2013年1月7日月曜日

日系家電、インドでブランドの底力発輝。


▲さて、近代では日本とインドの関係は、先の大戦の「光機関」あたりからかな。(昔のことを言えば<天竺>だからなぁ。仏教での西方浄土だ)
 インド陸軍の創始者は、チャンドラ・ボースであろうが、日本の敗戦時、台灣で事故死している。
 インドはムガール帝国の末期から、英国の植民地となり、長い間、英国の統治下にあった。
 その軛(くびき)から脱する手助けをしたのが、上でふれた日本の「光機関」だ。
 う~ん、手助け--
 まぁ、日本人から大きな顔をして言うことでもないが----
 インドの独立運動をそっと後押しした—という感じかな。
 そんなことで、日本とインドとの間は、トラブルもなく、仲のいい方であろう。
 日本の家電が、インドでそのブランドへの信頼から元気なようだ。
 上でふれた日本とインドとの「歴史」が背景にあるのであろう。
 以下、新聞から抜粋。


 日本の家電メーカーは海外勢との競争にさらされ、業績不振が目立つ。
 しかし、インドでは日本の技術への信頼が厚く、サムスン電子やLGと 互角の戦いをしている。
 日本の家電メーカーはインドで、どんな戦略を 立てているのか。

 昨年12月、インド北部ハリヤナ州ジャジャールにパナソニックの新たな生産拠点 「パナソニック・テクノパーク」が完成した。
 エアコンや洗濯機を製造し、インド市場への 切り込みを図る。
 2012年度のインドでの売上高目標は2000億円だが、15年度には 5000億円を目指す。

 インドの白物家電市場は数年前まで韓国勢の“牙城”となっていたが、パナソニックは10年に 「インド・プロジェクト」を立ち上げ、現在はエアコンのシェアで15%まで上昇。
 業界トップで同19%のLG、サムスン電子、印ボルタスと肩を並べる「4強時代」に突入した。

 パナソニック・インドの白物家電部門長、o氏は 「韓国の商品にインド人はサービスや品質で不満を持っている場合もある。
 親日家が多いので、 日本の商品の方がブランドイメージがよく、値段が5~10%高くても売れる。
1台目は 韓国製を購入した人が多くても、2台目需要は取り込める」と話す。

 では、韓国勢の強みは何か。
 即断即決で投資を行い、広告宣伝に資金をどっさり投入する大胆さだ。
 パナソニックがとるべき道は市場を見て隙間を探すことだという。

 一例が美容関連商品市場だ。
 機器の一つはヘアドライヤーだが、この分野に韓国勢は進出しておらず、 インド市場の格好の攻めどころとなっている。
 この市場を取り込めば、将来、別の製品の 販路拡大につながるとみている。

 インドは人口12億を抱える大国だが、電化製品の普及率は洗濯機や冷蔵庫で20%、エアコンは2%だ。
 o氏は「戦いは、野球でいえば1回表が終わったくらいで、これからが収穫時だ」と展望を語った。

 ソニーは、テレビ市場でサムスン電子、LGとともにトップグループを形成。
 直近の半年間では販売シェアで25~30%を取り、単独1位を継続している。
 ソニー・インディアのマネージング・ダイレクターは 「インドにおけるソニーの液晶テレビのシェアは、世界でもトップレベル。
 インドは有望な 成長市場の一つ」という。
 トップシェアを支えてきたのは高い技術を保つブランド力。
 顧客の好みをソニー独自の技術で製品に取り込むことで 販売を支えてきた。
 同社は今年度、広告宣伝に55億ルピー(約86億円)を投資した。

 h氏は「当然、投資にあったリターンが要求されるが、それは大丈夫だと思っている。インドは育ち盛りの少年のような国で、よく食べてよく育つ」と話す。
 目指しているのは、若年層が多いこの国で、いったんソニー製品を購入した若者に将来も 選んでもらうという「インド庶民とともに育っていく戦略」だ。

 トップシェア争いを繰り広げているノートパソコン市場でも同様で、h氏は「値段で勝負しない。単なる機能だけでもなく、所有する喜びを感じてもらう ブランド戦略を実践していく」と強調した。
 ただ、ソニーの技術を「付加価値」として評価してもらうのは容易でない。

 h氏は 「音楽をいい音で聞きたい、画像ならきれいな方がいいということは分かってもらえるが、 その価値を対価として支払ってもらえるかどうか。それはソニーブランドを掲げるわれわれの 永遠の課題だ」と話した。
 ソニーは今後、技術とブランド力を武器に、いわば「本丸」であるスマートフォン市場で販売を強化し、サムスン電子に戦いを挑むという。
 新興国インドでの商戦は激しさを増すばかりだ。


▲補足、感想など
 パナソニックがインドで家電を---か。
 これはなぁ、と思う。
 もう、値段がどうこう—ということではないのだ。
 核心は、今まで最先端だ—と思っていたものが、すべて「家電化」した--ということであろう。
 家電とは、冷蔵庫であり、扇風機であり、炊飯器、洗濯機のような類のものだ。
 日本でいえば、昭和30年代-40年代に普及し、もう「手垢」にまみれたような機器のことだ。
 対して、ここ数年前まではpcとか、液晶とか、オーディオとかがいわば「最先端」のような「顔」をしていて、世界へ売り込もう—とパナソニックなども考えていたのだ。--そう言えば、液晶ではない、プラズマとかいう機種に随分、こだわっていたなぁ---
 こういう「最先端」だと感じていた機器が、中国・韓国などの追い上げもあって、上でふれたようにあっという間に「ごってりと手垢にまみれた家電」となってしまった—ということなのだな。
 昭和40年代末頃に、「もはや技術なし」という本が上梓されたことがある。
 この伝でいけば、「もはや、最先端技術なし」--とでも言えばいいのか。(う~ん、なにか、ことばとしてはアレだが、要は技術的な踊り場状態に達したということ。昭和50年代にもこんなことがあった--それが「もはや、技術なし」--という本の出版と前後する--しかし、やがてビデオというものが出現して、一変する)
 これからは、液晶tvなども含めた「手垢にまみれた家電」をマイナーチェンジしながら、世界で売る—という時代に突入していくということであろう。
 その代表的な例が記事にある「パナソニック・テクノパーク」--というものであろう。