2015年10月19日月曜日

殺処分ゼロの不合理さ。

なにか民間の団体で、野良犬となるのを防いで、飼い主が見つかるまで飼うとかいう集団があるそうだ。

 でも、これは無理というか不合理な理屈だ。
 なぜ、犬だけなのだ。じゃ熊は、鳥は---とかいえば、増えるだけだろう。

 なんというかな。
 可哀そうだとかいう理屈だけで、多数の野良犬を飼い続けることはできない。

 社会の中で、犬も猫も熊も共生しているのだ。
 人間の暮らしというものが、中央にあるのだ。
 人間の暮らしを脅かさないような、犬との共生というものを探っていくしかない。

 人間の暮らしを脅かすような、犬の数であれば、殺処分するしかあるまい。
 動物愛護とは、なにもかも「生かす」という意味ではない。
 この社会の中で、人間と共生できる「環境」をつくって、それを守っていくということだ。

 勘違いしたままでは、エセ動物愛護は、生き延びることはできない。

 以下、新聞から抜粋。

 下世話な話で恐縮だが、「殺処分ゼロ」を目指すピースワンコ・ジャパンのシェルター運営には、費用がかかっている。
 2014年度の年間支出は約11450万円。内訳は、200頭近くいる保護犬のフード代や医療費などに約1800万円、健康管理やしつけを担当する獣医師やトレーナーの人件費に2500万円、保護施設の建設に3700万円といった具合だ。

 質の高い飼育環境を維持しながら、多くの犬を保護するには、安定した資金の確保が欠かせない。

 現在その柱になっているのが「ふるさと納税」である。
 ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付をすると、2000円を除いた全額が税金から控除される制度。

 ほぼ自己負担なしで寄付ができるうえに、 地域産品などをお礼の品としてもらえることが人気を集めている。
 広島県神石高原町が昨年、寄付金の使途としてNPOや地元自治会を指定できる仕組みを設けてくれ、「あなたの『税金』を殺処分ゼロのために」と呼びかけて寄付を募っている。

 今年動物愛護週間を皮切りに、ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」でキャンペーンを始めた。
 掲げたのは、私たちが広島県の犬の殺処分をなくす目標と定めた来年6月までに、保護犬舎を3倍の600頭規模にし、譲渡センターも開設する計画。

 これまでの取り組みの成果や資金の使途を詳しく説明し、お礼の品には有機無農薬の米をはじめとする地域の特産品を用意した。
 開始から3週間余りで、寄付申込額は約2250万円。
 それ以外のルートを含めると約3200万円に達した。
 昨年のペースを上回り、寄付が集中する年末を迎える前としては、支持をいただいている。

 寄付者のみなさんからは、「ふるさと納税で活動資金を集めるアイデアはすばらしい。年金生活なので少額しかできませんが、毎年参加したい」 「本格的なプロジェクトが立ち上がり、実績も積み上がっていて、心から嬉しく思います」などのコメントが寄せられている。

 特に目立つのは、「神石高原町の取り組みが全国に広がることを願っている」というものだ。
 小さな町の挑戦にこれだけ注目と期待が集まるのは、かつてないことだろう。

 今回のキャンペーンでは、他の保護団体との連携による猫の保護にも初めて協力を呼びかけた。 ペットを愛し、共生を願う多くの人の共感を得られるよう、きちんと成果を出していきたい。


補足、感想など

 いや、運営に文句をいう気はない。
 ただ。
 未来のない—徒労に終わるだろう話だと思える。

 それは、殺処分ゼロ—なんていう、できもしない目標が掲げたために、自分を追い込んでしまうのだ。自縄自縛と言っていい。

 冒頭でふれた、
 動物愛護とは、人間を中心とした環境の中で、犬との共生を探るということだ。

 記事にある施設であっても、多すぎれば「殺処分」せざるを得なくなる。
 そもそも、飼い主がそんなに見つかる訳があるまい。

 犬を殺処分するのを、じっと見ている—ということも、動物愛護の一環なのだ。
 何百匹という、ただ生かしておくだけの「動物愛護」に、未来も意味もあるまい。

 取捨選択して、引き取り手の見込みのない犬は、殺処分するという方針に切り替えるべきだ。