▲さて、近代では日本とインドの関係は、先の大戦の「光機関」あたりからかな。(昔のことを言えば<天竺>だからなぁ。仏教での西方浄土だ)
インド陸軍の創始者は、チャンドラ・ボースであろうが、日本の敗戦時、台灣で事故死している。
インドはムガール帝国の末期から、英国の植民地となり、長い間、英国の統治下にあった。
その軛(くびき)から脱する手助けをしたのが、上でふれた日本の「光機関」だ。
う~ん、手助け--。
まぁ、日本人から大きな顔をして言うことでもないが----。
インドの独立運動をそっと後押しした—という感じかな。
そんなことで、日本とインドとの間は、トラブルもなく、仲のいい方であろう。
日本の家電が、インドでそのブランドへの信頼から元気なようだ。
上でふれた日本とインドとの「歴史」が背景にあるのであろう。
以下、新聞から抜粋。
日本の家電メーカーは海外勢との競争にさらされ、業績不振が目立つ。
しかし、インドでは日本の技術への信頼が厚く、サムスン電子やLGと
互角の戦いをしている。
日本の家電メーカーはインドで、どんな戦略を
立てているのか。
昨年12月、インド北部ハリヤナ州ジャジャールにパナソニックの新たな生産拠点
「パナソニック・テクノパーク」が完成した。
エアコンや洗濯機を製造し、インド市場への
切り込みを図る。
2012年度のインドでの売上高目標は2000億円だが、15年度には
5000億円を目指す。
インドの白物家電市場は数年前まで韓国勢の“牙城”となっていたが、パナソニックは10年に
「インド・プロジェクト」を立ち上げ、現在はエアコンのシェアで15%まで上昇。
業界トップで同19%のLG、サムスン電子、印ボルタスと肩を並べる「4強時代」に突入した。
パナソニック・インドの白物家電部門長、o氏は
「韓国の商品にインド人はサービスや品質で不満を持っている場合もある。
親日家が多いので、
日本の商品の方がブランドイメージがよく、値段が5~10%高くても売れる。
1台目は
韓国製を購入した人が多くても、2台目需要は取り込める」と話す。
では、韓国勢の強みは何か。
即断即決で投資を行い、広告宣伝に資金をどっさり投入する大胆さだ。
パナソニックがとるべき道は市場を見て隙間を探すことだという。
一例が美容関連商品市場だ。
機器の一つはヘアドライヤーだが、この分野に韓国勢は進出しておらず、
インド市場の格好の攻めどころとなっている。
この市場を取り込めば、将来、別の製品の
販路拡大につながるとみている。
インドは人口12億を抱える大国だが、電化製品の普及率は洗濯機や冷蔵庫で20%、エアコンは2%だ。
o氏は「戦いは、野球でいえば1回表が終わったくらいで、これからが収穫時だ」と展望を語った。
ソニーは、テレビ市場でサムスン電子、LGとともにトップグループを形成。
直近の半年間では販売シェアで25~30%を取り、単独1位を継続している。
ソニー・インディアのマネージング・ダイレクターは
「インドにおけるソニーの液晶テレビのシェアは、世界でもトップレベル。
インドは有望な
成長市場の一つ」という。
トップシェアを支えてきたのは高い技術を保つブランド力。
顧客の好みをソニー独自の技術で製品に取り込むことで
販売を支えてきた。
同社は今年度、広告宣伝に55億ルピー(約86億円)を投資した。
h氏は「当然、投資にあったリターンが要求されるが、それは大丈夫だと思っている。インドは育ち盛りの少年のような国で、よく食べてよく育つ」と話す。
目指しているのは、若年層が多いこの国で、いったんソニー製品を購入した若者に将来も
選んでもらうという「インド庶民とともに育っていく戦略」だ。
トップシェア争いを繰り広げているノートパソコン市場でも同様で、h氏は「値段で勝負しない。単なる機能だけでもなく、所有する喜びを感じてもらう
ブランド戦略を実践していく」と強調した。
ただ、ソニーの技術を「付加価値」として評価してもらうのは容易でない。
h氏は
「音楽をいい音で聞きたい、画像ならきれいな方がいいということは分かってもらえるが、
その価値を対価として支払ってもらえるかどうか。それはソニーブランドを掲げるわれわれの
永遠の課題だ」と話した。
ソニーは今後、技術とブランド力を武器に、いわば「本丸」であるスマートフォン市場で販売を強化し、サムスン電子に戦いを挑むという。
新興国インドでの商戦は激しさを増すばかりだ。
▲補足、感想など
パナソニックがインドで家電を---か。
これはなぁ、と思う。
もう、値段がどうこう—ということではないのだ。
核心は、今まで最先端だ—と思っていたものが、すべて「家電化」した--ということであろう。
家電とは、冷蔵庫であり、扇風機であり、炊飯器、洗濯機のような類のものだ。
日本でいえば、昭和30年代-40年代に普及し、もう「手垢」にまみれたような機器のことだ。
対して、ここ数年前まではpcとか、液晶とか、オーディオとかがいわば「最先端」のような「顔」をしていて、世界へ売り込もう—とパナソニックなども考えていたのだ。--そう言えば、液晶ではない、プラズマとかいう機種に随分、こだわっていたなぁ---
こういう「最先端」だと感じていた機器が、中国・韓国などの追い上げもあって、上でふれたようにあっという間に「ごってりと手垢にまみれた家電」となってしまった—ということなのだな。
昭和40年代末頃に、「もはや技術なし」という本が上梓されたことがある。
この伝でいけば、「もはや、最先端技術なし」--とでも言えばいいのか。(う~ん、なにか、ことばとしてはアレだが、要は技術的な踊り場状態に達したということ。昭和50年代にもこんなことがあった--それが「もはや、技術なし」--という本の出版と前後する--しかし、やがてビデオというものが出現して、一変する)
これからは、液晶tvなども含めた「手垢にまみれた家電」をマイナーチェンジしながら、世界で売る—という時代に突入していくということであろう。
その代表的な例が記事にある「パナソニック・テクノパーク」--というものであろう。