2015年2月7日土曜日

100円ローソンはなぜ通用しなくなったか。

100円ローソン—というネーミングにそもそもうまくいかなくなる理由があるように感じる。
 いや、もっといえば、もともとやっていたなんとか99にまかせる(資本だけいれるということで--)—という形でよかったのではないのかな。

 これは。
 なにか新浪さんの判断ミスという気がしてならない。
 そもそも、ローソンという名前をつけるから、品質にもこだわらなければならないし、それと安売りの100円とでは矛盾そのものであろう。

 品質が1.5流であろうと2流品であろうと、なんとか99という会社のままであれば、さほど気にすることはないし、多少あぶなそうにみえても、そこはうまくこなせるノウハウのようなものが元の会社であるなんとか99にはあったはず。

 ローソンという冠をつけたばかりに自縄自縛というか、窮地に追い込まれた—というのが本当ではないのかな。

 以下、新聞から抜粋。

 ローソンが100円の商品を中心に扱う「ローソンストア100」の店舗網を縮小する。
 約260店を閉鎖する方針で、 これと同時に農作物を軸に販売する店舗形態「ローソンマート」も全39店を閉める。

 ローソンストア100に的を絞ろう。
 なぜ苦境に追い込まれたのか
 一部に100円ショップの存在意義が低下した」という指摘がある。
 つまり、「消費者は高価なモノを求めるようになった」という見方だ。
 筆者もその意見を否定しないものの、言いすぎであることも指摘したい。

 たとえば、100円ショップをチェーン展開するキャンドゥの業績を見ると、数年の経常利益率は、中水準で横ばいとなっている。
 セリアにいたっては利益率が伸びている。
 手芸やインテリア、キッチン用品、文具などを手がけるところで、女性から根強い人気を獲得しているからだ。
 そうなると、ローソンストア100の苦戦は別の理由にある。

 それは3つだ。

 イオン系の小型スーパーが台頭
 1つめは競合他社の猛攻。
 スーパーである。
 代表的なのはイオンが運営する小型スーパーの「まいばすけっと」。
 コンビニエンスストアと変わらない敷地面積で、 PB商品「トップバリュ」を武器にした低価格志向の店舗を運営。

 ローソンストア100の店舗は、3大都市に9割が集中。
 一方、都市部を開拓する役割を担う、まいばすけっとはローソンストア100と真っ向から競合する。
 イオンはGMSこそ苦戦しているが、まいばすけっとや小型ディスカウントストア「アコレ」などを含む 「戦略的小型店事業」は好調。
 イトーヨーカドーも小規模、低価格帯の店舗の進出を加速している。

 ローソンストア100のように生鮮食品を扱う他チェーンの店舗が続々登場。
 訴求力をなくした面もある。

 2つめの苦戦要因は円安と原材料高だ。
 100円ショップのキモは、安価ながらも高品質な商品の驚きにある。
 円安と原材料高でコストが上がる中、セブン-イレブンは消費税増税を機に、商品の価格と品質を増税分以上に引き上げ、 消費者への価値向上を狙った商品もある。
 対してローソンストア100は、原則として「100円均一」という縛りがあり、 価格の引き上げが難しかった。

 消費者に「100円ならこんなものか」と思われてしまえば、成長は難しい。
 実際に、女性数人 に意見を聞いてみると「今は欲しいものが売っていない」と。

 3つ目は、顧客の「数」を追わなければならないビジネスモデルの宿命だ。
 ローソンの通常店とローソンストア100は、 数年前まで1店あたり大差がなかった。
 ローソンストア100がよかったときで日商55万円ぐらいといわれる。

 客単価が安いため、ローソンストア100が安定した収益を得るにはローソンの通常店に比べ23割は多めに 来店客を獲得しなければならない。
 取り立てておかしな話ではない。

 同じ金額の売り上げを得るための手段はさまざまあっていい。
 数をさばけることは強み。メーカーからすると 販売量がたくさん見込めるからこそ共同開発するメリットがある。

 数を追うやり方は、競争が激化して集客が難しくなったときに行き詰まる。
 コストが上がっている中ではなおさらだ。
 筆者は、ほぼ毎日のようにローソンで買い物をしている。

 ローソンの通常店、ナチュラルローソン、 ローソンストア100が近接する地域に住んでいるからだ。 過去に一定の成功を収めたモデルも、たった数年で「古びてしまう」のは世の常である。


▲補足、感想など

 昔、吉野家がびっくりラーメンを買収して失敗したという話によく似ている。
 低価格のものを扱うって、なにかノウハウがあるのだ。
 びっくりラーメンって、300円までのラーメンだったかな。

 低価格に提供するためには、場所の選定、材料の入手方法、品質をどの程度にまでするのか—そんな見切りというが、商品として出せるギリギリを見極める--そんな技術が必要なのだと思える。

 そんな「危ない話」を「ローソン」という絶対に信用を失ってはならないブランドで行う—というところにそもそも無理な点があったのではあるまいか。

 おそらく、100円ローソンというものから、近い将来、全面撤退する—という可能性が高いと思える