2013年1月31日木曜日

日本は孤独の道を誇りをもって歩こう。


▲なにか、仰々しい表題となった。
 いや、そう思ったきっかけは、日本映画のシェアなのだ。

 洋画と邦画のシェアの比率を見ながら、あぁ、日本人はガラパゴスへの道を歩くことを覚悟したのだな—と納得した。

 筆者の勝手な思い込みかもしれない。

 これで連想するのは、1900年代になって日本からブラジルへ移民した人達のことだ
 ブラジル人にとって、日本人など胡散臭い東洋からの貧相な人達だった。
 その蔑視の中で、「我々日本人は、二千年にもなんなんとする日本文化の継承者であり、その体現者なのだ」という誇りを胸にして、黙々と密林を切り開き、農作物を植え、商品としてきた。
 現在、ブラジルでは日本人移民は別格扱いだ。

 他者(外国人達が)がどう思うと構わない。
 我々日本人は、長い歴史をもつ日本文化の正統な継承者であり、その体現者なのだ—と21世紀に入ってから、日本人は覚悟したのだな。

 孤立を恐れまい。他者から理解されないことを恐れまい。
 ガラパゴスこそ、日本人の選択した(せざるを得ない)道なのだ。

 以下、新聞から抜粋。

 国内の大手映画会社4社でつくる日本映画製作者連盟(映連)は30日、2012年の興行収入で、邦画のシェアが65・7%になったと発表した。
 シェアが6割を超えたのは、1969年以来。洋画にダブルスコアに近い大差をつけた。

 興行収入は約1952億円で、11年と比べて7・7%増と回復した。
 邦画は約1282億円で、現在の発表形式になった2000年以来最高を記録。
 洋画は約670億円で最低だった。

 興行収入50億円以上の大ヒット作でも明暗が分かれた。
 前年ゼロだった邦画は「BRAVE HEARTS 海猿」「テルマエ・ロマエ」など4本に。

 一方、前年3本だった洋画は「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」の1本だけだった。
 邦画と洋画を合わせたベスト10では、邦画が7本を占めた。


▲補足、感想など
 冒頭でふれたことと、記事の内容との間に、齟齬のようなものを感じるかもしれない。

 このブログで何度もふれた。
 日本は、21世紀に入った頃、明治維新をなしとげた伊藤博文が、大久保利通が望んでいた「欧米列強に肩を並べる」という夢を果し得た。
 別の言葉で言えば、「坂の上の雲」の「坂」を登り切ったのだ。

 昨年の邦画のシェアは60パーセントを越えた。
 それは日本映画のヒット作がとうとか、ハリウッドの映画の質がどうとか—あるのだろう。

 それを踏まえても、結局、根底にあるのは「日本人は日本人でしかない」という強烈な日本という国への帰属意識ではあるまいか。
 そのあたりが、邦画のシェアの2000年以降の推移に表われているのではないのか。(因みに2000年代の初め頃は、邦画のシェアは20-30パーセント程度しかない。それ以後毎年すこしづつ邦画に比率が高くなり現在に至っている)

 少し、筆者の言いたい核心がぼやけているようだ。要点を整理したい。

 19世紀後半、明治維新
   ↓
   ↓ 産業革命に100年遅れに気がついて、あわてて欧米列強の背中を見ながら追いかける
   ↓

 21世紀に入った頃

   ↓ 欧米列強に肩を並べる  ←明治の元勲達が望んでいた夢を果たす
   ↓
   ↓
 2013年 

     もう追いかけるべき「背中」がなくなった時点で、日本人は日本人でしかない--という認識、     覚悟を決めた
   ↓
   ↓
     日本人なりの「価値観」を最優先して判断し、行動する

 と、こんな感じではあるまいか。

 そこで。
 もう一度、日本人なりの「覚悟」を表現してみよう。

 日本人は他者から理解されなくとも、二千年近くにもなんなんとする日本文化の正統な継承者であり、体現者なのだ—。
 他者から孤立することを恐れまい。他者から理解されないことを不満に思うまい。