2014年2月7日金曜日

談合の「利点」を見直すべきだ。

なにか、談合って悪の権化のような言い方をする新聞がある。
 しかしなぁ、と思う。

 世の中、なんでもかんでも競争入札にすればいいってものじゃない。
 談合って、いわば、業者間の調整なのだ。
 そこに発注者側と業者との癒着がどうのこうの—となるというのだろう。

 でも。
 じゃ、競争入札に利点ばかりがあると思うのか。
 競争入札にすれば、一番力が強いものが仕事をとるか、一発バクチのような安値で仕事をとる—という業者も出現する。

 安いから、どうしても手を抜いてしまう。
 なかなか品質を維持できない。

 つまり、談合という名前の「業者間調整」も、一般競争入札も、一長一短なのだ。

 建設どか土木関係であれば、ある程度の業者間調整をしなければ、力のないところは、すぐに倒産してしまう。
 単に安値だけを強調すれば、かならず、それは品質として跳ね返ってくるのだ。

 結局、それは安かろう 、悪かろう となる。

 だから。
 談合という名前はともかくも、「業者間の調整」ということを、そのメリットをみて、見直すべきだ。
 その価値を認めてあげよ。
 一方的に「悪者扱い」するというのは、やめて頂きたい。


 以下、新聞から抜粋。

 官民癒着の典型である官製談合疑惑が、またもや浮上した。
 来春、長野-金沢間で部分開業する北陸新幹線の融雪設備工事をめぐって、 発注元の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が独占禁止法違反 (不当な取引制限)容疑で東京地検特捜部の捜索を受けた。
 機構が平成23年3月から24年11月にかけて発注した13件のうち、 10件は予定価格に対する落札額の割合を示す落札率が9割台で、うち5件は 99%を超えていた。
 特捜部は、予定価格が漏れていた可能性があると見て 官製談合防止法違反の適用も視野に入れているが、当然だ。徹底解明を求めたい。


▲補足、感想など

 この記事、嫌な記事だな。
 なにか、鬼の首をとったぞ—式の書き方だと思う。

 冒頭で触れた。
 官民が癒着したかどうか—は分からないが。
 以下のような利点があることに気づいてほしい。

 あ、冒頭でふれた。業者間で調整することで、いわば強い業者のみに集中することが避けられる。また、企業としても、コンスタントに仕事を継続することができる。

 い、競争入札という言葉から、いかにも公平な---という印象を受けるのかもしれない。
 しかし、発注者側からいえば、手間のかかる方法だ。価格が合わなければ、もう一度ということになろうし、資料も用意しなければならない。
 冒頭でふれたような「どこの馬の骨ともしれない業者」が、仕事をとっていくかもしれないのだ。
 そんな「うさんくさい業者」の仕事の質がどうなのか—見当もつかないではないか。

 筆者がふれたことを踏まえて、記事を読めば、そうせざるをえない—といことが分かるであろう。

 記事では、発注者側からすれば、時間があまりない。
 そこで、実績もある懇意な業者に、発注者側から工事の予定価格を教えて、その価格内で入札してくれ—と「暗黙の了解」の元で依頼したのだ。

 そうすれば、一度で工事の業者も決まるし、問題なく、仕事を発注できる。時間も短縮できるし、発注者側も随分と楽になる。

 これが、すべて「悪いこと」なのか。

 もう一度、話を整理してみよう。

 核心は、「競争入札」という手法がベストの方法なのか—ということだ。
 そこには、一長一短があるのだ。
 談合という名の「業者間調整」にも十分のメリットがあるのだ。

 談合を悪の権化のように言うのをやめよ。
 そこには、十分な利点がある。

 それは競争入札のメリットが勝つ場合もあろう。
 また、談合のメリットが勝つ場合も当然にある。

 仕事の内容によって、それぞれを使い分けるという方向に切り替えるべきだ。