2013年4月17日水曜日

三国連太郎さんが亡くなる。


▲怪優といわれたとか。
 でも、一代の傑出した俳優であったと思う。
 慎んでご冥福をお祈りしたい。

 親子で俳優というこの業界では珍しくもない話だが、子供が親を越えるかも—という例を筆者は殆どしらない。
 そんな稀有な例が、この三国さんと息子の佐藤浩市さんだ。
 以下、密葬の記事から抜粋。

 14日に亡くなった俳優、三國連太郎(みくに・れんたろう、 本名・佐藤政雄=さとう・まさお)さんの密葬が沼津市の自宅で 営まれた。
 親族ら約30人が参列したが、長男で俳優、 佐藤浩市(52)は、役者業をまっとうした父を尊重するかのように、 主演ドラマの撮影を優先。
 喪主不在の葬儀となった。

 青い海。潮風が頬をなでる。
 駿河湾が 一望に見渡せる高台。
 そこにたたずむ一軒家で、 名優の密葬は営まれた。

 映画「大鹿村騒動記」で、共演した女優の大楠道代(67)や 阪本順治監督(54)のほか、親族約30人が参列。
 女優の吉永小百合(68)、 浅田美代子(57)、藤井フミヤ(50)らから花も届いたが、息子に残していた 「散骨して誰にも知らせるな」という“遺言”を守ってか、葬儀としては、少人数だった。
 弔問客は一様に報道陣に対応せず、故人の遺体に寄り添い、別れを告げた
 妻・友子さん(63)と、佐藤の妻が気丈に 対応したものの、その中に喪主・佐藤の姿はない。

 佐藤は、日本テレビ系「怪物」のロケを神奈川・江ノ島海岸などで敢行。
 役者業を貫いた父と同じように仕事を優先し、参列者が帰った午後8時ごろに駆けつけた。
 撮影後、向かったようで、私服姿のまま。
 憔悴しきった表情で、 無言のまま亡き父の自宅に入った。

 密葬が行われた沼津市は、三國さんが幼少期に過ごした場所。
 愛着ある土地で、三國さんは同市の 「燦々ぬまづ大使」に就任した。
 駿河湾を見渡せる景色を気に入り、家を建て、都内の自宅とを行き来する生活を送っていたという。

 関係者は「沼津市で密葬するのも、三國さんの遺言だったんじゃないでしょうか」と予想。
 実は釣り嫌いだった三國さんは 「駿河湾で1度も釣りをしたことはない」というが、海は気に入っていた。


▲補足、感想など
 俳優というものは—と思う。
 通常の、尋常な人間では「名優」とはなれない。

 正常な部分と半キチガイのような部分(”狂気”といえば当たっているのかな)を両方もっていて、それを「常識」というオブラードで隠せる人なのだろうなぁ。
 比較するのもなんだが、アメリカにロバート・デ・ニーロという俳優かいる。
 デ・ニーロアプローチといって、その役になりきるためにあらゆる努力をする人だ。
 三国さん、佐藤さんと見ていて、このデニーロ・アプローチに類似したことができるのだろうなぁ。

 これはもう。
 「才能・資質」だな。

 同じような例としたら、緒形拳親子くらいかな。 
 それでも、緒形直人は父親に比較すれば見劣りがするし--

 こういう芸<才能>の継承というのは、日本では歌舞伎界が上手なのだろう。
 そこになにかノウハウのようなものがあるのだろうなぁ。

 いや、話がどこかへいった。
 記事に帰れば。

 --役者業を貫いた父と同じように仕事を優先し、参列者が帰った午後8時ごろに駆けつけた。撮影後、向かったようで、私服姿のまま。憔悴しきった表情で、 無言のまま亡き父の自宅に入った。---か。

 そういえば、歌舞伎界では親の死に目に会えない—という言い伝えがあるらしい。
 佐藤さんは少なくとも、「死に目」には会えたのであろう。
 幸運というべきではないか。