2017年6月20日火曜日

深層学習より高い予測性能を実現


どこに核心があるか---というと、人口知能の進歩というものが、通常人が予測している以上に「速い」ということだ。
 これは、人間の単純労働というものがなくなるのは、30年とは言わないかもしれないなぁ。
 まず、グーグル傘下のデープマインドの記事から抜粋。

 米グーグル傘下の英ディープマインドは、多段階の反応や行動を解く「自動計画」と、さまざまな手法の中から良い手法を見つけさせる「強化学習」を融合した新しい人工知能(AI)技術「PREDICTRON」(プレディクトロン)を開発した。
 AIが学習しながら長めの計画を立てられる。

 簡易化したビリヤードでは従来の約3倍となる50回中、27回でボールをポケットに落とすなど、既存の深層学習を使う手法より高い予測性能を実現した。
 プレディクトロンでは、自動計画と強化学習を融合し、多段階の各段階で報酬を与えて最適な手法をみつけさせつつ、報酬を累積させるなどして学習が破綻しないようにした。

 簡易型ビリヤードで性能を検証。
 四つのボールをランダムに配置し、その中の白玉を転がして他のボールをコーナーに落とす。 
 ボールを転がす角度や速度によって壁や別のボールにどう跳ね返り、ボールが転がるかAIに予測させる。
 その結果、50回中27回でコーナーに落とせた。従来技術では10回だった。

 従来のAIでは連続的な問題を解く際に、1段階での学習を繰り返していたため、全体としての成功率が上がりづらかった。プレディクトロンでは、多段階で長めの計画を立てられるようになった

補足、感想など

 もう、一度、「もっと早く人口知能が人間の仕事を奪うかも」という記事を転記しよう。

 --ここから--
2017/06/01()
 トランプ政権下のスティーヴン・マヌーチン米財務長官は、人工知能(AI)が職を奪うのは「50100年先の話」だと語った。
 しかし、専門家は大きな危機感をもっている。

 「もっと早くAIが人間の仕事を奪う可能性がある」と見通す予測の内容と、いま「機械との競争」について本当に考えなければならないこととは。

 「人工知能(AI)が職を奪うという意見がありますが、現状はそこからかけ離れており、わたしのレーダーには映ってさえいません。50100年先の話だと思います」。
 20173月、スティーヴン・マヌーチン米財務長官は聴衆を前にこう語った。
 よかった!一安心だ! トランプ米大統領も、今後数年で自律走行トラックが何千万人もの運転手にとって代わることはないと確信しつつ、冒頭の写真のように大型トラックに乗り込むことができそうだ──。

 だが、マヌーチン財務長官は間違っている。
 それも「超」がつくほど大きな見当違いをしている。
 AIは、人々の職を奪うだけでない。AIが奪おうとしているのは、古いタイプのオートメーションによってすでに多くが奪われたあとに残った、数少ない貴重な仕事でもあるのだ。
 技術者や経済学者はこれを知っている。

 ロボットやコンピューターのせいで失業した人も知っている。知らないのは、ホワイトハウスにいる人々だけである。
 赤いランプはすでに点灯している

 ビジネスとテクノロジーの変化に関する専門家で、創設者であるアンドリュー・マカフィーはこう語る。「マヌーチン財務長官の発言は、今後50100年の間にコンピューターが経済に何ら影響を及ぼさないと言っているのに等しい。業界でそんなことを信じている人に、わたしは会ったことがありません」

 マカフィーは20173月、MITの一室に、AI・オートメーションと雇用に関する専門家140人を集めた会議を開催。
 そして参加者に対して、マヌーチン財務長官が問われたのと同じ質問をした。
  「すべての仕事をロボットが行うようになるのはいつか?」という質問だ。
 別の言い方にすれば、「どれくらいの危機感をもっているか?」という問いになる。

 専門家たちのレーダーには、赤いランプがすでに点灯している。
 この会議には、エンジニアや科学者のほかに、トヨタやIBMのような企業の代表者、ワシントンから追い出された政治家らが参加していた。

 彼らは、2032年までに道路を走るトラックの半分は人間の運転手を必要としなくなるだろう、という結論を出した。
 現在のトラック業界の規模で考えると、オートメーションへの移行により、今後15年のうちに175万人が職を失う計算になる。
 しかも、これはひとつの業種に過ぎない。

 会場内には、オートメーションは近いうちに、医療記録を分析する仕事で人間に代わるようになるという意見もあった。
 専門家たちは、2026年までに、そうした仕事のほとんどを機械が行うようになると見積もっている。 さらに、2036年までにロボットがほとんどの外科手術を行うようになると予測する専門家は半分近くに上った。

 また、2028年には航空管制業務の95パーセントはロボットが処理するだろう。
 2036年には米国内にある工場のほとんどは20人以下の作業員で稼動するようになる。
 2034年までには、「Fortune 500」の企業で経営業務を担当するのは、人間よりロボットのほうが多くなるという。

--ここまで--

 なにか、上の記事は「人工知能」を恐れたような言い方となっているな。
 そもそも、仕事がなくなる訳がないではないか。
 ただ、従来の仕事の形ではなくなるだけだ。

 人間が、世間で求められる業種へ移行していくだけだ。
 当然、単純作業は少なくなるだろう。でも、人間でなければならないものへ移っていくだけだ。