2014年9月11日木曜日

さまよう韓国外交。

表題のような記事があって、面白いなと感じた。
 書き手は、韓国の匿名の記者らしい。

 朴大統領の立場などにふれて興味深いのだが、ただ、日本の戦後レジームの崩壊には思いが至らないらしい。

 日本人の変化というものを直視せずして、日本と韓国との間の外交の行く末はないものと思うのだが。
 あぁ、日本の二✕さんも、戦後レジームの崩壊など信じていないような発言だったな。

 まぁ、信じない人はご勝手に。

 以下、韓国の新聞より抜粋。

 政府関係者が、「日本と協力すべきは協力するというのが基本的な立場」と言い、韓日間安保対話の開催を推進すると明らかにした。
 「ずっとしてなかったことをしなければならない」という発言も。
 11日には韓中日の次官会議が開かれる。

 当初、日本と中国は消極的だったが、韓国が積極的に介入したという。
 「日本と協力すべきは協力するというのが基本的な立場」という政府関係者の発言は、聞き慣れない発言だ。

 最近まで大統領や外交長が、日本に向かって見せていた言動と裏腹のものだからである。
 「歴史認識を変えない限り、一寸の妥協もない」というのが、大統領が日本に向かって投げたメッセージであると理解している。

 日本は談話の検証まで終えて、廃棄する動きも見えている状況である。
 環境は悪化した。

 しかし政府は、別の方法で、日本に向かって、対話ルートの再稼働を打診している。
 日本との水面下の交渉で、謝罪表明の予定を確保した状態なら分からないが、政府のこのような行動は、「軽く見える」としか言えない。

 にもかかわらず政府が日本に屈したかのような絶望的な歩みをする理由は、事実上韓国の境遇が、外交的な孤立を射程に置いている状況だから。

 中国は、「建国記念日」を迎えたお祝いと言って、北朝鮮にお祝いのメッセージを送った。
 韓国のリーダーや外交ラインがドキッとするようなニュースである。
 混乱することが予想された日本と北朝鮮の交渉も、無理もなく進められているようだ。
 あわせて、日本と中国の首脳会談も、11月に実現する可能性を排除することができない。
 米国はまた、北朝鮮と直接なにかをしてみようとしている状況である。

 このうち、日北間と米北間は、それぞれ「拉致(抑留)者」を媒介とした接触である。
 犯罪のための接触なので、北朝鮮を「憎むこと」と、米日に「あまりにも接近するのは困る」という要請をする以外、影響力を発揮することができない政府の外交能力は、可哀想である。

 日中間の接触は、覇権をめぐって、包囲網を構築するために溜まった疲労を解消する休戦性のものと見ることができる。

 もし「日中首脳会談」と、安倍首相訪北による「日北首脳会談」が行われて、中北関係まで回復の兆しを見せることになると、韓国は非常に困難な状況に直面するしかないことになる。
 この状況が展開した場合、今後韓国が韓半島と極東アジア地域で行うことができる役割は、事実上なにもなくなる。

 北朝鮮の核ストレスは、基本的に「北朝鮮vs日本」「北朝鮮vs中国」「北朝鮮vs米国」の関係者によって治められるし、北朝鮮がまた挑発をした場合、同じ構図によって管理される可能性が大きくなる。

 一言で言えば、韓半島情勢を左右する主人公が「北朝鮮」となって、「韓国」は影響力のない客体に転落するだろう。
 もちろん韓米同盟は相変わらずだが、その韓米同盟は実際の戦争が勃発したときに限定されるだけの、有限的なものになる。

 つまり、戦争勃発前の長期間の状況下で、韓国は、韓米同盟状態とは別個の、もう一つの姿で存在するしかなくなる。
 韓国は、平時の場合、米日中北という4つの蛇口の下に位置する「冷や飯状態」になり、ある程度の経済力はあっても、域内の安全保障を左右するFactorとしての存在感は「喪失​​」する。

 政府が強力に前に出してきた「歴史妥協不可の原則」があるにもかかわらず、前向きな姿勢(「協力すべきは協力する」)と言うしかない理由は、現時点で、最悪の状況が到来する可能性を排除できない状況がきているからである。

 一言でいって、緊急だったのだ。
 こういった「緊急の状況」にまで追い込まれた最大の原因は、外交ラインが追求した「親中反日外交」ポリシーにある。

 「親中反日外交」がもたらした事項を一覧表示してみると、

①韓国の親中(対日共闘)で、韓米日の協調が弱体化
②協調が弱体化する雰囲気の下で、日本が容易に対北アクセス
③北朝鮮は日本という出口の確保(北朝鮮が韓国をより一層無視する)
④中国はさらに接近してくる韓国を味方だと判断
⑤中国は追加で北朝鮮とも関係回復(南北両方をコントロール)
⑥日中間の休戦(和解)の模索

