2018年3月29日木曜日

貴乃花親方が深くおわび


まぁ、貴乃花親方騒動が、納まったとでも言えばいいのかな。
 この騒動の核心部分ってなんだろうなぁ。

 筆者は、このブログで何度もふれた。
 どういう行動を起こしても構わないが、それが「相撲というものを日本人が愛し続け、支持し続けてもらうための行動なのかどうか」--それが唯一の「判断基準」だと。

 だから。
 貴乃花親方の問題提起の仕方、言動の仕方が、上の判断基準にそぐうものではなかった—ということだろう。
 その意味で、「深くおわび」するという行動に繋がったということであろう。

 以下、新聞から抜粋。

 日本相撲協会は,エディオンアリーナ大阪で全親方対象の臨時年寄総会を開き、元横綱日馬冨士関による傷害事件以降、協会に反発する言動を続けた貴乃花親方(元横綱)が経緯などを説明。
 その後、記者会見した同親方は「一連の行動でご心配とご迷惑を掛け、深くおわび申し上げる。真実を追求しようという気持ちが強く、かたくなな姿勢を取ってしまつた」と述べた。
 出席者によると、貴乃花親方は冒頭から終了まで謝罪を続けたという。
 この日決まった新職務では、元理事の同親方は役員待遇委員から1階級降格で委員となり、土俵下で勝負を見守る審判部に配属された。
 2月の理事候補選挙での落選を受けた慣例的な措置。
 同親方の処分については、臨時年寄総会は29日の理事会に一任することで一致した。

 一部親方から解雇に相当する契約解除を求める厳しい意見が出たが、「一から出直してほしい」と再出発を促す声もあったという。
 貴乃花親方は弟子の十両貴ノ岩関が被害者となった傷害事件の協会対応を問題視し、内閣府の公益認定等委員会に告発状を提出。
 春場所初日から欠勤するなど物議を醸したが、起きた弟子の十両貴公俊関の暴行問題を機に役員室へ出勤するなど態度を一変。告発状も28日に取り下げた。

怒声飛ぶ中何度も謝罪  「すみません。心を入れ替えて頑張ります」。
 不満を募らせた親方衆から怒声が飛ぶ中、貴乃花親方は謝罪を繰り返した。
 臨時年寄総会に出席した「平成の大横綱」からは、協会に反発してきた姿勢は消えていた。
 総会は約2時間。貴乃花親方はほぼ孤立無援状態で、周囲からの不信感も根深かった。
 高田川親方(元関脇安芸乃島)は「誠意を見せて、ちゃんと残るものをつくった方がいいと言った方もいる」と話し、誓約書を書かせるべきだとの声も上がったことを明かした。
 終了後には多くの親方が表情をこわばらせ、報道陣の質問には答えず。
 千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「貴乃花親方は相当反省していた」と証言した。

補足、感想など

 相撲というものは、日本人から支持され、愛され続けなければそこでお終いなのだ。
 だから、不満があるならば、相撲協会内部で改革していくしかない。
 相撲という格闘技をみているとそのことがよく分かる。
 世界で一番稼げる格闘技であるということは、世界で一番多くの人が見ている格闘技だということだ。
 そのための工夫が相撲の歴史においてなされている。
 押出しとか、突き落としなんて「技」で勝敗が決まる格闘技が世界のどこにある。
 血を見ないというのも、一つの特徴だろう。

 つまり、その様にして、格闘技の本来的にもつ「粗暴さ」「荒々しさ」という毒を希釈化し・弱めて、通常の観客を獲得してきたのだ。
 で。
 貴乃花親方の主張が・言動が、「観客を多く獲得する」ことに繋がるのか?

 その意味で無理があろう。
 まぁ、表題で「深くおわび」という表現となっているが、当然であろうな。

 なんどもいいたい。
 どんな行動にでてもいい。
 ただ、その時の「判断基準」は、相撲というものが日本人から愛され続け、支持されつづけるための行動なのかどうか—ということだ。
 「相撲というものは、日本人から愛され支持されなければ、そこでもうお終いなのだ」
 その判断基準にそぐわない行動は、他者から誹(そし)りをうけて排除されるだろうということだ。

 *追記
 以下のような処分となった。

 --ここから--

 貴乃花親方2階級降格  貴公俊は1場所出場停止

 日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で理事会を開き、貴乃花親方(元横綱)を委員から年寄への2階級の降格処分とすることを決めた。
 年寄は7階級ある親方の地位の中で一番下。
 貴乃花親方は3月の春場所中に無断欠勤などを繰り返して協会の規則に違反したほか、春場所中日の18日には弟子の十両貴公俊(たかよしとし)が支度部屋で付け人に暴行する問題が起き、監督責任を問われた。
 貴公俊は1場所の出場停止処分となった。
 貴乃花親方は、弟子の貴ノ岩が元横綱日馬富士から受けた傷害事件を協会に報告しなかったなどとして、1月に理事解任処分を受けて2階級下の役貝待遇委員に降格。

 さらに2月の理事候補選の落選を受け、今月28日には慣例でさらに1階級下の委員となっており、1月から計5階級降格となった。
 貴乃花親方は「真摯に処分を受け止め、今後は自分に与えられた職責を果たしながら、弟子の育成と大相撲の発展のためにゼロからスタートしてまいります」とのコメントを出した。
 記者会見した八角理事長(元横綱北勝海)は、貴乃花親方について「真面目に仕事をして、組織人として改めてもらえればと思ってい
る」と話した。
 貴乃花親方は春場所初日から無断欠勤や会場にわずかしか姿を見せない行動で波紋を広げてきたが、貴公俊の暴行問題が起きると、協会への反発的な態度を一変させて出勤。
 28日には全親方が対象となる臨時年寄総会に出席し、一連の言動について全面的に謝罪した。
 また傷害事件の協会の対応を巡って内閣府の公益等認定委員会に告発状を提出していたが、28日に取り下げた。

--ここまで--