▲大西洋、地中海でのマグロの供給量が増えている—などというニュースが流れて、筆者はなんだかなぁ—と思う。
マグロの供給量が増えているわけがあるまい。
そうではない。
今、欧州諸国はバブル崩壊後の失われた○○年の最中だ。
スペインなんか、失業率が20パーセントを越えている。
マグロをとる漁師なども、その影響をまともに受けている業種であろう。
だから。
お金に替わるものであればなんでも売りたい—ということなのだ。
日本人が買ってやれば、それは今の欧州の人は喜ぶだろうが、しかし、上でふれたように基本的に供給量が増えたわけではない。
10年後ぐらいにヨーロッパが経済的に立ち直った時、日本人が食べ尽くして、マグロもいなくなった—とか言われそうだな。
そのあたり、日本人はよほど用心しなければ-----。
以下、新聞から抜粋。
絶滅の危機にひんしているという指摘もあった大西洋のクロマグロの漁獲枠が、「漁業資源が回復している」という専門家の報告を受けて、来年、 小幅ながら増やされることが決まり、今後、日本へのクロマグロの供給量が増える可能性も出ています。
北アフリカのモロッコで開かれていた大西洋と地中海のクロマグロの資源管理を話し合う「大西洋まぐろ類保存国際委員会」の年次会合は、閉幕しました。
最大の焦点だったクロマグロの漁獲枠は、「漁業資源に回復傾向がみられる」とする専門家の報告書を受けて、枠を増やすよう求める意見が漁業国などから相次いで出され、
日本もこれに賛同し、来年の漁獲枠をことしよりも500トン多い1万3400トンとすることで各国が合意しました。
また違法な操業を防ぐために、マグロがとられた海域や流通の経路を電子的に記録して、マグロの流通ルートの追跡を可能にする新たな仕組みを、段階的に導入することも決めました。
今回の漁獲枠の増加は小幅なため、価格の面でただちに大きな影響は出ないものとみられていますが、資源の回復傾向が続けば、将来的に漁獲枠がさらに増やされ、 最大の消費国である日本へのクロマグロの供給量が増えていく可能性もあります。
これに対して国際的な環境保護団体は、違法な操業を確実になくしていくことが重要だとして、日本が主導して管理責任を果たしていくことを求めています。
▲補足、感想など
上でふれたように、多分に政治的に判断されたものと思える。
向こうが売ってくれるのだからいいじゃないか—という言い方もあろう。
その通りかもしれない。
しかし、単純にそんな話にのれば、冒頭でふれたように、後から<多分、10年後に>「大西洋からマグロがいなくなったのは日本のせいだ」とか言われかねまい。
日本は、マグロの完全養殖での漁獲高をもっと上げるべきであろう。
マグロ資源の枯渇という問題をいつも「視野にいれて」判断し・行動すべきだと思える。