2014年7月19日土曜日

思い出のマーニー  感想。

この映画、難しい訳ではないが、なんというかイライラさせられる。
 途中ではなにも分からず、大団円の中でなにもかもが解き明かされる—という手法を使っているからであろう。

 ネタバレにならないよう気をつけつつ、粗筋にふれながら感想を箇条書きとしたい。

あ、主人公は、12才くらいの女の子。中学一年生というぐらいか。養女というかもらいっ子らしい。
 養母のことをオバサンと呼ぶ。
 血のつながりがないことで疎外感をいだいている。<疎外感というより、自分が誰からも本気で愛されていないという、言わば愛情不足を感ずるのだろうな---このことが、最初のcmで「あなたが大好きだから」てな言葉に繋がっているのだろうな>

い、喘息がひどくなって、夏休みに北海道の東側の親戚のところで一時暮らすことになった。
 道東には、海岸から垂直方向に入った沼地というか汽水湖があるが、そんな沼地のほとりに親戚の家があってそこで暮らすことになる。

う、畔にたってみると、対岸に大きな洋館がみえる。
 ある夜、ボートに乗って近づくと、金髪の同じぐらいの女の子がでてきた。

え、--ここぐらいまでは説明ができるのだが、これから先は現実とまぼろしが交互にでてきて説明はできない。
 
お、元々がイギリスの小説を日本の北海道を舞台にして置き換えたものだから、いささか、違和感がある。
 上でふれたように、道東の沼地の側の大きな洋館から金髪の美少女が出現するなんて、違和感がありすぎるだろう。<あぁ、表題のマーニーとはこの金髪の少女の名前だ>
 ここらあたり、宮崎さんが「金髪の美少女を出せば、どうとか」とチクッと皮肉っていたのだろうな。

か、こうして、主人公とマーニーの二人が現実とまぼろしの間を交互にいきつもどりつし、大団円に突入する。
 大団円で、主人公とマーニーの関係が解き明かされたとき、あぁとなにもかもが氷解し納得する。
 筆者は、いつのまにか涙ぐんでいた。

き、この映画、筋だけを追っかけるとあまり面白くない。
 主人公の誕生にまつわる秘密であるし、少女が大人にちかづく一過程でもある。
 また、養母からの愛情というものを素直に受け入れるための試練なのかもしれない。

く、この映画、2次元だから成功したのだ—という新聞の評があったが、筆者も同感だ。
 マーニーという美少女が、沼地で洋館で動き回る様は、実に絵になる。また、沼地をめぐる風景が実に鮮やかで美しい。