▲アベノミクスが海外から批判されている。
しかしなぁ。
これは一方的に批判される理由はあるまい。
なぜ、日本だけが”円高状態”まま放置しておかなければならないのか。
このあたり、麻生財務相が、「外国からとやかく言われる筋合いはない」--と発言したとおりだ。
円が一ドル=100円ぐらいまでは、許容されるべきであろう。
以下、新聞から抜粋。
大規模な金融緩和と財政政策を組み合わせる安倍晋三首相の政策「アベノミクス」が
急速な円安を誘導しているとして、海外から不満の声が出始めた。
日本側は「行き過ぎた円高の修正局面」との立場だが、自国通貨を弱め輸出産業を支援する「通貨安競争」との受け止めが広がれば、国際的批判が強まる恐れもある。
ドイツのショイブレ財務相は、安倍政権下での金融緩和が国際金融市場に過剰な通貨供給をもたらすとして、「非常に懸念している」と言及。
同国では、安倍首相が日銀に公然と緩和圧力をかけていることへの批判的論調が目立っている。
さらにゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手3社で構成するロビー団体の米自動車政策会議のブラント会長は、安倍政権の通貨政策について
「貿易相手国を犠牲にして自国の成長を図る『近隣窮乏化政策』で受け入れられない」と非難する声明を発表。
対抗措置をオバマ米政権に要請した。
ロシア中央銀行第1副総裁も「世界各国が日本に追随し、分断の道に向かいつつある」と述べ、日本を批判。
2月に予定
される主要20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議で、日本への圧力が高まる可能性もありそうだ。
▲補足、感想など
自国の通貨を安くして、近隣諸国からの輸出分を奪う。--近隣窮乏化-とはその通りだろう。
だから。
それぞれの国がどの程度まで「安く」するか—という国際間の調整の問題だろうな。
ただ、日本には「錦の御旗」がある。
それは、東日本大震災の「復興事業」だ。
このためには、毎年△△兆円の費用がかかる。そして、それはgdpの数字をそのまま押し上げるのだ。
それによって通貨の供給量も増えるし、自然と円安にならざるをえない。
ましてや、もう10年先にあるコンクリートの耐用年数を考えると、国土強靭化という問題も、同時並行的に行わざるえない。(先日のなんとかトンネル事故など、その典型例であろう)
つまり、恣意的に「円安」にしているのではなく、自動的に「円安」となるのだ。
今の「円安」傾向は、上でふれた事業の「将来を先取り」した数字だといえよう。
いずれにせよ、日本は海外からの批判に対して、「東日本大震災からの復興」を前面に立てて、1ドル=100円ぐらいまでの「円安」を勝ち取るべきであろう。