2012年11月12日月曜日

日本人はサイレント・ボム。


▲尖閣諸島を巡る日本と中国との揉め事から、中国国内で反日運動が発生したのはこの夏のことだ。
日本の自動車工業などが、静かに中国から東南アジアへ移動しつつあるようだ。
しかも、目立たないように-----
日本人は、世界でサイレント・ボム---静かなる爆弾と言われている。
表面は「反中国運動」など起こるまい。
しかし、どこかで、静かに静かに爆弾が破裂する。
以下、新聞から大幅に抜粋。

中国で反日デモの影響を受け日本の自動車関連業界では、新規に投資するのを控えよう動きが出ている。
景気が減速する中国にとっては海外からの直接投資の減少に拍車がかかるほか、日本の先端技術を 取り込みにくくなる可能性があり、中国側も対立の影響を被りそうだ。
精密部品などを製造するfのs社長は、東南アジア諸国へ出張した。
中国で生産能力増強を考えていたが、リスクを考慮し、今後は東南アジアに切り替えることを検討。
fはトヨタ自動車 などの大手メーカーに部品を供給。
s社長はインタビューで、自動車メーカー側から今後の中国投資に関する方針は 示されていないと前置きした上で、楽観視しておらず、日本車需要が 従来の水準へ戻るのに時間がかかるかもと指摘。
「現状の生産能力は維持しながら、新しい投資に関しては他の国で、となるのではないか」と。
海外から中国への直接投資は減少気味だ。
中国の7-9月成長率は7.4%と、この3年余りで最低。

■対中直接投資は半年ぐらい減少傾向も
n研究所のm研究員は、自動車産業のような製造業は雇用創出力が高いとし、中国への影響として雇用減少と伴う景気後退を挙げ、「現在の景気減速の 流れが加速しかねない」とコメント。
過去の例では欧米からの投資増が補ったが、欧米からの投資急増は 考えにくく、中国への直接投資は、今後半年ぐらい減少傾向を続けるのではないか。
JETROのサイトによると、 11年の中国への海外からの直接投資額(金融分野を除く)約1160億ドル(約9兆3000億円)のうち、 日本は3位、全体の5.5%だった。
日本からの対中直接投資は99年以降、ほぼ増加傾向にあり、07年まで8年間で8.5倍に膨れ上がっていた。
中国からのシフトを検討する会社はfだけではない。
s工業 のm社長は決算会見で、 今回の反日デモでリスクを再認識し、「一線を画したほうがいいのではないか」と感じた。

■労働コストは「安くない」
m氏は、中国について、最近は賃金が大幅に上昇し、 労働コストは「安くない」と指摘。
ミャンマーやベトナムなど「コストが安くて親日的な国」は他にもあると述べ、今後は中国への投資は内需の増加分にとどめ、輸出に関してはそうした周辺諸国に移したいと。
収益面でもプラスになるといい、他の自動車部品メーカーの経営者にも同じような 考えを持っている人は多い。
国内タイヤメーカーのn社長はインタビューで、反日デモで日本企業は中国リスクを再認識したのではないかと指摘。今後の能力増強投資は マレーシアなど他国に傾く可能性があると述べた。

■新工場稼働を凍結
ランプを製造するk製作所 は、中国で建設中の新工場の稼働を当面凍結する。
広報のk氏によると、ランプの生産能力を一気に3倍に増やす計画だったが、今は工場の建設作業は進めているものの、生産設備の導入を止めている。
「需要がまったく読めない状況」で、凍結解除の時期はいつごろになるかは分からないとした。
d総研のhエコノミストはリポートで、日本からの対中輸出が 1カ月停止した場合、国内総生産(GDP)を8200億円押し下げると試算。
日本の貿易量全体に占める対中取引の比重が大きいため、直接的な影響は日本の方が大きいとした上で、製造業の投資が減れば、中国側も当然、影響を 受ける。
尖閣諸島をめぐり中国各地で反日デモが起こった。
日系自動車販売店への放火などもあり、日本メーカー各社は一時、生産調整を 余儀なくされた。
9月の中国販売台数は、トヨタが前年同月比49%減、ホンダと日産自は それぞれ41%、35%の減少。
ホンダと日産自が今期純利益予想を従来比で20%減額するなど、影響も出ている。
自動車メーカーでも反日デモ後、中国以外のアジア生産を強化する動きが目立っている。
tは東南アジア地域の生産拠点と位置付けるタイで生産能力増強の予定だ。
今年の現地生産は前年比7割増の88万台の計画で、将来は100万台程度へ引き上げる。
インドネシアでも部品調達を含め現地の生産能力増強を計画している。また、主力小型車を タイで生産し日本へ逆輸入する日産自も、現地に新工場を建設するなど設備増強を 進めている。

■自分たちの首絞める
大学のi学部長は、日中対立が続けば中国にとって 日本の最先端技術を吸収する機会が失われるデメリットもあるとみている。
i氏は「精密機械など高度な技術を必要とする工業製品はいまだに日本メーカーが圧倒的に 優位に立っている」と指摘。
労働集約型から高付加価値の産業に移行する時期に差し掛かっている中国にとって、日本の先端技術の生産が中国から離れれば、「中国では技術的に高いものつくるのが困難になる。長期的には自分たちの首を絞めるようなことになるのではないか」と。
d総研のh氏は、中国にとって最悪のシナリオは、 欧米などの企業が日本に追随することだという。
「日本企業が移転を検討する根っこの理由は 中国の人件費が上がっていること」と指摘。
欧米企業経営者が、日本製品への破壊活動など中国人の過激な行動にリスクを感じて国外に生産をシフトする流れになれば、 「資本と技術の両方が流出することになり、中国にとって厳しい」と話した。

■中国失ってもブラジルなどの新興国ある
先端技術を駆使した部品も手がけるfs氏は、中国で検討していた 増産計画について、既に拠点があるタイで行うことを検討。
尖閣諸島は日本の領土であり、 「自国の領土を侵されてまで商売をやる必要はまったくない」と考えている。
仮にそれで中国の市場を失ったとしても、「ブラジルなど他の新興国に経営資源を集中し、 シェアをすべて奪うぐらいのつもりで取り組めばいい」と述べ、「そのときになれば、中国人も 思い知るのではないか」と語った。

▲補足、感想など
思い知る---って。
人間が誰でも合理的な判断をするだろうという日本人的な見方だな。
世の中には、不合理な、非条理な判断をする人間だって充分に多い。
中国人、韓国人なんてそうだろう。

根底にあるのは、「民族としての常識の違い」なのだ。
日本人は、自分たちの資本主義に基づく「判断」をすればいい。
採算がとれないなら、他に移動していくしかあるまい。

そこに、尖閣諸島のもめごとも、反日運動も入りはしない。
日本人ば、サイレントボムだ+-と冒頭で書いた。
静かに静かに、中国のアチコチで爆弾が破裂し続けるだろう。