2013年4月4日木曜日

日本再生にはまだ早すぎる—と英紙。


▲そういうには、ちょいとまだ早すぎる—か。
 その通りだろう。

 しかし、このイギリスという国は、日本という国をどうみているのか。
 日本人からみて、イギリスという牢固とした階級社会が確立した国家とは、そこの国民の「能力」を無駄にしている—としか見えない。
 いや、当然、エリートとして生まれ育てられた階級の人達は、それなりに「身体も大きくて、能力もある」のだろうが。

 例えてみれば、日本の戦国時代の武将達の子孫だけを集めて、上流社会というものをつくり、その中だけで教育し、結婚し、国民を指導というか支配してきたものであろう。
 16世紀頃のエリート達の子孫がエリートでありつづけることができるか。
 また、不幸にも16世紀の頃、底辺の農夫であったものの子孫達から「能力のある者」が出現する可能性がないのか。

 このあたりだろうな。
 イギリスのエリート達には、自分達の階級というものが抱えている「矛盾」がよく分かっているのだ。
 そして、ユーラシア大陸の真反対の東の端に、階級社会というものとほぼ縁のない「日本」という国が対峙している。

 日本という国は、どの階級?からでも「才能」が出現する。
 まぁ、それが国というものを、その国の経済を活性化せしめている。

 だから。
 英国のエリート達は、日本というものを「認める」ことができないのだ。
 認めることは、自分の今の地位を揺るがしかねない。
 ゆえに、「日本を攻撃する」のだ。

以下、新聞から抜粋。


 英フィナンシャル・タイムズ紙は、「日本再生にはまだ早過ぎる」という見出しで、日本経済は回復の兆しがあらわれ ているものの、再生にはまだ早過ぎると指摘。

 久々に日本は自信に満ち、経済回復に向かっている兆候があらわれている。
 株式市場は反発し、日経平均は昨年11月以降44%上昇。円安で輸出業者の利益も増えた。
 トヨタ、セブンイレブン などが社員に出したボーナスは最近では最高水準となった。

 日本貿易振興機構の統計によると、昨年日本の 外国直接投資(FDI)が3年ぶりに流入に転じ、日本経済再生の兆しがあらわれた。
 2010年、2011年は多くの企業が 日本から撤退し、FDI流出額はそれぞれ14億ドルと17億ドルに上ったものの、昨年は21億ドルの流入額だった。

 外資が 日本に再び興味を持った要因の一つは、強化が進む地域の相互依存。
 ジェトロ対日投資部の責任者、n氏は 「アジアからの投資が急増している」と語る。
 実のところ中国企業の対日投資は2番目に多い。

 20034月から20129月の間、ジェトロの斡旋で中国企業106社が 日本に投資した。
 これは米国の315社に次ぐ数だ。
 近年2011年の福島第一原発事故を受け、代替エネルギーや省エネに 注目が集まり、外国企業が強く関心を持つ新たな市場が生まれた。

 米国のガス・放射線探知機メーカーのRAE Systemsや ベラルーシの放射線測定器メーカーPolimasterはいずれも昨年日本の事務所を構えた。

 ただ、外国投資の興味を保つために日本政府もかなり努力をしている。
 日本はこれまでも特にFDIを引き付ける国では なかった。
 国連貿易開発会議(UNCTAD)の統計によると、2011年末時点で日本が引き付けたFDIは国内総生産 (GDP)の3.7%を占めるに過ぎない。
 一方、英国は49.8%、フランスは34.7%に上る。

 外国企業が日本に会社を設立しない理由をn氏は「アジアの他の国に比べて日本は税負担が重い上、日本人は 英語が流暢でなく、労働法規が柔軟性に欠ける」と説明する。
 日本の法人税率は約38%、韓国の24.2%、シンガポールの17%と比べると劣勢にある。

 日本が今後大手製造メーカーを引き付け、大量の雇用を創出することはないだろうが、消費財やサービス関連企業、 特に先端技術分野をリードする企業にとって日本は非常に魅力ある市場だ。
 消費財関連企業が日本という世界で最も細かいことにうるさい市場で成功すれば、世界で成功する扉も開かれる。

 中国の家電メーカー、ハイアールは、「日本という世界最高水準の消費電子製品の技術を持ち、消費者の要求が高く、 目が高い国で足場を固めれば、わが社の世界的地位を上げ、世界で最も優秀な企業になる助けとなる」と話す。

 より多くの外国企業がこれと同じ見方を持つかは、安倍首相が公約を実現し、日本の回復は本物だと証明できるかに かかっている。


▲補足、感想など
 アレ、案外、まともな記事だな。
 冒頭で「攻撃している」と書いたが、「攻」ぐらいか。
 まぁ、新聞記事での「表現」がどのようになっているとしても、「冒頭の内容」は、イギリス人が考えていることであり、「そう見られているのだ」ということを、日本人は用心しなければならない。

 話は違うが。
 家人が玄関先に飾っている「生花」をみて、”いいなぁ”と感じる。
 特に、ここ数年、そんな感じをもつ。いや、もっといえば、「生花」って、日本人にとって必修の素養というか技術なのだな—と思う。

 なにが核心なのかなぁ
 そりゃ、年齢ということもあるのだろう。
 でも。
 どうやら、日本人特有の「美意識」というもの一層、敏感になったのだろうなぁ。
 サクラとか花見なんてものに対する感覚も、根底にあるのはこの「美意識」だろう。

 それが、記事にある—日本という世界で最も細かいことにうるさい市場で成功すれば-云々 に繋がるのだろう。

 この「美意識」がある限り、日本という国はガラパゴス化せざるを得ないし、それは他国からの「理解の難しさ」を招いている。
 日本人は、外国から「理解されない」ことを不満に思うまい。孤立を恐れまい。