▲そうだな。
昔々のことだ。昭和40年代だったかな。
11人しかいないド田舎の高校野球部で、ある日、新任の監督がきていった。
「お前たち、甲子園に行きたくないか」--と。
全体で11人しかいないのだ。野球って最低9人必要だ。
で。
毎日、毎日、ランニングと守備、打撃の練習を始めた。--なにか、素手でボール(硬球)を取らせた--てな話も聞いたな。
そして、実際に甲子園に出てきたのだ。四国のi高校として---。
日本人は、こういう風にして「動く」。日本人は、こういうところに価値を見出す。
ズルをして勝って--なにが面白い。なにが楽しい?
以下、新聞から抜粋。
日本のメダリストを対象にしたドーピングに関する調査で、選手がドーピングをしない理由として、「武士道」の精神を挙げている。
世界でドーピングが後を絶たないなか、日本はオリンピックで1人も違反者を出していません。
こうしたなか、早稲田大学大学院の研究グループは、ロンドンオリンピックまでの3大会の日本のメダリスト男女6人ずつから調査を行いました。
結果、「ドーピングをしない理由」について、メダリストが親や指導者から「ズルはしない」や「勝ち負けより一生懸命に頑張ることが大事」と教えを受けた。
また、「根底に武士道のような信念を持っている」といった回答も多く、「武士道」につながる日本のフェアプレーの精神が要因になっている。
研究グループは、「古来からの武士道の精神が生きているという興味深い結果だった。2020年東京大会に向けて、反ドーピング教育の重要性を世界に広めていくための基礎的な研究になると思う」と。
▲補足、感想など
昔、日本の雑誌社でマンガを担当している編集者達の記事があった。
その中で、編集者達が語っている言葉が印象に残る。
曰く、日本のマンガの核の部分は、「正義」と「✕✕(忘れてしまったが、信義と言ったのかな)」なのだ—と。
この部分を外してしまうと、日本ではヒットしないのだ—と。
だから。
どんな表面的には、いいかげんなマンガであろうと、「正義」という芯の部分を外していないのだ。
実は、日本人はこのようにして「育つ」のだ。こういうマンガを見ながら「育つ」のだ。
<今、世界へマンガなどが輸出されている。それは、「日本人のもっている価値観」を世界へ輸出していることと同じだ>
もう一度大切なことを繰り返したい。
ズルして勝って、なにが面白いか、なにが楽しいか?
甲子園で優勝したとき、優勝校の選手達が指し示す「1番」の意味は、「オレたちは、一番練習したのだ、一番努力したのだ」--という意味であろう。