 ということで、概略が要約できる。

 最も大きな禍根は、「韓国の対中アクセスに伴う日本の対北密着」現象に要約できる。
 もちろん韓国が親中反日外交路線を歩まなくとも、日本の拉致被害解決努力はあっただろう。

 しかし、適正なラインでの問題解決で終わるのではなく、韓国の過度の親中反日のために、「日北間首脳会談」は、場合によっては両者の「正式修交」まで見える状況を排除することができなくなったという点は、痛い部分でしかない。

 私たちの政府は、「日北修交」はもちろん「日北首脳会談」をしないよう日本に対して十分な影響力を行使することもできない状況である。
 韓米日の協調が堅固な状況であってこそ、それができるのだ。

 ところが米国も、日本の試みを制御できないのが現実である。
 一言でいうと、「韓国の対中アクセスは良くて、なぜ日本の対北アプローチは駄目なんだ?」という日本の主張に、米国も返す言葉がないのである。

 結論として、韓国の過度な対中アクセスが、日本の過剰な対北アクセスを可能にし、ここに出口を見つけた北朝鮮は次第に期待感を高めて、最近は自信を回復していっているというのが、今の展開状況なのである。

 結局、日本を孤立させようという「親中反日」という私たちの外交路線が、むしろ私たち自身を孤立させる可能性が大きい「最悪の手」となってきている。

 このような最悪の状況をみて、政府が、今になって違う姿勢(「日本と協力すべきは協力する」)で現状を打開しようとするのは、典型的な「晩時之嘆」に該当する。

 それなら「日本と協力すべきは協力する」という外交と過去史の分離方針の外交を、最初から実践していれば良かっただろうと思って残念である。
 そうすれば、事態がこんな有り様にならなかっただろう。

 建設的ではない「親中反日」という路線に固執して走ってきたから、2年足らずの間に大韓民国が「あまりにも軽くなった」という事実があまりにも痛い。

 普段は大声を張り上げておいて、今更慌てて追われているような姿を見ると、哀れだという思いまでする。
 もう実力がないことが確認できたのだから、どうか運にでも従って、解決して欲しいと思う心が切実である。


▲補足、感想など

 なんのこっちゃ。
 これが、現在時点での韓国外交の状況を精緻に分析した文章か。

 どうも、韓国人の記者って、反応が過剰というか、あらぬことまで考えてしまうのだな。
 過剰に反応して、行動も過激となり、常軌をはずしがちだ。

 どのあたりから。

 日本人の韓国人への対応は、非韓三原則にのっかっている。
 即ち、関わらない、助けない、教えない—だ。
 じゃ北朝鮮に対しては別かといえば、そんなことはない。
 同じく、非韓三原則に従う。

 このことの背景にあるのが日本の「戦後レジームの崩壊」だ。
 朴大統領の日本との外交で外してしまった「核心」は、日本の「戦後レジームの崩壊」を認めたくない—ということにあるのだろう。

 インターネットの日本全国への普及により、戦後、半世紀以上も日本にいる朝鮮系洗脳工作員達(新聞テレビにでてくる朝鮮系の記者、論説委員、大学教授、官僚、国会議員、コメンテーター、義務教育を中心とする教員達)によって、日本人が洗脳され、世論操作されていたことが、日本人全員の目の前にさらされてしまったのだ。

 その「洗脳されていた」という事実を日本人全員が知ったことによって、「戦後レジームは崩壊」した。

 こうして、朴大統領の捏造慰安婦がどうたらとか、歴史認識がどうたらなんぞ、--- それなに?おいしいの? とか日本人が思うようになってしまったのだ。

 こうしてみると、韓国人と日本人との距離というか、乖離の幅がいかに大きいかが理解できよう。
 千年恨む という人と、捏造慰安婦 えっ、それなに? 美味しいの? という人との間で、会話がなりたつ訳がない。

 この途方もない乖離の大きさの前で、韓国の朴大統領は、とまどいさまよっているのだ。

 繰り返そう。
 日本の戦後レジームは完全に崩壊した。
 確かに、韓国は変わってはいまい。
 日本人が、日本が変化したのだ。そしてもう元に戻るということはない。

 だから。
 韓国の朴大統領は、日本の戦後レジームが崩壊したことを直視するか否かの選択を迫られている。

 直視しないなら、それでも日本は構わない。
 朴大統領と安倍さんの会談なんて、両者の任期中にはありえまい。