▲4000本目は、素晴らしいレフト側へのクリーンヒットだった。
一塁に到達すると、チームメートが集まり、一緒に喜びを分かちあった。
イチローの4000本安打達成をお祝いしたい。
まず、新聞記事から抜粋。
米大リーグ、ヤンキースのイチロー外野手(39)=本名・鈴木一朗=が、ブルージェイズ戦の一回、左前打を放ち、日米通算4000安打
(日本=1278本、米国=2722本)を達成した。
大リーグで4000安打以上を記録しているのは歴代1位の4256安打の
ピート・ローズと、4191本を放ち「球聖」と呼ばれたタイ・カッブの2人だけ。
日本のプロ野球では張本勲(元ロッテなど、現野球解説者)の3085安打。
イチローは1992年からプロ野球・オリックスでプレー。
2001年に米大リーグ・マリナーズ入りし、04年は262安打を放ち、
大リーグのシーズン最多安打記録を84年ぶりに更新。
大リーグ1年目から10年連続でシーズン200安打を記録した。
昨夏に名門ヤンキースに移籍した。
▲補足、感想など
イチローのやり方について、大リーグでも「せこい」という評があるそうな。
あんなバントと足だけで稼ぐってやりかたはどうなんだ? と。
地味というか、見栄えがしないというか。
アメリカって、多民族国家ゆえに、「派手な」「大仰な」感じでないと、見立たないのだろうな。
イチローという選手をみていると、松井選手と比較せざるをえない。
それは、「人生の選択」ということだ。
松井選手は、大リーグでホームランバッターでありたい—と考えていた。
そのため、体重を増やした。
しかし、その判断は、諸刃の剣であって、外にむかっては、「ホームランをうてる」ということだし、内に向かっては、「自分の身体を酷使する」ことであったのだ。
特に、アジア系の身体では、膝とか靭帯とかに無理があったのであろう。
つまり、大リーグで「ホームランバッター」であるということは、みずからの選手生命を短くするという決断でもあったのだ。
対して。
イチローは、最初から短~中距離ヒッターであることを選択した。
自らのアジア系の身体能力では、その選択しかない—と判断したものだろう。
で。
冒頭でふれた「せこい野球」に徹したのだ。
ポテンヒット、バント、足で稼ぐ---という手法に。
だから、これが「人生の選択」なのだ。
大リーグで活躍するという同じ夢を持ちながら、松井という選手は、自らの選手生命が短くなることを覚悟して「ホームランバッター」であることを選んだ。
イチローは、自分の身の丈を充分に知った上で、「せこい野球」だと批判されることを覚悟して、ポテンヒット、バント、盗塁などという道を選んだ—ということだ。
どちらがどうということではない。
男が己の「人生を選択する」とはこういうことか—と改めて、感慨深い。