2021年6月1日火曜日

高橋洋一さんが、コロナ騒動も後1月ほどだと公表

 

コロナ騒動って、誰も彼もが「知ったかぶり」「当てずっぽう」でものいう。唯一、高橋さんだけは、合理的な根拠をもって説明することができる。それを机上の空論だと批判できないことはない。しかし、「知ったかぶり」「当てずっぽう」で物言うより、遥かに信頼度が高いであろう。高橋さんのギフテッドぶりというものが遺憾なく発揮された場面だろうな。まず、記事から抜粋。

★髙橋 洋一経済学者嘉悦大学教授

まず私事にわたることだが、1週間前の524日内閣官房参与を辞した。関係各位にご迷惑をおかけしお詫びしたい。その経緯は、筆者のYouTubeをご覧いただきたい。辞めた理由は、家族にも「表現が下品」と言われたことであるが、政治家でもない筆者のために国会での審議が進まないというのもある。特に、内閣委員会で、法案審議拒否の理由になっているというのは、筆者としては納得しがたかった。筆者の問題との因果関係はわからないが、内閣委員会では、重要な法案が進んでいない。正式名称は、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案」といい、要するに、自衛隊などの基地のまわりについて、外国人の土地購入について、一定の規制をするものだ。このような規制は外国では当然であるが、なぜか日本では整備されていなかった。この問題について、筆者は何度も指摘したことがあるので、もし万が一筆者が妨げになることも絶対にあってはならない。実際の国会審議は、一部野党はサボりたいだけで、審議ない口実は何でもいいのだろう。その一例としては、筆者が問題提起している憲法改正でも憲法審査会の議論は一向に進んでいないことが挙げられる。さて、2ヵ月先の東京五輪について、中止への動きが政治問題化している。結果として筆者もそれに巻き込まれた形だが、その政治的な議論はさておき、そのときの新型コロナの感染状況はどうなっているのかを考えてみたい。

まず、ワクチンの接種状況と新型コロナの感染状況の関係を見てみよう。G7諸国でみると、ワクチン接種の一定期間後、新型コロナの感染は確実に抑制されている。カナダ、フランス、ドイツは、100人当たりのワクチン接種が24回程度になると、新型コロナの新規感染率(人口比)がピークとなり、それ以降減少傾向に転じている。

✦あと約1ヵ月でピークアウト:イタリアでは12回程度から減少している。これらの国では、ワクチン接種直後に一度ピークが来ているが、その後再び波が来たために、ワクチン接種が一定以上になって再びピークアウトしている。イギリスとアメリカではワクチン接種の直後から減少しているが、これは波がなかったからだろう。いずれにしても、こうしたG7諸国の例でみると、遅くとも24回程度、早ければ直後から減少になると思われる。日本は、ワクチン接種直後に一度ピークになっている。再び波が来るとしても、遅くてもワクチン接種が24回程度でピークアウトするだろう。527日現在で、ワクチン接種回数は100人当たり8.8回だ。1日で60万人ペースでワクチン接種が行われれば、24回まではあと約1ヵ月である。なお、この60万人ペースは、海外の事例から見れば、かなり控えめだ。実際にワクチン接種では、習熟度等がまずので、ワクチン接種回収は、初めのうちは加速度がついて増加し、そのうちに鈍化していく。日本の60万人ペースはそうした海外から事例から見れば控えめだ。これは下図をみれば日本の予測の傾きが海外と比較しても小さいことからいえる。いずれにしても、日本のケースに当てはめれば、このまま新たな波がこないと、今の減少傾向が続くだろう。もしもう一回波が来ても、遅くともあと1ヵ月以内でピークアウトするだろう。

それでは、2ヵ月後はどうか。そのときには、日本では100人当たりのワクチン接種回数は40回程度になっているとしていいだろう。G7諸国の場合、新たな波が来ないと、40回接種時の新規感染率は当初ピークの7590%減程度になる。新たな波が来ても2550%減程度だ。

✦ピークの波も小さくなる:これを単純に日本に当てはめると、直近ピーク時は510日前後の100万人あたり50人程度(全国で6000人程度)であるので、新たな波が来ないと、100万人当たり512人程度(全国で6001500人程度)になるだろう。もし新たな波が来ても、100万人当たり2538人程度(全国で30004500人程度)だろう。新たな波が来ないと劇的な改善になり、もし新たな波が来ても、いったんは悪化するが、2ヵ月後には、今より悪くなるようなことはなくなっているだろう。これらの状況を示したのが下図(※文末に掲示)だ。もともと日本の感染状況は欧米に比べて少ないが、ワクチンが浸透するとさらに、波は小さくなる。予測1はあと一回波が来るとの前提で、予測2はもう波が来ないとの前提である。もう一回波が来ても、ワクチンの効果で波が消される可能性が高いと思う。こうした予測経済の常であるが、感染力が高いといわれる新株が急速に日本で拡大したらどうなるかであるが、この計算の前提になっているのは欧米の状況であり、新株が欧米でもあることを考えると、日本だけが特別の状況にならないかぎり、新株はある程度計算前提に織り込まれていると考えていいだろう。先の24日、米国務省は日本に対する渡航警戒レベルを4段階で最も厳しいレベル4に引き上げた。これがまたセンセーショナルに日本のマスコミで取り上げられた。米国の基準はかなり形式的であり、過去28日間の新規感染者数で、10万人当たり100人を超える状態が継続すると最も厳しいレベル4となるが、日本はそれに該当したが、米国や欧州連合(EU)など約150カ国が該当しているので、日本だけが適用になっているわけではない。

✦豊洲市場報道と被って見える:そうしたことが報道されないのに、マスコミは危険を煽りすぎだ。ちなみに、上記試算では、2ヵ月後には日本への渡航警戒レベルも解除されてるだろう。いずれにしても、この試算の程度までに、仮に新規感染者の数は改善が少なくても、重症患者の数はかなり減少するだろう。その意味で、医療崩壊は考えにくい状況だろう。なお、こうした試算について、政治的な意図はまったくない。政治的に五輪反対はどこの国でもあるので、新型コロナがあってもなくても行われるものだ。ただし、今回の日本では、新型コロナを一部マスコミが煽ることと、五輪反対の政治的な動きが連動しているように、筆者には見える。政治記者も、政局があるかもしれないので、煽っている。そのターゲットは、東京都の小池都知事でもある。まるで豊洲の再来を小池都知事に期待しているかのようだ。豊洲問題は確かに政治問題化させた。しかし、実際にはどうだったのか。小池都知事は、共産党の策略にのって、地下水、豊洲市場の地下ピット、豊洲市場の構造が危険などなどいろいろとテレビワイドショーに問題提供したが、実際には何も問題はおきていない。筆者には、東京五輪の話が「豊洲市場問題」とかなりダブってしまう。マスコミ報道の煽り方は似ているが、政治的には東京五輪の反対は一部野党のみであり、小池都知事は今のところ冷静なところが違う。はたして、一部の政治記者が期待するような政局になるのだろうか。

今これだけの物言いができるのは、日本で唯一高橋さんだけだろう。後一月という具体的な数字が出てきたことに、なによりの価値があるということだろう。商業地の店舗の営業・観光地のホテル店舗とか、地方への旅行とか、飛行機・クルーズ船の運航とか、例えば、音楽会の予定を入れることができるようになる。いよいよ一斉に「コロナ後」に向かって世間が動きだしたということだ。有り難いことだと思う。

文中の図を以下に掲示する