2013年12月2日月曜日

日本は、世界一、無駄に学歴の高い国—だとか。

▲まぁ、そうかもしれないな。

 でも、と思う。
 これこそが、日本という国の「秘密」、「特徴」なのだ。
 これこそが、日本経済の「秘密」なのだと思う。

 このことが、日本という国に沸き立つような活性を与えている原因なのだ。
 西欧諸国と比べて、階級社会が形成されない理由だ。

 日本でなら、例え、こじきをやっても、「手の出し方」に、頭の下げ方・下げるタイミングに「工夫を」してみようとする人間がでてくるのは上のようなことが理由だ。

 以下、新聞から抜粋。

 OECDの発表によると、日本人は仕事で必要とされる学歴よりも自分の学歴が高いという人が3割にのぼり、 OECDの平均値を上回る。
 高学歴でも職場で求められる能力と直結しないのは不幸だ。
 「一流大学卒」が低年収にあえいでいる事例も散見される。

 OECDの「国際成人力調査」で、日本人の全体回答者のうち8割にあたる人がこの項目の調査対象となり、 仕事に必要な学歴より自分の学歴のほうが高い「オーバークオリフィケーション」の人が31.1%に達した。
 この数字は23か国・地域の中で最も高い。
 日本に続くのは英国の30.2%、韓国21.2%、米国19.7%だった。

 なぜこのようなことが起きているのか。
 労働政策研究・研修機構統括研究員の説明を引用。
 日本では就職後に仕事を覚えるのが一般的で、企業は潜在力を求めるためオーバークオリフィケーションの人が多くなるというわけだ。

 一方で就職のシステムから漏れると、それなりの能力があっても発揮する場が与えられない社会構造だとも指摘する。
 学んだ知識を仕事に活用できないのは確かに損失だろう。
 逆に、業務内容で求められているスキルが、大学や大学院で身に着けたものと必ずしも一致しないのも問題だ。
 アンケートで、「学歴と仕事は関係あると思うか」と質問したところ 「はい」と答えた割合は37.8%にとどまった
。「いいえ」とした6割以上の理由を読むと、オーバークオリフィケーションの問題が浮かび上がってくる。
 例えば高学歴でも「組織で足を引っ張っているような例を知っている」 また、仕事ができる先輩よりダメな自分の方が学歴だけは上だと落ち込む人もいる。

 「勉強した分野と全く違う職種に就くこともある」と、ミスマッチも起きている。
 仕事の実務面で重要だとされる「要領と人あたりの良さ」「お金を稼ぐセンス」は、学歴とは別物という指摘も見られた。

 高学歴を仕事に生かせない――そんな人たちを特集。
 名だたる名門校を卒業しながらも低収入にあえぐ35歳以上の人たちを取り上げたのだ。

 東大卒業後、ニートで過ごし、現在はシステム会社勤務で年収280万円の男性、 京大大学院を出て国家公務員になりながら、「女湯のぞき」の疑いで現行犯逮捕、いまはバイト生活というエピソードもある。
 一方で、上司のパワハラに耐えられずに会社を辞め「人生がおかしくなった」という早大卒の男性。

 現在はビル管理会社だという。
 別の早大卒の男性は、鉄道会社子会社に入ったものの「連続労働」を強制され、「早稲田出てるのに使えねぇな」といじめられてうつ病になったそうだ。

 資格を得て独立を目指す人の場合は知力を生かせるだろうが、独立して自力で稼ぐまでには時間がかかる。
 一度就職システムから外れた人は、その後に能力を発揮する場が与えられないという厳しい現実が、重くのしかかってくる。


▲補足、感想など

 う~ん、と思う。
 核心はなにか。

 大学とは、職業訓練校ではない—という当たり前のことを言っているだけだ。
 教養とは、人生を要領良く生きるためのノウハウではない—という当たり前のことがあからさまになっただけだ。

 なにか、困難な問題にぶっつかったとき、その問題をどう克服していくか—その思考方法を学び訓練したものであろう。
 それこそが、大学の教育というものではないのか。

 大学でなにを学んだということと、職業での内容が結びつかない—なんて、しょっちゅうあることだ。
 そこに「地頭の良さ」というものが問われる。

 そんなミスマッチが、日本では新たな職業、業種を生んでいくのだ。
 フィギュアの造形師なんて、学校での学んだこととは直接関係があるまい。

 でも、2次元のものを3次元の形にしたい—という夢が・欲望が、形をつくり、新たな職業となっていくのだ。

 いや、もっとはっきり言えば。
 学校でなにを学んだというとと、なにを職業とするか—なんて、ミスマッチが当たり前ではないか。
 そのミスマッチの中で苦闘していくことで、上でふれたような造形師などという新しい職業を生み出し、新たな産業が出来上がるのだ。それが日本という国に活性を与えているのだ。

 えっ。
 自分の学歴と職業の中身が合わないって。自分の能力を発揮できないって。

 ふん。
 馬鹿馬鹿しい。そんな当たり前のこと、今更、言うようなことか。
 だからこそ。面白いのじゃないか。