2017年8月29日火曜日

日本人はどこから来たか。インドとの関係

妙な表題となった。
 どのあたりから。
 もう亡くなった言語学者の大野晋先生が、日本語とインドのタミール語との類似性を言われていた。
 タミール語との関係は、偶然のものではない。
 日本語とタミール語には何らかの関係性がある。
 今は、その理由は分からないが、将来の解明を期待したい—てなことが、タミール語との類似性を書かれた本の最後あたりに書いてあった記憶がある。

 日本人とインドとどう関係しているのだ?と筆者には、まったく推定すらもできなった。
 で。
 全く畑違いの方向から、解明の光が射してきたようだ。
 日本にいるネズミ(ハツカネズミ)の研究をしている北海道大学の研究から、なにか手がかりがみつかりそうだ。

 以下、その文章を抜粋。

 実験用動物としてなじみの深い日本のハツカネズミの詳しいルーツを解明した、と北海道大学などの研究グループが、英国の生物学術誌に発表。
 約4000年前には中国南部から、約2000年前には朝鮮半島からそれぞれ日本列島に移入したと考えられる。
 ハツカネズミは人間の家屋を住みかとすることなどから研究グループは、日本人の起源を考える上で重要な発見としている。

 ハツカネズミのルーツについては、これまで「南アジア亜種系統」と「北ユーラシア亜種系統」の2系統があることが明らかになっていたが、それぞれどの時代にどの地域から移入したか、など詳しいことは分かっていなかった。
 北海道大学院地球環境科学研究院の鈴木仁教授らと理化学研究所バイオリソースセンターによる研究グループは、国内に収蔵保管されているハツカネズミ約80匹のミトコンドリアDNAを解読。
 これらは、遺伝学者だった故森脇和郎博士らが世界の野生ハツカネズミのDNAを収集したもので現在でも「森脇コレクション」と呼ばれている。
 現在の保管先は国立遺伝学研究所と理化学研究所バイオリソースセンター。

 ミトコンドリアは細胞内の小器官で、核とは別のDNAを持ち、核DNAと異なり遺伝情報が母方からだけ子に継承される。
 解読技術も進歩して最近では人類を含めた生物の祖先や進化を探る重要な手掛りになっている。

 研究グループの解読の結果、ユーラシア産のハツカネズミは、異なる時代に3回にわたり「一斉放散」を大きく経験。
 一斉放散は、動物が氷期などの影響を受けて個体数を減らした後に急速な温暖化などによって激増すること。
 ハツカネズミの3回の一斉放散のうち、2回目は約4000年前に中国南部の珠江沿岸域と日本列島などで、3回目は約2000年前に朝鮮半島と日本列島で起きていることが分かった。

 縄文時代に当たる今から約4000年前に中国南部から、弥生時代に当たる今から約2000年前に朝鮮半島からそれぞれ日本列島に移入していたことを示しているという。

 遺伝的解析に基づき想定された主要2亜種系統の日本列島への移入。
 過去の研究成果も踏まえ、日本列島への野生ハツカネズミは以下のような流れで移入・展開したと考えられる。
 (1)南アジア亜種系統はインドに起源地を持ち、約8000年前に放散。
 その後(2)中国南部に移入した系統が珠江流域において4000年前に放散し、日本列島及び南サハリンまで波及した
 (3)北ユーラシア亜種系統は朝鮮半島にとどまっていた系統が約2000年前に放散現象を起こし、日本列島に九州経由で移入した。

 移入後しばらく時間が経過した後(例えば1000年前)北ユーラシア亜種系統は東北及び北海道に南アジア系統と交雑しながら北方移動した(図説明・鈴木仁北海道大学教授ら研究グループ)(提供・北海道大学)

▲補足、感想など

 ネズミが、インドで8,000千年前に放散—か。
 この頃に、日本人の祖先(日本で縄文人の一部になったということか)がインドにいた—ということを指し示しているように感じた。

 4000年前に中国南部で—というのは、「稲作の伝搬」を意味しているのだろう。

 2000年前に朝鮮半島から—というのは、おそらく、弥生人が日本列島に入ってきたことと関連がありそうだ。
 日本の画期的な出来事が、ハツカネズミの放散と関連しているって面白いなぁ。