2012年11月8日木曜日

全日空機に落雷。機首部分がへっこむ。


▲先日、富山空港へ着陸しようとした全日空機に落雷があり、機首部分がへっこんだという。
えっ--と筆者は思った。
落雷を受けるとへっこむのか。
なぜだろう? 疑問に思わないか。
う~ん、これは「落雷」というものの本質を知らないと理解できないことなのだな。
以下、新聞から抜粋。

7日午前10時頃、富山湾上空で富山空港への着陸態勢に入っていた羽田発富山行きの全日空883便(ボーイング767)の機首部分に落雷があった。
全日空富山空港営業所などによると、同便は定刻通り同空港に着陸。
乗員乗客275人にけがはなかったが、落雷の衝撃でレーダーのアンテナを覆う 「レドーム」と呼ばれる機首のカバーがへこみ、点検や修理のため、折り返し便が欠航した。
落雷があった時、富山県内全域には雷注意報が発令されていた。


▲補足、感想など
よく考えてみると、これはニクロム線を使った電熱器と同じ理屈だ。
雷が飛行機の表面に落ちた瞬間に、大きな電流が流れる。→当然、飛行機の金属には抵抗があるから、ここでジュール熱というものが発生する。(上のニクロム線が熱くなる理由だ)
ジュール熱は、抵抗×電流の2乗×時間 で求められる。
上の式で分かるように、時間が短くても電流が大きければ、その2乗に比例して、熱が発生することになる。
結局、飛行機の表面のところで、大きな熱が発生し、周囲の空気を急激に加熱し、空気爆発のような現象が生ずるのであろう。
その爆発の力(膨張する空気による)が、飛行機の表面をへこます---まぁ、こういう理屈だと解せる。
<ここで疑問が。上の理屈でいえば金属表面はかなりの高温になるはず。(おそらく、数万度?)
 飛行機の金属は溶融しないのかな。このあたり、電流の流れている時間との関係のような気がするな>
では、上でふれた雷の電流はどの程度だろう。ウィキペディアからその部分を転記する。

--ここから
落雷とは、地面や水面など、もしくは空中にある物体に雷の放電を被ることである。
結果、被害が発生した場合、一般には災害(天災)と認識される。
時にこれは深刻、甚大なものとなり、死亡あるいは建物火災等の原因となる。
落雷時の電圧は200万~10億ボルト、電流は1千~20万、時に50万アンペアにも達する。
この大電圧と大電流が人を死傷させ、この大電流によってもたらされる、プラズマが発生するほどの熱(ジュール熱)が建物などに被害を発生させる主因である。

--ここまで--
電流は、時には50万アンペアにも達するか。---電流の2乗に比例して発熱するのだから、爆発的な現象にもなるなぁ--
落雷を受けた大木が裂けたりするのもこの理屈なのだな。
樹木の中を雷が通過する際に、樹木の中の水分を加熱し、木の内部で「水蒸気爆発」のようなことが起こるのだろう。
その爆発によって、樹木が破砕されるということか。<さらについでながら、それならなぜ、落雷をうけた人間は爆発しないのか--とか言う人がいそうだなぁ。人間は水分が殆どで樹木などに比して良導体--つまり抵抗が小さくジュール熱は発生するとしても小さいため爆発的な現象とはならない>
いや、飛行機が落雷でへっこむ話がとんでもなく広がってしまった。