同じだ。
 ここに、国家が認定した「リスクを内在」したもの<米国産牛肉>がある。
 そのリスクを知った上で、これを食べて狂牛病となった場合、これは「個人の責任」であり、日本国家の責任の範囲外だ—と。
 そこが、境界であり、そこで「線引」されるんだよ-と。