2017年6月3日土曜日

日本ワインの農園拡大

日本ワインという呼び名にも意味があるのだとか。
 まぁ、純国産ワインと解すれば当たっているようだ。
 日本ワインであれば、高めに価格を設定できる—ということだし、メイドインジャパンということで信頼性も高いことで消費も伸びている。
 で。
 ワインの元であるブドウ園も拡大しているというのが、表題の意味だ。

 以下、新聞から抜粋。

 大手酒類メーカーが国産ブドウのみを使って作る「日本ワイン」の原料確保を急いでいる。
 メルシャンやアサヒビールはブドウの農園を広げ、サントリーワインインターナショナルは収穫量を増やす。
 需要が伸びている日本ワイン用のブドウ栽培を増やし、ワイン人口の裾野を広げる。

 日本ワインとは原料に国産ブドウを100%使い、国内で醸造したワイン。
 輸入ブドウ果汁を使って国内で醸造する「国産ワイン」とは異なる。

 メルシャンは2027年までに、自社で運営するブドウ農園を現在の2倍以上の60万平方メートルに広げる。
 4月下旬には、長野県塩尻市内で9万平方メートルの農園を開いた。
 赤ワイン用の品種「メルロー」や「カベルネソーヴィニヨン」を植える。

 ワインの生産では、同じ地域で育てたブドウを85%以上を使えば産地名をブランドに冠することができる。
 日本ワインをうたえば日本料理に合うというイメージを打ち出せるほか、希少性や物語性を訴えてブランド価値を高めることができる。
 メルシャンは25年ごろに塩尻の農園のブドウを原料にした日本ワインを発売する。
 「畑の名称を冠したワインを有力ブランドに育てる」 (代野照幸社長)と意気込む。

 アサヒビールは農園の規模を5倍に広げる。
 年内にも、北海道で広さ4万平方メートルの土地を確保する。
 北海道では、赤ワイン用の品種「ピノ・ノワール」や白ワイン用の 「シャルドネ」の栽培を検討している。
 同社として初めて北海道で栽培したブドウを使う日本ワインを4年後にも発売する。

 サントリーワインインターナショナルは山梨県内にある農園で、日本固有のブドウ品種である 「甲州」の収穫量を22年に現在の5倍に増やす。
 他の品種からの植え替えで収穫増につなげる。

 若者のビール離れなどで酒類市場全体は低迷するが、ワイン市場は拡大が続いている。
 16年の国内のワイン消費量は推定で約38万キロリットルと8年連続で増えたもようだ。
 ビール類の消費量(約500万キロリットル)には及ばないが、清酒の約7割の水準に達する。

 最近はワインの風味にこだわる消費者が増え、日本ワインへの関心が高まっている。
 中心の価格帯は1500円程度と輸入品より高いが、生産量は年間2万キロリットル弱まで伸びている。
 それでも国内のワイン消費に占める比率は5%にとどまり、日本メーカーとしては需要開拓の余地が大きい。
 国内でワイン製造免許を持つ事業所は15年時点て367ヵ所と14年に比べ23ヵ所増えている。
 大手酒類メーカーが生産を強化することで、市場拡大につながりそうだ。

補足、感想など

 なるほど、ビールは伸び悩んでいるが、日本ワインの拡大余地は充分にあるということなのだな。
 ビールメーカーは、こぞって日本ワインの世界へ挑戦してくる可能性は高いなぁ。

 すると、全国あちこちにブドウ園が広がってくるということか。

 なお、中国の新聞でこの日本ワインを取り上げていたので、ご紹介したい。

 --ここから--

 2016/05/17()
 中国メディアは、中国のワイン業界について「日本から学ぶべきだ」とする記事を掲載。
 中国にも「長城ワイン」などワインブランドは存在するが、 全国民を巻き込むような「ワイン熱」には至っていないことが「悩みの種」のようだ。
 記事は「日本人のワインづくりに関しては賞賛せざるを得ないと思っている」としたうえで、 日本のワイン業界が国産100%のブドウを使った「日本ワイン」によって自国の消費者に喜ばれているほか、 その価値が世界レベルに肩を並べることさえもあると説明

 また、日本国民の自国産ワインに対する情熱の高さも加わり「正直、羨ましいし嫉妬も覚える。
わが国ではいつになったら国産ワインが国民の心の中に入り込めるのか」とした。
 そのうえで、日本のワイン製造から中国のワイン業界が学ぶべきことについて紹介。
 まずは、1970年代より真剣に西洋のワイン製造技術を学び、病害虫に強い品種の生育に力を入れることで、 国産ワインのレベルを高める努力をしてきたことを挙げた。

 また、ポリフェノールなどの成分から健康志向を大々的に打ち出し、日本の消費市場におけるニーズを掘り起こした点についても言及した。
 さらに、ソムリエブームなどワイン本体のみならず、その周辺文化についても積極的に宣伝・普及を進めてきたこと。
 「甲州ワイン」に代表されるような「日本のワインブランド」を作り上げたこと。
 地方自治体によるワイン産業振興への努力。
 山梨県をはじめ、ワイナリー見学などワインにまつわる観光資源を開発したこと――を「中国ワイン業界の学ぶべき点」として列挙。

 北方の「白酒」、南方の「黄酒」など、中国伝統の酒文化が存在するなかで「外来種」であるワインを「国民酒」に昇華させるためには、さまざまな努力が必要となる。
 品質の高いワインを製造するための研究もさることながら、記事が指摘するように文化や健康、観光資源など、ワインに関連する様々な事柄にスポットを当て、 消費者の興味や関心を呼び起こす試みを進めなければならない。

 --ここまで--