2018年3月8日木曜日

パナソニックは、「向こう」が見えない

パナソニックが100年だとか。
 でも。
 まだ、「向こう」が見えていないようだ。
 で。
 家の中にあるので、なんとか「売れるもの」を見つけようと努力している。
 核心は、日本人が数十年先の未来ではどのように暮らしているか—ということなのだろうな。
 その「未来に住む日本人の姿」が、パナソニックには見えない。

 以下、新聞から抜粋。

 東京・世田谷区の二子玉川駅前、家族連れ客で賑わう人気スポットがある。
 「二子玉川 蔦屋家電」だ。310日、ここにパナソニックが”社長肝いり”のショールームを開業。
 蔦屋家電は、書店と電器店とカフェが融合した新業態の商業施設だ。
 2015年、CDレンタルの「TSUTAYA」を手がけるカルチュア・コンビニエンス・クラブが開設。
 これまでもパナソニックのキッチン家電や美容家電の取り扱いはあったが、今回の主役は家電ではない。

 「リライフ・スタジオ・フタコ」というショールームでパナソニックが押し出すのは、リフォームなどを手掛ける住宅事業である。しかもキッチンやバスルームといった商品を展示するのではなく、同社の家電やインテリア雑貨や書籍などを並べ、ライフスタイルを丸ごと提案しているのが特徴。

 商品単体ではなく、ライフスタイルを提案
 キッチンスペースの展示で、IH調理器と食卓が一体となった「いろりダイニング」のテーブル上に、肉の丸焼きなどが楽しめる「ロティサリーグリル」が置かれる。その周りには食器やインテリア、料理に関する書籍がずらりと並ぶ書棚も陳列してあり、実際の食事風景が目に浮かんでくる。

 パナソニックは大阪で住宅に特化した大規模なショールームを運営しているが、首都圏に同様の施設がない。
 そこで、ターゲットとする高所得のシニア層や家族連れが来店する二子玉川に旗艦拠点を設け、東日本にも攻勢をかけたい。
 マーケティングにはCCCが持つ6500万人ものTカード会員のデータも活用。

 商品に関心を持った客は、「パナソニックリフォーム」や新築事業を手掛ける子会社「パナホーム」の事業所にも誘導していく。
 ただ今回の施設をCCCと手を組むことにしたのは、ほかにも理由がありそうだ。
 パナソニックの津賀社長は、「ライフスタイルを創出し続けてきたCCCの知恵と、パナソニックの技術という強みを融合し、化学反応を起こすことで新たな暮らしの姿を生み出したい」と語る。

 この「化学反応」にこそ、津賀社長が考える真の狙いがある。
 両社の”出会い”は、2014年にさかのぼる。
 パナソニックが藤沢市にある工場跡地に作ったスマートシティに、CCCの手掛ける商業施設「湘南T-SITE」がオープン。店舗を視察した津賀社長は、書籍やインテリアのショップ、カフェなどが入り交じる店内の陳列形式に感動を覚えたという。

 2015年、津賀社長とCCCの増田社長の会談が実現。話は盛り上がった。そして2016年の暮れ、「ライフスタイルを提案する拠点を作るということで、パナソニックから相談を受けた」(増田社長)
 「パナソニックとCCCは発想の仕方が正反対だ」。
 そう語るのは、両社長を引き合わせ、「リライフ・スタジオ・フタコ」の責任者を務めているパナソニックのt執行役員だ。

 「たとえばキッチン設備を提案する際、当社では機能の良さを打ち出すが、CCCは、ここからどのようなだんらんが広がるかを考える。ライフスタイルを提案するには、CCCとの協業なしに解は出なかった」。

自前でできないことは、他社に頼る
 パナソニックは、自ら異色タッグを仕掛けている。31日には、睡眠関連サービスの共同開発で西川産業と、IoT家電の実現に向けた技術開発でNTTドコモと、さらには新事業創出の取り組みの一環として、米シリコンバレーに拠点を置く投資会社のスクラムベンチャーズ社との提携を発表した。

 パナソニックは自前主義の強い企業だったはず。「他社と積極的に手を組むようになったのは、津賀社長になってから」と、t氏は明かす。
 2012年の社長就任以来、津賀社長は、「クロスバリューイノベーション」をスローガンに掲げてきた。社内にある36の事業部と、それを統括する4つの事業会社での縦割り的な悪習を取り払うとともに、自分たちだけでできないことは他社の力を借りるという「脱・自前主義」の意味も含まれている。

 力の借り方は提携だけではない。目立つのが、外部人材の登用だ。
 2016年にはメリルリンチ日本証券の元アナリスト、片山栄一氏を招聘。
 2017年にはマイクロソフト日本法人の社長などを務めた樋口泰行氏を呼び戻し、BtoB事業のトップに迎えた。
 独ITベンダーのSAPから馬場渉氏、米IBMからは山口有希子氏など、異業種から多くの人材を幹部に引き抜いた。

 ともすれば、社員からの反発を招きかねない施策だが、津賀社長は「新しい会社に変えていくためには、外から事業のトップを呼ぶことも必要だ。個人的な魅力や人脈などを通じて、風土まで変えていってほしい」と狙いを語る。
 プラズマテレビの過剰投資を元凶とする経営不振に陥って以降、津賀社長のもとで事業改革を進めてきたパナソニック。

 他社の知見を借りるべき領域を明確にすれば、自らの強みも見えてくる。
 風土改革は、まだ始まったばかりだ。
補足、感想など

 要するに、パナソニックブランドの「欲しい商品」がないということだろう。
 家電 プラス 住 というところに焦点を絞っているということかな。
 もはや、なにかチマチマしているという印象を持つなぁ。
 コンピュータにもロボットには進出する「力」がないということだろう。
 せめて、led電灯でも競争力があるかと思えば、異様に高いしなぁ。

 ディスプレイの失敗で受けた傷の大きさは分かるが、せめて、技術者が「夢」を持てるような商品を生み出せないかな。
 どうしても、パナソニックには「チマチマ感」がつきまとうなぁ。
 そういえば、トヨタが一人暮らしの老人の相談相手になる小型ロボットを販売していたが、あれなんか、パナソニックが得意とする領域ではあるまいか。