2016年3月7日月曜日

ドイツって、中庸の道を歩めない民族だ。

▲極端から極端へと振れる。
 その振れ幅の大きいことがドイツ人の特徴ではある。

 2011年の日本の福島原発の事故を受けて、たちまち、ドイツで原発の発電をやめてしまった。
 あの感覚だろうな。
 悪くいえば軽挙妄動。良く言えば、機を見るに敏・目端が利く。

 ただ、ドイツの場合、選択する方向性の振れ幅が大きいことで、必ずしも「いい方向」へ行っていない。
 今度の難民騒動は、ドイツという国の基礎・根底をシロアリのように虫喰ってしまおう。

 以下、新聞から抜粋。

 ドイツで移民を受け入れて来たメルケル首相の政策に反対を唱え支持を集めている極右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は〈12%の支持率を獲得〉するまでに成長。
 連合を組んでいるキリスト教民主同盟(CDUCSU)と社会民主党(SPD)の次に続く第3政党に躍進している。
 メルケル首相のお蔭でドイツに難民が増え、それに反対するドイツ国民からの支持を集めて成長している政党ということ。

AfDがのたまう「いい移民・悪い移民」

 AfDの党首フラウケ・ペトリーはメルケル首相と共通点をもっている。
 ペトリーもメルケル同様に東ドイツ出身で科学者。
 メルケルは物理、ペトリーは化学をそれぞれ専攻していた。
 メルケルは牧師の娘として育ち、ペトリーは牧師の元妻。現在、この二人が対極の立場にある。

 2013年に設立されたAfDは全ての移民の入国を拒絶するのではないと。
 ドイツの発展には移民が貢献して来たのを知っている彼らが主張するのは、ドイツの発展に貢献出来る技能など能力を備えた移民は歓迎すると。
 彼らが反対しているのは、メルケル首相の無差別に移民を受けいれる姿勢だとか。

 ドイツ社会で移民の入国に反感を抱き、排外主義的な思想が蔓延れば蔓延るほどAfDへの支持が集まる。

◆通貨も政策も反ユーロ
 またAfDはユーロ通貨に反対し、マルクに戻すことを主張。
 そして南欧諸国への補助金の提供などにも反対。
 共同通貨の導入によって、ドイツの独自性が失われ、ユーロ加盟国への支援からドイツ国家そのものの経済が低迷することを恐れEUの権限の縮小を要求している。
 そして、ユーロからの離脱も容易にすべきとしている。

 AfDが主張する提唱の背景には「怠慢なギリシャにドイツ人が貯めたお金を提供する必要があるのだ」という考えるドイツ人を納得させるに充分である。

 CDUCSUを支持して来たドイツ人の中にはAfDに支持を鞍替えした者もいる。
 同様に、どの政党にも納得せずに投票しなかったドイツ人がAfDを支持するという現象も起きている。

 特に最近AfDの動きがメディアでも盛んに取り上げられているのは313日に3つの州の州議会選挙が予定され、AfDが議席を初めて獲得する可能性が濃厚になっている。
 ザクセン・アンファルト州ではAfDが議席数でSPDを上回る勢い。
 バーデン・ビュルテンベルグ州ではSPDが緑の党と連合政権を維持しているが、移民問題が深刻でspdの閣僚は同州政府への資金支援を要請という。

 SPDのガブリエル党首は大連合政権の副首相でもあるが、年初に「難民の入国を制限すべきだ」という発言をしており、メルケル首相の難民対策とは異なった姿勢を表明。
 特にガブリエル党首にとっては、この地方選挙の結果次第では党首としての自らの進退をかけた選挙になるとも言われている。

◆ナチス台頭を思い出すとユダヤ人団体
 一方、AfDの躍進に、ドイツのユダヤ人社会は脅威を感じている。
 ユダヤ人会のジョセフ・シュスター会長は〈AfDの躍進に不安を表明〉している。また同氏はAfD10%の得票率をもって支持率が上昇していることについて、〈ナチスが政権に就く前のヴァイマル共和国で過激派が支持を集めて人気が上昇したことをユダヤ人組織が思い出している〉と述べた。
 そして、〈既に警鐘が鳴っているというのは事実だ〉述べて事態の深刻さ強調。

 40%の国民がメルケル首相の退陣を望んでいるという現在のドイツ社会で、CDUCSUの政権安定が崩れるとAfDが更に発展する可能性がある。
 移民問題の解決は見えず、ユーロ通貨に絡む問題も解消する様相はないことからすると、今後もAfDが台頭する素地は十分にある。ドイツは、そしてヨーロッパはどうなっていくのだろうか。

補足、感想など

 どうなっていくのか?--か。
 多分、社会の混乱 → 経済の低迷 となるのだろうな。
 まぁ、もっと言えば、アメリカ型の暴力社会となっていくということだろうな。

 メルケルさんが、シリア難民に向かって、シリアの治安が安定したら帰国してね—とか言う言葉を聴いて、その認識の甘さにぞっとした。
 帰れ—と言って帰国するものか。

 人間誰しも安定した生活を望んているのだ。
 その意味で ドイツ>>>>シリア であろう。
 誰がシリアに帰るものか。

 ドイツ国内で、民族間の軋轢が激しくなって、治安も悪化していこう。
 相手は、非寛容なイスラム教徒なのだ。

 ドイツという国は、自ら持つキリスト教を背景としたお花畑思想のために、簡単に物事を決定し、その軽い軽い「判断」で、自らの国家の低迷・崩壊を招く---そういう国となるのだろうな。