2017年8月22日火曜日

レアアースの密輸が後を断たず---と中国人

ふ~ん、と思った。
 じゃ、2010年の頃か。
 中国政府による、レアアースの禁輸政策がどうしてできたんだ?

 確か、レアアースが高騰したことがあったではないか。
 あの頃は、レアアース業者が、中国政府の言うことを聞いていたということか。

 じゃ、なぜ、今、中国のレアアース業者は、中国政府の言うことを聞かないのだ?
 むしろ、問題の核心というか焦点はそこらにあるのではないのか。

 以下、中国の新聞から抜粋。

 希土類(レアアース)はハイテク製品にとって必要不可欠な物質だ。
 エアコンや高性能モーターなど、われわれ消費者にとって身近な製品にもレアアースは使われている。
 中国はレアアースを戦略資源の1つに位置付けているが、レアアースを加工し、高付加価値の製品を作る技術を掌握できていないのが現状だ。

 中国メディアは、レアアースは中国の国宝とも呼ぶべき貴重な資源であると指摘し、中国政府も生産や輸出を厳格に制限していると伝える一方、今なお大量に密輸されていると伝えている。
 レアアースは現代のハイテク製品にとって必要不可欠な物質であり、軍事面においても同様に貴重な物質だ。戦闘機から弾道ミサイルまで、レアアースは加工されたうえで広く使用されている。
 記事は、米国の戦闘機F-22を例に、機体からステルス塗料、搭載されている電子機器やエンジンに至るまでレアアースなしでは成り立たないと論じた。
 一方、中国はこれまでレアアースを盲目的に採掘し、非常に安価で日本や欧米諸国に輸出し続けてきたと指摘。
 レアアースの重要性を認識した時には「すでに時遅し」という状況にあり、中国のレアアースの埋蔵量はすでに大きく減少していたと論じた。

 続けて、中国ではレアアースの違法採掘と密輸が蔓延しており、一部では中国が年間に輸出するレアアースの30%に相当する量が密輸出されているとの見方もあると伝え、こうしたレアアースのほとんどが日本や米国に向かっていると主張。
 中国にとっても貴重であるはずのレアアースが今なお安価で密輸されている現状を嘆いている。

補足、感想など

 いや、だから。
 貴重などうたら言うなら、禁輸してしまったらどうだ。
 温家宝首相だったかな。
 日本をターゲットにして、輸出を制限したではないか。
 2010年にはできて、今、なぜできないのだ?

 結局、中国のレアアース業者が、日本を始めとして米国あたりと「争っても無駄」だということを知っているということだろう。
 中国が禁輸すれば、日本は外の国から購入するし---

 中国自身が、レアアースの精錬技術を獲得するには、もう、100年という歳月が必要だし、かと言って、日米向けに禁輸作戦も無駄。

 ならば、少しでも売れる時に売ってしまおう—という中国人特有の「他人を出し抜いてやろう作戦」が横行するということだろう。

 トウ小平氏の「中東に石油有り、中国に希土あり」てなスローガンが、色褪せてしまったなぁ。