2020年10月1日木曜日

アフガン紛争も終結か

 

終結という表現はおかしいだろうな。

 民族自決という本来の形に戻ると考えた方がいいなぁ。

 タリバンという「文明化は善なのか」という根本的な問いを投げかける集団に、文明国から言うことはあるまい。

 水を飲みたくない馬を水飲み場につれていっても飲みはしない。

 つまり。

 「民族自決」なのだ。

 文明国からみて、野蛮とかなんとか言われようが、文明化を拒否する民族というものが存在する。

 それはもう、民族としての個性なのだ。

 放置するというのが、もっとも正しい対応であろう。

 病気になるのが怖いとか、美味しいたべものが食べたいとか思えば、その民族内部から、なんとか改革をと運動が起こるだろう。

 日本でいえば、明治維新のようなことが発生するだろう。

 アフガニスタンで明治維新類似の改革がなされれば、そこから文明国は関与すればいいことであって、文明国以前の国家・民族には、関与すまい。

 援助する必要もない。援助したって、エセ指導者のポッポへそのまま入るだけだ。

 以下、新聞から抜粋。


 米軍「全面撤退」で20年のアフガン紛争に終止符か

9/29()

 912日、カタールの首都ドーハでタリバンとアフガニスタン政府代表のアフガン和平交渉が始まった。これまでの長い経緯を考えれば、交渉が始まったこと自体アフガンの和平に向けた大きな前進と言える。

 元来会談は310日に始まる予定であったが、ガニ大統領がタリバンの捕虜の釈放を渋り、反発したタリバンが政府軍への攻勢を強めたため、交渉開始が遅れていたものである。

 タリバンとアフガン政府代表の会談に先立ち、米国とタリバンが2月にドーハで会談し和平合意を達成している。そこでアフガン政府がタリバンの捕虜5000人を、タリバンがアフガン政府軍の捕虜1000人を釈放することが合意された。

 アフガン政府抜きで交渉が行われたことはアフガン政府にとっては屈辱的なことであったろうが、アフガンでの現状を反映したものであった。ガニ大統領はタリバンの5000人の捕虜、特にそのうちの400人の重罪捕虜の釈放を渋った。おそらく米国のハリルザド特使の説得があったのであろうが、ガニ大統領は400人の重罪捕虜の釈放については、国民大会議(ロヤ・ジルガ)の判断を仰ぐとの決定をし、国民大会議が910日にようやく釈放の決定をしたものである。

 今回のアフガン和平交渉を推進したのはトランプ大統領であった。トランプは2016年の大統領選挙でシリア、イラクに加えてアフガニスタンからの米軍撤兵を公約に掲げ、そのためアフガンでの和平交渉を推進しようとした。

 トランプはまず駐アフガン米兵を12000人から8600人に削減し、ついで11月までに4500人まで削減することを決定した。2月のタリバンとの和平会談で、タリバンがアフガン国土をテロ攻撃に使わないという約束をすれば、米軍とNATO加盟国の軍を14か月以内に(来年4月ごろ)完全撤収することに合意した。

 これは二つのことを意味する。一つはトランプの当初の希望にもかかわらず、大統領選挙までの完全撤退はないということである。トランプも現実を認めたことになる。


 第二は、タリバンが約束を守れば米軍が完全撤退することである。米国政府の中には、アフガンの治安部隊の訓練のため4000人前後の米兵は残すべきであるという見解があったが、その見解は採用されなかったことになる。米国はもしタリバンが約束を破ったら完全撤退はすべきでない、という意見もあるが、タリバンから見れば、約束を守れば14か月以内に米軍とNATO軍が完全撤退することが合意されているので、来年4月ごろまで約束を守るようにするのではないだろうか。

 もしバイデン大統領が実現したらどうなるか。バイデンは以前からアルカイダの復活を阻止するために小規模なテロ対策部隊は残すべきであるとの見解を持っていたことで知られている。バイデンは以前から米国のアフガンに対するコミットメントには懐疑的であったので、仮に完全撤退となっても反対はしないのではないかと思われる。その背景は米国世論のアフガン疲れである。9.11直後は、アルカイダ撲滅のためアフガンへの軍事攻撃を全面支持したが、その後アフガンの米国にとっての重要性が急速に薄れたこともあり、米国世論は米軍の全面撤退を支持するだろう。

 タリバンとアフガン政府の交渉は当然のことながら難航することが予想される。アフガン政府は統治の形態をめぐって、たとえば民主的選挙と女性の権利を定めた憲法を受け入れなければならないと主張し、タリバンは難色を示すだろう。合意の成立が容易でないことは周知の事実である。しかし、交渉が始まったこと自体画期的で、軍事的解決の選択肢がない以上、何とか妥協点を見出すための努力が行われ、米国や関係国も支援の手を指し伸ばすこととなるだろう。


補足、感想など

 ソ連が10年で、米国が20年か。

 文明化が善なのか—と主張する民族に対して、なんという無益な介入であろうかと思う。

 こんな不毛の争いの中で、犠牲になった米軍の兵士達が哀れでならない。

 これは、冒頭でふれたように「民族自決」なのだ。

 その民族内部でお好きなように争えばいいことではないか。

 文明国は、放置するしかないのだ。