2019年1月8日火曜日

飛翔 軍鶏侍3 野口卓著 平成24年6月刊 祥伝社文庫  感想


かなりの書き手だと感じた。
 著者名を始めて見た。

 まず、アマゾンでの評価をみたい。
 ☆4つ。まぁ、評価者は3人だけだけど。

 一番長文だった人の感想を転記したい。

 --ここから--

2012917
形式: 文庫
 偶然と第一作の『軍鶏侍』で、新たな時代小説家野口卓を知って、最新作とも言える第三作の本『飛翔』まで、一気に読んでしまった。
 時々に、時代小説は本当に禁断症になってしまうという意味でも、新しくて素晴らしい作家との出会いはうれしいことだと思う。
 多少ぎこちなさというか、説明が目に付いた第一作から徐々に肩の力が抜け、いかにも(いい意味で)時代小説となった第二作、そしていよいよこなれ、遊びも見える本作と、今後が楽しみになる。

 本作品では、仇討ちを扱った「巣立ち」が秀逸で、非常に緊張感のある、時代小説王道といった雰囲気の佳作だといえる。
 一方、すべてがこの作品くらいだと、少し姿勢がしんどいかも知れないけど、まさに鳥の軍鶏を扱った「咬ませ」は、ちょっとつまらなかったな。
 時代小説だから、時代物でないといけない、剣豪物でないといけない、というわけではないけど。
ま、でも、いい作品です。
 今、文庫で出ているのは、ここまでかな。寂しいな。早く次を読みたいですわぁ。

 --ここまで--

 次に、この文庫本の末尾に解説があり、評論家の一文が載っていた。
 長文なので、筆者がひっかかったところだけ転記したい。

 --ここから--

 心地よい上に読み応えのある小説、いわば凛とした格を備えた作品たり得たのである。
 中略
 軍鶏も含めて、描き出される登場人物のことごとくに生命が吹き込まれているのだ。作者が操っているがごとき不自然な言動をとる木偶は一つも登場してこない。 略

 --ここまで--

 時代小説家としては、上位のランクにいることは確かだと思える。
 ちょいと傍流という感じではあるが、こういう時代小説があってもいい—筆者はそう感じた。