2014年7月13日日曜日

中国の不動産バブル崩壊  その1。

崩壊までのカウントダウンが始まったようだ。
 なにか、日本で人工衛星を打ち上げるときのワクワク感(いや、失礼な話ではあるが--)があるなぁ。
 いや、なにって、中国でのバブル崩壊の兆候がより顕著となったという話だ。

 バブル崩壊は、ソフトランディングということはありえない。
 どのような形になるかは分からないが、ハードランディングであることには間違いない。

 2008年夏のようなリーマン・ショックに類似したものになるのだろうな。いや、アメリカと中国とを単純に比較はできないのだが。
 それでも、gnp の比較で3分の1だ。

 崩壊が決定的になれば。
 当然、日本の円は、円高に振れるし、株価も下がるだろう--

 以下、新聞から抜粋。

 中国の不動産バブル限界へ 収益率が預金金利下回る

 中国の中国人民銀行の潘副総裁は、国内投資が不動産に偏っている現状について「不動産バブルの崩壊、さらに は経済危機を招く可能性もある」と語った。
 銀行預金の金利が低く(金利は3%程度)、他に投資先がない中国 では、不動産に投資が集中。結果的に、投機マネーが不動産市場に 流れ込み、バブルを膨張させていった。

 杭州市のマンション価格は年収の20倍を超え、他の都市部にも似た状況だ。
 2013年の住宅価格対世帯所得比率を見ると、北京が19・1倍、上海が 18・1倍。深センや福州でも15倍を上回っている。
 より問題なのは、家賃収入対住宅価格比率の低迷である。
 住宅価格と年間の家賃収入を 比較すると、北京や上海が2%台に落ち込んでしまっているのだ。

 すなわち、不動産価格が高騰し、住宅投資による家賃収入が、銀行預金の金利を下回る状況に至ってしまった。
 少なくともインカムゲインで見る限り、中国では住宅に投資をするよりも、銀行 にお金を預けた方が得なのだ。
 しかも、ローンを組んで住宅を購入した場合、銀行へ利 払いが発生するため、実質的な不動産収益率はさらに低下する。

 無論、キャピタルゲイン(値上がり益)が期待できるならば、不動産投資は継続 できるとはいえ、2014年に入り、中国の各都市部において不動産価格の値下がりが 始まっている。
 不動産の収益率が預金金利を下回る状況になってしまった以上、「不動 産が値下がりする」という認識が中国人民に広まってしまった。
 バブル崩壊のプロセス がすでに動き出している可能性が高い。

 不動産価格の低迷を受け、中国共産党政府はさらなる金融緩和を実施し、不動産バブル 崩壊を防ごうとするかもしれない。

 その場合はますます不動産収益率が下がり、最終的 には借入金の金利を賄うことすらできない水準に至るだろう。

 不動産価格がさらに高騰し、不動産収益率が金利を下回るレベルにまで落ち込むと、共 産党政府は「不動産価格の統制」を行うだろうが既にバブル崩壊を防ぐことは不可能だ。
 富裕層の土地の投げ売りがはじまっており、現在の中国の不動産バブルには「出口がな くなった」というのが現実だ。


▲補足、感想など

 崩壊って、どのように—かな。
 おそらく、シャドウバンキングの破綻だろうな。

 シャドウバンキングって、要するに、中国版の街金というか高利貸であろう。
 中国での銀行金利は、記事にあるように3%くらいだ。
 そこで、金持ちが金利10%とか15%とかを謳って、庶民というか貧乏な中国人の「金儲け」への欲望を焚き付け、お金を集め、不動産に投資した—ということなのだろう。

 ところが、記事にあるように、家賃の利回りが2%程度となった。
 不動産の価格も下落傾向にあり、キャピタル・ゲインも期待できない。
 その状況の中で、金利10%とか15%を約束して、償還時に支払える訳があるまい。

 支払えなければ、取り付け騒ぎがおこり、更には暴動となろう。(どんなに貧乏であっても、中国人の金儲けへの執念は半端なものではない)
 こうして、バブル崩壊の火の手は大きくなり、収拾のつかないものになっていこう。

 これから、中国内部からの不動産の価格下落、シャドウバンキングの倒産のニュースに気をつけよう。
 それは崩壊までのカウンドダウンの数値がより小さくなっていることを意味している。